さいきんクモを見ない。
拙宅の中で。
小指の先ほどの小さいやつ。
TAB設定のような軽快な飛び方で
以前は毎日家中を移動していた。
同時多発だったから、きっと同じクモではない。
悪さをすることもない。
ただ、ぴょーんぴょーんと自由に移動している。
手に乗せて愛でることだけはしないが
つぶすこともなし。
世話いらずのペットであった。
「おお、またいたか」と
声に出さずとも毎日見ていた。
風呂場にはしょっちゅう出没。
「なんでわざわざシャワー使っているところに出るかな。自爆かい。」
やれやれと、シャワーを使って「あっち行け」と追いやる。
時に逆方向に突っ込んできて自滅して、またやれやれ。
おばかさんめ。
いつの頃からか、ぱたっといなくなった。
何の知らせ?
単に寒いから?
さみしいと思うより、そもそも存在自体を忘れていた。
そして春になり、忘れたころに
1匹現れてくれた。
ああ、そういえば飼っていたんだっけ。
ひさしぶり。