2014年 07月 14日
東京のおばちゃん
初めてインドネシア・バリ島に行った1994年。
日本人妻がまださほど多くないUBUDにて、女の赤ちゃんをだっこしている日本人女性に会った。
その後は唯一の日本人友として、細く長くお付き合いさせていただいている。

さて、その赤ちゃんは、もうすぐ21歳になる。
小さい頃は一緒になってよく遊んだものだ。
年頃になってからは「あ、kero、いらっしゃい」と言うだけで、ちょっとよそよそしかった。

今月初め、母親と来日したのでランチでも、と渋谷で会う。
聞くと、ムスメはこのまま日本に住むという。

正直たまげた。
トランク一個で、来日経験4回目、20歳のうら若きムスメが、身寄りもない、大都会TOKYOに、このまま居るんかい。

それはそれは夢あふれるサプライズだった。
勢いっていうのは、ほんとに、ねえ。

日本語の聞きとりは出来るが、話すことは60%、読み書きはやや苦しい。
やりたいことがあり、とりあえずはバイトをしながらシェアハウスに住むという。

母親がバリへ戻る日が近づき、いくつかの残された案件を、不肖わたくしがお手伝いすることになった。

けろたんに出来るかな。

もちろんやれることは自分でどうぞ。
しかし、銀行手続き、住民票、国民健康保険など、彼女に課せられたハードルは高い。
東京のおばちゃんは、勇みすぎないよう、草葉の陰からそっと手助けをすることにする。

なんとか役所関係をクリアした日のこと。
「kero、申し訳ないがこの紙を読んでくれないか」と言う。

バイト先からもらってきた秘密保持誓約書であった。
わたしでさえ解読の苦しい、猛烈に複雑怪奇な単語の羅列が、A4びっちり2枚。

ええい。簡潔なほうがよかろう。
「日本は情報漏えいについてチョー厳しいので、何においても、見ざる言わざる聞かざるでね」とざっくり訳して差し上げる。
要約すれば合っている。

その後ケイタイ屋に行く。

本体価格は、一括でなければ2年分割払い。
月額2920円を翌月割引2920円マイナスするので、実質負担0円ですよ。
かけホーダイ、パケホーダイにすると、これこれです。

店員さんは、恐ろしく早口に説明をしてくれた。
立て板に水っていうんですか。

彼女は困った顔をした。
もっとゆっくり話してほしいと言う。

0円という設定が理解しづらいようだ。
そりゃそうだ、無理な相談だ。

しかしゆっくり話したところで、複雑怪奇な日本のケイタイ料金事情はわかるまい。
おばちゃんだって、よくわかっていない。

立て板の横で、国連同時通訳よろしく、脳みそを震わせながら一生懸命教える。

とにかく2年は浮気してはイケナイのだ、と。
要約すれば合っていますね。

機種変もダメ、他社乗換ダメ。
そういうことだ。
0円にはしっかりとしたウラがあるのだ、と。

これはほんの一例。
初めてづくしの彼女には、ちょっと歩けばハテナ案件にすぐぶつかる。

東京の交通網については、説明するのをあきらめた。
とりあえず路線図は手に入れたが、あとは経験だ。

赤坂見附と永田町の乗換悲劇について等、体で覚えていただきたい。
ちなみにバリ島には公共交通機関がほぼ無いため、丸っと初体験となる。
時間に遅れそうなら、必ず一報を入れることは教えた。

次は生命エマージェンシーのために花まるうどんを教えたい。


日本って、生きていくのにコツがいるよね。
どこの国でもそうだけどね。

でも、あっっちゅう間、すぐに慣れるに決まっている。
高分子吸収シート並に、ぐんぐん理解していくだろう。
たくましくやっていくだろう。

東京のおばちゃんのお手伝いも、もれなく期間限定なんだろうな。
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上は、ちょうど名古屋からうちに泊まりに来ていたアコちゃんと。
金魚印冷麦(ぬる麦)を食べながら、地図帳を見ている。

「ねーねー、日本のどこに行きたい?」とアコちゃんが聞き、「北海道に行きたい!」とムスメ。
すると「四国」を指さしたので、アコちゃんが教育的指導をしている図。


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by kerokikaku | 2014-07-14 19:50 | ものすごくその他 | Comments(0)


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