2015年 02月 18日
「正藍型染師 田中昭夫の布 頒布会」への道-2.0 奥ノ院再び
冬の冷たい雨。
けろたん川口ひとり旅。

前回の訪問からちょうど一か月経つ。
打ち合わせと言う名の相互安否確認をする時期だ。
バレンタインチョコを忘れたことに気付いたがもう手遅れ。

川口の田中紺屋へ向かうバスの中。
つい「じゅうにがつ たなかがっこう」と読んでしまう。
正解は「しわすだ ちゅうがっこう」。ここで降りるわけではないけれど。
d0182119_2248945.jpg

あの時の皆々様が十二分に場を温めて下さったおかげで、孤高の正藍型染御大はお元気。
ナイスなことにご機嫌であった。

着くやいなや、
「5月頒布会のために値段タグを書いてくださいよ」
d0182119_22482033.jpg

傘寿の伝統工芸師である御大に、下から叱咤激励を投げかける、鬼のけろろ軍曹であった。
ひらがなでけろろ。

しばらくして「これ、染めたんだ」と布を見せてくれた。
d0182119_22544954.jpg

薄青の水玉綿型染を、そのままどぶんと藍甕で濃く染めたらしい。
何かをたくらんでいるようだった。

見回すと、見慣れぬ半纏を発見した。
d0182119_23122518.jpg

「わー、また発掘だ、いい色ですね」
d0182119_22561940.jpg

「前からあった」と強くおっしゃるシルクの半纏。
布の糸味がそのままよく出ている。
d0182119_23124293.jpg

おお、これはゼンマイ織。
昔は水弾き用にも着られたとか。
これも染めるのかな。型つけするのかな。あれれ、引退だったよな。
d0182119_2305139.jpg

こちらは科布。型はつけずに藍に染める。
科布は砧で打ってから使う。
d0182119_2303227.jpg

「ほれ、そこにある」
d0182119_2335952.jpg

はい、ございました。

そういえば、前回見つけた無地のカヤ。あれはよかった。
ざっくり、しかしすっきり清々しい藍染のカヤ。
d0182119_23163978.jpg

御大は裏へ消えてしまった。
型染師に「無地がいい」とは禁句じゃなかろうか。
以前フレームが名物の某メガネ屋へ行き「フレームレスを下さい」と言ってしまったことを思い出す。

またやっちまったか、わたし。

すると風呂敷包みを抱えて戻って来た。
d0182119_23171590.jpg

「あれよりずっとグダグダだけど、まだあるんだよ。」
d0182119_23193726.jpg

な、
d0182119_23194932.jpg

なんと。
d0182119_2319596.jpg

持ってるねー。
d0182119_2329686.jpg

グダグダなほうは糸が太い。
中古のカヤで、古裂屋でまとめた買ったものだという。
素材に目がないのが表情で分かる。
d0182119_23295769.jpg

おーい、たいへんだ、本日のミッションが進まなーい。

気を取り直し、「それとですね、5月の案内DMについても相談しようと思って」
そう言ったところ、また秘密の扉、奥ノ院へ消えてしまった。
d0182119_23313531.jpg

でーん。
過去のDMが、引き出し一杯出現してしまった。
新旧ひきこもごものDM群に、古いアルバムを見るような目になる御大。
d0182119_23324047.jpg

はからずも封印され、御大さえも知らないこのゲリラチラシ。
次回こっそり入れておこう。
d0182119_024562.jpg

これは30年前、男前と型染の腕に一番油の乗っていた頃か。
d0182119_23341148.jpg

あらー、豪華はぎれ付。
d0182119_23405325.jpg

アバカ麻の型染も付いている。
d0182119_23415398.jpg

この時代のDMデザインが、わたくしのハートにグッときてしまった。
d0182119_23424128.jpg

両手に桶を持っているんじゃないですよ。
紺屋が手を藍に染めて、伸子を張り、甕に入りやすいよう蛇腹にした藍染布を取り出しているところです。
d0182119_2345303.jpg

30年以上前にこれを先に発見し、今度のDMを作っておきたかった、と悔やむがどうしようもない。
5月頒布会に向けての大いなる参考資料になった。

あ、どこかで見覚えのあるような。
d0182119_2348282.jpg

YES、隣室。
d0182119_23532891.jpg

ふすま紙、黒部分は藍で染め、最初は青と白。
そこに柿渋を塗ってこの市松。
なんでも自分でこさえちゃう。
d0182119_2352764.jpg

わたしが灰ならしをいじくっていたら「これ、ブッ叩いて作ったんだ」って。
d0182119_23545951.jpg

「銅をブッ叩いて、たがねで削ってオレが作った」って。
ま、ちなみに囲炉裏の枠、黒い太縁もオレが作ったんだけどね。
たしかに湯呑やつまみ置き場として、いい仕事をしている。

わたくし、やっと、だんだん、徐々に、ようやく。
今になって、この御大の性質を把握してまいりました。

何でも自分でやっちゃう。
自分でやらなきゃ気が済まない。
手を抜かない。

と、いうわけなのでしたね。
そうでした、そうでした。

そして、本日予定していたミッションは完全にストップ。
らるー。

流れで囲炉裏に座りこんでしまった。
そこでの茶飲み話。
冗談かと思ったら、大真面目だった藍染めウラ話を伺った。
それは次回へ。
[PR]

by kerokikaku | 2015-02-18 23:05 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
Commented by molamola-manbow at 2015-02-20 21:42
ああ、染めていない布が見たい。
って、御大には禁句?
Commented by kerokikaku at 2015-02-21 10:05
布をほめる(実際、出てくるのがハッとする素材ばかり)と自分の子がほめられたかのようにお喜びでございます。
それが染める前でも後でも同じ。
なので問題はないと思われます。


<< 「正藍型染師 田中昭夫の布 頒...      2月中旬のインフォルマシ >>