2015年 05月 20日
「正藍型染師 田中昭夫の布 頒布会」への道-10.0 準備完了
事の発端は一本の電話。
型染作家の津田千枝子から。

「けろちゃん、田中昭夫さんっていう正藍型染師が引退するの。もうゼッタイこれ以上出てこない、絶滅種の素晴らしい型染仕事なのよ。このあと川口アトリア展と自宅紺屋展があるんだけど、ほとんど誰にも知られていなくてね。ちょっとブログで紹介してくれない?」

昨秋の初めのことだった。
すぐさま川口へ赴き、事態を把握。
大きく賛同し、宣伝ゲリラ活動を開始した。

思いがけず、ほんとうに思いがけず、布好き・布関係ばかりでなく多方面の方々に興味を持って頂いた。

何十年も、ただひたすらに作ってきただけの御大。
自分の仕事が広く支持されるなど、夢にも思わなかったろう。
思うまま、求めるままに、正しく仕事をしてきただけなのだ。

無骨な老職人は大いに面食らった。
一時はパンク状態で、田中紺屋の玄関が閉じられたこともあった。

しかしみなさまの熱く丁寧なご対応の元、御大の心は徐々に開かれていった。

展後、山のような反物が奥から出てきた。
「え?これどうするつもりなんですか?」と詰め寄ったが、御大は口ごもるばかり。

このままじゃだめだ。
頒布会をやらなきゃいけない。
もっと広く、見て知って頂かなくては終われない。

我々は、5月の頒布会まで限定とし、宣伝ゲリラ活動を続けると決めた。

長板中形は引退。
この後小さな染めをしたにしても、今まで何十年分の力強い布群を出さなきゃいけない。
誰にも見られず仕舞われたままなんて、たまらない。

引退した80歳の老職人に説明し、了解を得た。

反物の整理、奥の院発掘、値段付け、安否確認、ご機嫌伺い等々、ギリギリまで作業は続いた。
この間も、各方面からたくさんの問合せや有難いエールを頂戴した。

「引退なんて言わないで、お仕事まだ続けて下さい」
お愛想に焚き付けることはタブーとしよう。
簡単なことじゃない。

田中昭夫の仕事として、今ここにある染布を見てほしい。
それが目的。


おかげさまで、ようやく準備が完了致しました。

当初は見られなかった笑顔が、今では拝めるようになった。
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本人の意向そっちのけ、有無を言わせぬゲリラ隊に巻き込まれるがまま。
よくぞここまで我慢して下さいました。

「オレ、もうやんない」
いつ言われてもおかしくなかった。
冷や冷やしながらの準備期間が終わった。

ふと見た、仕事場にかかったカレンダー。
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大丈夫そうだ。
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さあ、あとは、染布で満杯の段ボール群と、御大自身を会場へ運びこむのみ。
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あした21(木)頒布会初日は15:00からです。
23(土)までの2.5日間。

青山DEE'S HALLでお会いしましょう。

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正藍型染師 田中昭夫の布 頒布会
2015年5月21日(木) 5月22日(金)5月23日(土):DEE′S HALL(表参道駅徒歩3分)
※開催時間が各日で異なりますのでご注意下さい
5/21(木)15時-19時 22(金)11時ー19時 23(土)11時ー18時

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by kerokikaku | 2015-05-20 14:44 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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