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2016年 08月 06日
レスキュー布を洗う
あれは7月下旬のこと。
自分の予定と天気予報をにらんでいた梅雨のおわり。

6月に、川口の御大こと正藍型染師田中昭夫・屋号紺定宅、奥の院で、段ボールにごっちゃり入っていたハギレを救出した。
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ハギレとは名ばかり。
けっこうな長さの布もたくさん。
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とりあえずレスキュー仕分けをし、洗濯は後日とした。

そして、いよいよ7月下旬のある日。
曇りと晴れの中間だが、いいでしょう。

朝イチに御大に電話し、川口へ向かう。
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7月田中学校は、汗みどろの予感。
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御大は、新しい染布の仕上げと、次の準備をしていた。
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仕事のお邪魔にならぬよう、
「わたし一人で洗いますんで、ご自分の仕事をしてください」と申し述べる。
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水槽にレスキュー布を入れ、洗う。
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なぜか、御大もここへ来て働く。
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「いいですって、わたしがやりますから」ってのに、気が気でないらしい。
このところ「見るに見かねて」がキーワードになりつつある、当方けろ企画。
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洗うだけで半日かかりそうだ。
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この量だと、洗う先から干していかないと、間に合わない。

むしろを敷く御大。
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うわあ、これ、ハギレという名のお宝じゃないか。

田中昭夫「紺定」の染布は、ほんの小さなハギレになったとしても、仕事が仕事だけに、布の力が違う。
ハギレだからこそ、すごさがわかることもある。
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この手ぬぐい、レアすぎ。
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「オモテ向けて干したらダメだ。ウラ向けて干さないと」と御大。
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そうね、藍染布は色褪せやすい。
ウラ向けて干しますね。

御大が働く。
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張り手に、カシャン
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ポン
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干すぞ干すぞ。
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ウラ向けて干すぞ。

御大が働く。
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張り手が足りない、と御大が働く。
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地面も足りない。
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ともかく、敷いたりぶら下げたりして、ぜんぶ干す。

ぜんぜんハギレに見えない大布もたくさん。
干しても干しても、沸いて出るかのごとく、まだある。
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日暮れ前に取り込み、藍染めのハギレ、洗濯完了。

結果的に、御大がよく働いて下さった一日だった。
自分の仕事、ほっちらけ。

次のアイロンがけは、また8月に。
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さて。

なぜ、藍染布をウラ向けて干したのか。

色褪せ防止もあるが
「ハトがさ、クソひっかけるからさ」と、おもむろすぎる発言に「え?」となる。

昼ごはんに外へ出た時、御大が「ホレ」と。
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たしかに。

by kerokikaku | 2016-08-06 14:07 | 正藍型染師 田中昭夫


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