2016年 08月 09日
8月のアイロンーその2
8月のアイロンに、ゲストが登場。
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沖縄のびんがた工房くんや冝保聡さん・賀川理英さんご夫妻。
お二方とも紅型染めの作り手である。

各方面より「見たい・買いたい・お話を伺いたい」というオファーは少なくない。
しかし基本的に田中紺屋「紺定」の見学は、一律お断りさせて頂いている。

こうして定期的に御大の元へお邪魔しているが、御大のご都合を最優先し、前後それなりのフォローで関係性を築き、この先の「紺定」を見守っていくべく動いている。

だが、びんがた工房くんやさんからのご連絡は、お断りするのをためらった。
何かピンときた。

彼らは型から彫る紅型職人であり、「紺定」仕事への造詣も深い。
現代の若い職人に「紺定」を見てもらうことはアリ、と勝手ながらTG的判断をさせてもらった。
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御大にひっついて、ひととおり説明に立ち会うのかな。
翻訳はできんけど通訳はできるかな。

なーんて大それたことを予想していたが、全く不要であった。

型染職人同志。
質問も応答も阿吽の呼吸で、こちらの出る幕、まるでナシ。

3人を早々にほったらかし、うちら洗濯&アイロン作業部隊に戻る。
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冝保夫妻は、想像以上に布オタク、型染オタク。
御見それであった。

かつての田中昭夫応援団・三彩工芸藤本氏の出版本、「染織と生活」などの「紺定」掲載本、すべて研究済みときたもんだ。

彼らが小気味いいボールを投げれば、しかと御大が受けとる。
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がぶり寄りで食らいつくが、御大も負けない。
棒立ちながら、背中が喜んでいるのがわかる。
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布の見方が、職人の目でマニアの目。
二人がひーひー言っている横で、御大ニヤリ。
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沖縄紅型の人たち、というインプットは完了したと思う。

冝保さんの、目の回る「柄ON柄コーディネート」を突っ込むと「柄が好きなんで」って笑っていた。
紅型職人の正しいお姿。
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さて、こちら火を噴くアイロン部隊。
過酷な労働の意味は、このあとの一杯に賭けている、とみていい。
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一日で半分以上はアイロン済み。
大箱ひとつ分、やりきった。
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ただのハギレだなんて言わせない。
上等博覧会が出来るクオリティ。

我々は今、とてもいい仕事をしている、と自負したい。
細腕でみなさん、ようがんばった。
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で、しつこいようだが、もう一度吠えておく。
誰だ、この染め布を、何十年も、隅っこの段ボールに、ぐしゃっと入れっぱ、ほったらかしにしていたのは!


返事がない。

まあいいでしょう。

そして、マル秘ハギレプロジェクト始動の予感。
詳細は震えて待て。
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紅型つながりで。

2016/8/21(日)まで日本民藝館で「沖縄の工芸」展開催中。
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紅型衣裳の染物がすばらしかった。

恥ずかしながら、わたしの知っているパキパキ色と型のそれとは別物で、紅型がこんなに愛らしいものだとは。

TG&冝保夫妻から聞いていた、まぼろしの布「桐板(トゥンビァン)」の紅型衣裳もあった。

桐板、トゥンビァン。
もちろん読めず、「桐生か板橋みたいな産地名か」と、勘違い寸での間一髪。
あぶなかった。
10年前の布茶ブログに投稿があったのにはひれ伏す。

この表紙が桐板布。
極細番手で透明感が美しい、苧麻のようで苧麻ではないとの意見もある、不思議な布のこと。
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併陳 坂本万七氏撮影の沖縄写真があったことも大きい。
戦前の1940年、沖縄の民衆や風景の写真は、当時のにおいや湿度まで感じられた。
そのころの貴重な映像もあった。
これらがあったことで、イメージがふくらませた。

いとへん各位、ぜひとも行かれたし。
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by kerokikaku | 2016-08-09 14:28 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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