2016年 08月 29日
型染師に無地染めを依頼する-その1
川口の御大こと正藍型染師 田中昭夫。

岡崎木綿のでっかいロールをおろして切って精錬して。
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染下を100反用意している81歳。
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いつお邪魔しても仕掛かり品がぶらさがっている。
着々と帯地の型染めを進めている。
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ちょ、ちょっと待て。
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降っても晴れても、まだ暑い日々。
御寵愛のバラさえも枯山水。
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染めたいお気持ちは重々理解だが、やりすぎは体に毒です。

たまにはこんなのどうですか、と。
ブレイク推奨の意味も込めて、謹んでご提案。

ねえねえ、古民芸もりたさんで大昔に求めたという蚊帳生地、あったでしょう?
冬に一度見せてくれたでしょう?
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大風呂敷に満タン。
丸まったまま、手つかず数十年のお宝生地。
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あれを無地に染めるって、どおですか?
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型染師に「無地を染めて」って。
この一言を申し上げるのに、どんだけ躊躇したことか。
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「型染めもやって、蚊帳生地の無地染めもやったら、カラダがもたないよ」と、たいそうブツブツおっしゃっていた。
だから、型染めを暫時ブレイクして、と申し上げているのだが。

その数週後「こんにちはー」とお邪魔する。

返事がない。
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じゃーん。
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やってくれたじゃない。

蚊帳生地が精錬してあった。
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その時はブツブツ言っても、その後腑に落ちてくれれば、必ずやってくれる。
頑固一徹、でも柔軟なのがチャームポイント。

生地端のピロピロを切っていた。
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すかさず「ゴミ箱に入れたピロピロ、捨てないでください」と申し上げる。
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8月初め、藍染めハギレをアイロンがけした時。
生地を巻く芯棒がなく、そこらにあった厚紙で芯棒の代用としたのだった。
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「200本、注文しておいた」って。

やることなすこと、豪儀なんです、この御大。
染下白生地100反も視野なのか。
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芯棒に巻いてはみたが、デコボコ蚊帳地はそのまま染められない。

「アイロンで平らにして、ピロピロが出ないよう端ミシンもかけなきゃなんない」って。

やります、やります。
無地染めして頂けるなら、アイロンでもミシンでも、喜んでやります。
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わたしと黒幕2人、アイロン2台にスイッチを入れた途端。

停電。

万事休す。
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続きます。
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by kerokikaku | 2016-08-29 11:14 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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