2016年 12月 04日
型彫り御大-その1
不肖けろ企画の雨女伝説を払拭のピーカン日和。
川口詣も早や2年越し、の感慨にふける。
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川口、リバーマウスの御大こと、正藍型染師・田中昭夫の定期安否確認は今月も続く。
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思い起こせば今春あたり。

何かに憑りつかれたようにパッションが止まらず、御大は染めて、染めて、染めまくっていた。
給食窯を駆使し、岡崎木綿を100反以上も精錬して、染め準備も万端だった。
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うちらは唖然。
これから100反、やる気ですかい。
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ネコがネズミを銜えてニャーと見せに来るかのごとく、毎月伺うたびに新作が上がっていた。
怖いぐらいの勢いだった。
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引退宣言した後いろいろありまして(にがわらい)。
「最後」の展示会も「最後」の頒布会も終わったってのに。

『おめえさんてばよぉ、何ーんも考えず、ただひたすら、心のままに染めてるな』
TGこと田中応援団ゲリラガールズ一同の、心よりの声。

さあて、どうすっぺか。
おら知らねえぞ。

でもずっとそうやってきたんですもんね。
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たいへんいいことです。
御大の精神衛生上は。

いいことなんですが、ちょっと急いてはいませんかね、御大さんよう。
息切れして調子を崩しては元も子もないんですから。

との心配はご無用であった。

ご自身はお元気そのもの。
それなりにアチコチが悪いとおっしゃるものの、まあ元気。

そのかわり藍がギブアップした。
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一年に一度、阿波徳島の藍屋から蒅を2俵取寄せている。

おととしは「引退」ってことで、注文しなかった。
今では、これも苦笑いの事実だ。

去年慌てて注文を再開した。
それが一定の染め量オーバーとみえて、藍が濃くならなくなった。

江戸期の蚊帳生地はそれでも良く染まってくれたが、木綿に関しては納得がいかなくなってしまった。
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しょうがないので三つ編み絞り染めを提案。
ヒマジンになってぼんやりしないよう、宿題を出してはお茶を濁した。
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合間に「豪華ハギレ」と言う名のお宝布の発掘があった。
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なんで今まで仕舞い込んでいたんですか!と声を荒げつつも、ニヤニヤが止まらぬ洗濯婆な夏だった。
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10月の青山TOBICHI2。
H.P.Eのレンテン白生地GET大作戦もつつがなく終わった。
その精錬はとっくにやっちゃった。
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そして、型染が本分の御大はやることがない。
途中、追加の蒅を所望し、運よく届いたが、その量では間に合わない。

寒明け蒅を、指折り数え、じっと我慢の子である。

「ちなみにいま何してますか」とお尋ねホットラインをかける。
めったに通じないケイタイが、奇跡的に一発で通じた。

「型彫りしてる」とのこと。

そりゃいい。
一度も拝見したことがない。

長板中形の職人として、型染は当然だが、「型彫り」から一貫して行うのは、泣いても笑っても田中昭夫が世界中でただひとり。
江戸時代にはもうちょっといたと思われます。

ご機嫌伺いと称し、いそいそと伺う。
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続きます。
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by kerokikaku | 2016-12-04 17:34 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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