2017年 02月 22日
叱られて、建てて、飲んで、金太郎-1
寒明け蒅のツブツブ事案もあり、ただただ焦る、田中紺屋。
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月日荘展まであと2週間。

藍の色は悪くないが、建つにはまだかかる。
一週間か十日か、どうか。

待つしかない。
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ひまにさせてはいけないという、TG心。
展示に使えそうなカゴを「洗っといてください」と宿題を出しておいた。

次に来ると、ちゃんと洗ってあった。
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洗い方は豪儀。

あの精練窯で湯を炊き、ぶっこんで洗ったそうだ。
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持ち手のこわれたところは、ワイルドに継いで
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リボンで隠しておいた、って。
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かわい子ちゃんですね、と答えておく。
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本日は遠路真鶴よりTG布茶もヘルプに来た。

「こんなに終わっていたんですね」

今や遅しと、山になった型付け済み反物。
ネズミ害避難のため、オンジの部屋に寝かせている。
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先に薄藍染めし、糊を置き直し、さらに染める反物は、田中紺屋の新骨頂「幾何学紋」だ。

藍染の不変意匠は唐草文様だが、このあたりの大胆柄は「紺定」オリジナル。
同じように見えて、違う型で2反。
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布茶の首元が気になる。
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薄藍かわゆす「大」だ。

先取りゲットではなく、モニター使用の一環だろう、きっと。
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「あのさ」と、もじもじしている。

「オレの感じじゃ、いま建ててる藍は、待っても濃くならないと思うんだよね。だからさ、もう染めちゃっていいよね」
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何を言い出す、この御大。

あれほど黒幕から「慌てた仕事をしないよう」念押しされたのに、この発言。

「間に合わせたいのはわかるけど、それをしちゃダメですよ、黒幕に叱られますよ」

すると、なまくら返事で藍をかき混ぜだした。
我々さえいなければ、反物をいますぐ放り込みたい。
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奇跡のタイミング到来。
あらわれたのは、我らが黒幕こと、型染作家 津田千枝子だった。

「藍の調子はどう?建ってる?」
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ハギレを藍につけた。
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だめよ、まだ建ってないわよ。
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日直2人は、黒幕先生に駆け寄る。

「センセイ、さっきね、ダメって言ったのに、染めようとしてたんですよ」

大目玉の田中君であった。
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今までの田中さんなら、こんなに焦らない。

いちおう最後だから、楽しみな人達がいるから。
気ばかり走る。

型付けは出来ているし、やれることもないし、時間もない。


すると、ぽつり。
「残りの一俵も、これに建てようかな」

「そうだね。どっちかが建ったら染められるし、建ててあってもいいもんね」
黒幕が返した。


先だっての寒明け蒅は、2俵100kg。
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うち1俵は、3ツの大甕で使いきった。
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残り1俵はキープ中。
べつに、建てたって構わない。

でも「これに建てる」って、どこに。

水甕祭のあのステンレス甕しかない。



迷いも躊躇もなんにもなさすぎて、何が始まったのか、しばらくわからなかった。

黒幕と御大は、阿吽の呼吸で動いている。
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なんだ、なんだ。

何が始まったのか。
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おーい、愛染様。
たいへんだよ。

また藍建てが始まっちゃったよ。
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続きます。

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【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
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by kerokikaku | 2017-02-22 16:38 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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