2017年 02月 23日
叱られて、建てて、飲んで、金太郎-2
まず、甕底にすこし残った澱を吸って、キレイにするのが先だ。

水で薄めてポンプで吸いだしたい。

ヤール巾&インド120cm広巾用のステン甕。
いま染めたいのは帯地小幅、半分の水量で十分。

柄杓を立てて、この深さ。
d0182119_20155774.jpg
「よくこんなこと、やってきたよね」

「うん」
d0182119_20160628.jpg
あのポンプが出動。

重いのなんの。
d0182119_20165192.jpg
キレイになったので、本番の水を注入。

この甕だもの、たまるまで時間がかかる。
d0182119_20163379.jpg
わっせわっせ、走り出した。
d0182119_20180597.jpg
甕を温めたい。

火壺におが屑を、はい、入れて。
d0182119_20175258.jpg
甕もデカいが、火壺もデカい。

おが屑、しめて3袋。
d0182119_20181711.jpg
火を投入。

何年ぶりかで、ステンレス甕の火壺に火が入った。
d0182119_20185320.jpg
ステンレスの特大特注藍甕の設置も、御大がひとりでやった。
地面を深く掘り下げ、火壺にする周りをブロックで固め、横に3ツの甕を並べてある。

この甕で建てるのは、それこそ最後だろう。
緊急事態の、さらに特例だ。
d0182119_20191659.jpg
落ちれば、水没か火あぶり。

もはやわたしの足元も立場も危ない。
d0182119_20174092.jpg
ワイルド作業のあとは、こぼれたおが屑をしずしずとキレイにする。

仕事は緩急。
d0182119_20211689.jpg
バケツですくいながら、一俵まるごと蒅投入。
d0182119_20193541.jpg
フスマも2升投入。
d0182119_20195240.jpg
石灰も投入。
d0182119_20202066.jpg
雪景色。
d0182119_20220963.jpg
オレオMIX。
d0182119_20223414.jpg
深いので、動作もゆっくり。

蒅が水になじむように、確実に混ぜ込んでいく。
d0182119_20222443.jpg
先だっての3ツの大甕は「誘い出し」で仕込んだ。

今回のステン甕は、まっさらから。
これが世に言う地獄出し。
※藍建てテクニカル部分にご興味の方はこちらから→ 
季刊「染織と生活」第10号 94ページ


どちらか上手く建った藍で、染める。
「紺定」の藍になってから、染める。

勇み足はご法度、ぜったいダメ。
あの反物群には、しばらく待っていてもらう。


あっちもこっちも、火壺から煙。
紺屋らしいにおいでいっぱいになった。
d0182119_20234052.jpg
「ああくたびれた」

椅子にストンと座ったすきに、布茶が混ぜ棒を持つ。

この長さと浮力と蒅の重さで、バランスのとりにくい代物。
力仕事なのだと、よくわかる。
d0182119_20232767.jpg
半分量の予定が、8割っぽいが黙っておいた。


急な大仕事が終わった。

しばらく待つのは同じだが、ずいぶん気も晴れただろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼もとうに過ぎた。

近所の定食屋へ。
大騒ぎで、おなかがペコペコだ。


隣でひとり、こっそり何かを注文するヒト有り。

うちらに、何の断りもなし。
d0182119_20235029.jpg
これだもんなあ。
d0182119_20240050.jpg
やれやれ。
d0182119_20240742.jpg
引退宣言した2014年秋のこと。
d0182119_12272883.jpg
立派な精練窯も、役所に煙の文句を言われ、イヤになって捨てた。
d0182119_12151530.jpg
川にせりだした桜の木。
ついでにとがめられ、勢いでぶった切った。
d0182119_14442185.jpg
その桜が、芽吹きはじめた。
d0182119_20243302.jpg
今日、ひとつ咲いていた。
d0182119_20245111.jpg
御寵愛のバラは、まだ。
d0182119_20251070.jpg
いや、咲いていた。
d0182119_20251997.jpg
黒幕が帰り、座敷で事務作業にいそしんでいる時。

「これも出したらいいよね」
d0182119_20253291.jpg
って、どの口が言うのか。

何度尋ねても「もうない」って。
「これ以上探しても、昔の染めはもうないよ」って。

百万遍のやりとり攻防の末、また出たんか。

ひゃー。
d0182119_20261457.jpg
酔狂に作ったという、こども用の腹掛け。

「金」と「宝」のリバーシブル。
d0182119_20260038.jpg
いくら若い衆でも、サイズ小さめ。
d0182119_20255287.jpg
濃藍くっきり、上等の木綿生地。
キレッキレのみごとな糊際。

まごうことなき「紺定」仕事だった。
d0182119_14063527.jpg
さらに詰め寄る。

「もうないよ」と、逃げた。
d0182119_20262390.jpg
誰が信じるものか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




[PR]

by kerokikaku | 2017-02-23 14:28 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


<< ロソドソ      叱られて、建てて、飲んで、金太郎-1 >>