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2017年 04月 24日
リバマ忖度ーその1
ちょいとばかし、様子見に。

ちょいとばかし、リバマこと川口へ。
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「見に来い」とも「見て来て」とも、誰に頼まれたわけでもなくの、安否確認。

用務員の看板を、下ろしかけつつ、ぶーらぶらと。

予報は雨だったのに晴天とは、いささか不穏。
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リバマ案件に関わって2年半。
なんやかんやで、50往復していたことが判明した。

こんなことなら回数券を買っておくべきだった、と後悔してみる。
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播磨藍の仕込みから1か月半経った。

その後も、火壺を温めるおが屑の手配に苦慮しているらしい。

おが屑がなければ、温められず、藍の建ちも遅い。
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大甕なので、2日に1袋を消費する。

おが屑は、どれだけあっても足りない。
だましだまし温めつつ、なんとか建ってきた。

月日荘展は終え、この先急ぐことはないのは、御大も承知のこと。

しかし、ほかに何が出来よう。

型付け済み反も、TVの前でスタンバったまま。
待てと言うほうが無理な相談だ。
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だよね。
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染めてるよね。
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水槽にも数反あった。
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藍取りしたり、墨や顔料で色を入れてみたり。
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いろいろやったんですね。
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うん、そうだな。
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例の、谷さんのレンテンの白生地は染めたんですか?

うん、これ。
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わー、よかったよかった、グッと濃い藍で染まりましたね。

実を赤くしたり、松葉に墨も入れて、いいですね。
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「ほんとは、ここに藍取りをちょっと入れたかったんだけどなあ」
と、どこまでも高みを目指す職人の発言。

阿波藍から播磨藍に変えたことで、藍それぞれのクセを把握しないといけない。
把握するには染めないとわからない。

はじめての播磨藍。
試染めが、そのまま本番という、おそろしさ。

ちなみに、こちらは岡崎木綿。

型付けから時間が経ったせいか、生地端の糊が少し落ちたのが残念だが、仕方ない。
カラフルで可憐な文様だ。
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「ここも藍取り、もうちょっとやりたかった」

と、ぶつぶつ。
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しかし、こうして見ると、レンテンの白生地は藍の染まりが強いですね。

生地の力強さが染め色にも現れていますね。
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播磨藍で仕込んだのは、大甕に1つ。

あとの3つは阿波藍だが、今季の藍具合では「紺定」の染めに使えない。
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「いい藍が1甕じゃ足りないんだよなあ」

あと一声播磨藍があれば、大甕もうひとつが建てられると言う。
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この大甕1つの播磨藍では足らないですか。

足らないんですよね、きっと。
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ふと、外を見る。

これだけリバマに通っていて、いま気が付いた。

「あんなの、ありましたっけ」

「うん、前からあった」
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藍甕用の大谷焼。

割れた甕には草が繁茂している。
使用中の3石の大甕よりデカい。

それよりデカいとなると4石の甕か。
見たことも聞いたこともない。

手前のはモルタルで補強してある。
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そうか。

うっかりしていた。
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このヒト、なににつけ「たっぷり」なのだった。

なんでも1個ではすまないヒトだった。

藍のために、要るものは、たっぷり、惜しまず。

たっぷり・たっぷり・たっぷり派だった。
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板場の奥に鎮座する、岡崎木綿のヤール巾、白生地もそうだ。
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向こう100年分、手配してあったんだ。
それも30年程前に。

精練するだけで100年かかりそうだけど、いいんです。
たっぷりなくっちゃ、不安な人種。

まあ、そのおかげで。
手間も材料も一切惜しまない「紺定」イズムの染め布が出来上がる。

「たっぷり」がキモで、キーワードでもある。
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「とにかく、染めてみないと始まらないんだよ」

リバマ理論でいくと、播磨藍”たった”1甕ではこころもとなく、物足りない。

「だって、染めなきゃ、しょうがないでしょ」だって。

しょうがないってどのクチが、と思わなくもないが、そう言われちゃ返す言葉がない。
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さあて、どうするか。

続きます。




by kerokikaku | 2017-04-24 22:13 | 正藍型染師 田中昭夫


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