2017年 06月 11日
シロヤギ
TG散会の会から10日経った。

この先こそ、好きにやってもらって一向に構わない。
正藍型染を、思うよう存分にやってほしい。

余計なお世話はいたしません。
故に、遠方安否確認の立ち位置で。

赤の他人ならぬ藍の他人。
そっと、生暖かく見守りますんで。

ただし、僭越ながら依頼していた案件が、ひとつだけあった。
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この春。

藍と糊と布などなど。
すべての不穏な要因が重なり、染めがうまくなかった。

つい、忖度。

ラオス・レンテン族の手紡手織の白生地を地下工作しておいたのだ。
某所有者を、アレしてナニした末、貴重な1反を極秘入手した。

「これからの染めのための、実験と確認」という意味のだいじな1反。

この行方だけは見届けさせて頂きたい。
「うん、そうだな」と合意したはず。
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様子伺いホットラインをしてみた。
1分以内のコールで出たのはラッキーだ。

尋ねてみると、82歳の脳内で、依頼案件は「しなくていい」ことに仕分けされていた。
「しばらく置いておくんじゃなかったっけ」との返事に大いに慌てる。

全く手つかずだと言う。
見てもさわってもいないと。

「うん、わかった」って、言ったよね。
「さわるなって言ったよね」って、言ってない。

「話が変だ」と、埒が明かない。

そのかわり、岡崎木綿の新しい染めをどんどん進めていた。
順調なのは目出度いが、僭越案件を放置されていたのは、良くない。
後先が逆。

・・・・・・・・・・・・・・

我ら僭越忖度組合。
鉄砲玉の御大に、貴重な白生地1反ぜんぶを渡さなかった。

帯地分5mは死守し、わざわざ持ち帰った。
「持ち帰る」ってところが最高レベルのリバマテクニック。

もう替えがない。
渡したら、すぐさま丸っと染めちゃうの、わかっている。

帯地分を取って、余った2mを半分に切り、1m×2枚のハギレだけを渡す。
そのハギレで実験染めしてほしい、ってわけ。

そうすれば、いまいちの原因が何か分かる。
今後の傾向と対策が得られる。

何度も何度も説明し、電話を切る。
だって、あの日も重々説明したんだもの。

すると数分後、電話が鳴る。
「あのさ」と。

実際にハギレ2枚を手にし、この非効率さをとうとうと述べ始めた。
染め以前の精錬に時間がかかるんだ、と。

何日もかかる、10日はかかる。
なので「すぐには出来ないのを覚悟してもらわないと」と、ずいぶんな言い分。

いやいや。

それを承知で僭越依頼してます。
何より今後の「紺定」の染めに関わりますんで。

ってことで、合意だったんですけど。
あれは何だったのか。

無用でなく、むしろ有効な作業なのだ、と繰り返し丁寧にお伝えする。

何度も何度も「時間がかかる」と、あちら。
何度も何度も「大事なことなんだ」と、こちら。
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わたしもしつこいタチだが、あちらもなかなか。

これは大事なこと、大丈夫、間違ってない。
けろたん、がんばれ、負けるな。

電話を切り、麦とホップの一気飲みで、なんとか息を整える。

するとまた電話が鳴った。
「自宅にも電話した?」って。

さっきまでケータイでやりとりしていた。
御大の自宅電話は着信番号出ないし、きょうはそちらへかけていない。

いま2回目のケータイ長電話を切ったばかりなんですけど。
「おっかしいな」と不審がっているが、それはこちらのセリフ。

なにがなにやら。

解き明かすことをやめ「いつかの着信が残ってたんですかね」と、ふんわり電話を切る。

ああ遠い目。


♪シロヤギさんからお手紙ついた 
クロヤギさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙かいた 
さっきの手紙のご用事なあに♪


誰もわるくない。
郵便局もしくは電話局の問題か。

来週もっぺん電話してみる。
手紙じゃ、むり。

てか、直接出向くのが有効か。



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by kerokikaku | 2017-06-11 19:37 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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