2017年 10月 04日
リバマ近況・2017秋
朝イチに電話しますんで、ご都合を伺ってからお邪魔するようにします。

数日前に、そう約束した。

けさ早く電話すると(ちなみに3回かけてやっと出た)
「今日ならいい」と。

お昼過ぎになる、と伝えると
「そんなに遅くちゃ医者に行かれない」と。

医者は何時か、と尋ねると
「昼過ぎだ」と。

今からだと、どう急いでも昼ちょい前になるため「今日はやめときますか」と提案すると
「来てもいい、でも遅くちゃダメだ」と。

「なら何時までならいいんですか」
つい声が大きくなるのを、こらえきれずお尋ね申し上げるが、一向に埒があかない。

だめだなあ、わたし。
年寄り3人衆に育てられたくせに、優しいご対応が出来ない。

うっすら反省してみるものの。

おうおう、田中さんよう。
「とにかく行かせてもらいますよ!」

「うん」だって。
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ハダカのお姉ちゃんはコスモスの精だった。
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何回目かの10月田中学校。

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通算60回に近い田中紺屋。
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こんちはー。

返事はなく、藍場はいぶりがっこ。
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ご寵愛は、種取り時期か。
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板場にいるのかな。
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おお、いらした。

岡崎木綿に型付けの真っ最中。
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こちらをチラリ一瞥だけで、無言であった。
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デリケート作業中につき、こちらも無言。
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お邪魔せんよう、そぉっと佇む。

次々やりたいと見えて、型紙が左に準備してあった。
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体調もろもろサイテーの夏だったらしいが、宿題はやってあった。

これは何かと言いますと。
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2015夏、ハギレ大捜索のとき。
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ハギレにもほどがあるハギレ。
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巾20cmあるかないかの科布のハギレを救出し、洗い、アイロンし、つなげたもの。

「いつかこれに型付しといて下さい」と頼んであった。
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調子の悪かった今夏。

手慰みにやってくれたらしい。
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「いちおう、両面型付けした」という、ミニ科布。
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まあともかく。

無言の数十分。
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鳴ったら困るケータイを傍らに。
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うるさいケータイを鳴らす張本人はここにおります。
故、ご安心あれ。
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奥様はお出かけのご様子。
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必死のパッチで、端まで型付けをやり切った。
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「あー、腰が痛てぇ」

ここではじめて口を開き、糠を巻き出した。

細かいところも、ピトっとねっとり糊。
見事だ。
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紺定特有、粘着質な糊である。
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さて、この後どうするか。
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在りし日の風景はこちら⇒「きものと装い」 春夏号 主婦の友社/1980年刊

30kg近くある長板は、もはや持ち上がらない。

82歳の御大、さあどうするか。

台車2台をクルマがわり。
しかるべき位置にセット。
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長板を、慎重に動かす。
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奥からも押す。
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台車に乗せたい。
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ずりずりっと。
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前から引っ張る。
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もっと引っ張る。
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後ろから押す。

これを何度もリピート。
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台車2台に乗っける。
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微調整。
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ゴロゴロゴロ。
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おしまい。
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今年になって、元のサンより一段低い位置に、真新しいサンを作り直していた。
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しかし長板を立てかけることは、結局しなかった。
立てかけれない、のが現実。

これで天日干しは十二分だけど。
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色々と変化していた。

日々刻々、変わっていた。

やれること、やれないことが、前景化してきていた。
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やりたいことはただひとつ。

誰も止めない。

やりたいだけやって頂きたい。

売ることとか見せることとか、それは二の次だとご自分でも承知し始めている。

限界が見えてきている。

夏の間、数反を仕上げていたのを見せてくれた。
麻生地で、いい染めもあった。
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うーん、と言わざるを得ないものもあった。
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「いいですね」と言えばよかったのかもしれないが、言えなかった。
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もうお医者の時間だし、きょうはこれでお暇します。

また来ます。

「うん」だった。
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リバマ。

来なきゃいけないな。

また安否確認に来ないとな。
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ただの様子伺いだとしても、来なきゃいけないな。
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お昼を誘ったが「出かける気がしねえな」と。
おうちで食べるってさ。

なので生姜焼き定食は、予想通りひとりで食べた。

女将さんが「あら、きょうはひとり?」だって。




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by kerokikaku | 2017-10-04 20:19 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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