カテゴリ:正藍型染師 田中昭夫( 130 )

2017年 12月 28日
2017リバマ界隈、ロングバージョン
年内ラストの安否確認日。
d0182119_20075808.jpg
晴天のリバマステーション。
d0182119_20081626.jpg
太郎焼前に佇む、黒い美魔女を拾って、いざ。
d0182119_20094342.jpg
はだかのお姉ちゃんの足元には、おとろちい文字が刻まれていた。
d0182119_20410627.jpg
スルーして、バスに乗る。
d0182119_20100885.jpg
奥に座ったため「十二月田中学校」表示が見えないが、まさに本日、十二月田中学校。
d0182119_22073128.jpg
何かやってる。
d0182119_20105777.jpg
やっていないと、かえって心配。
d0182119_20110826.jpg
ご寵愛のバラは首チョンパ。
d0182119_20111992.jpg
愛は無残に打ち捨てられていた。
d0182119_20112764.jpg
半年ぶりにリバマ訪問、黒幕こと型染作家津田千枝子。

すぐさま宿題の採点が始まる。
d0182119_20114975.jpg
田中くん、藍地部分のポツポツが気になりますよ。
d0182119_20121023.jpg
糊の落ちきっていないところもありますよ。

このままではだめですね。
d0182119_20122467.jpg
黒幕センセにほめられると思ったのにザンネンな田中くん。

「目も悪くなったんだなぁ」とため息混じり。

まあまあイケてると思ったけど、実はよく見えてなかったのだ。

で、善後策を考え中。
d0182119_20123837.jpg
無地部分にも、謎のシミがありますね。
d0182119_20153324.jpg
次やるときは、もう一度精錬してからやってみて。

原因はそれかもしれないよ。
d0182119_20154785.jpg
なんやかんやしていると、そわそわし始めた。
d0182119_21035252.jpg
時報より正確な腹時計が12時になったのだ。

そりゃ失礼。
d0182119_22095346.jpg
つるりと平らげ、そして我らは意地でも財布を出さない。
d0182119_20131838.jpg
お会計はとんがりボーシに一任する。
d0182119_20133204.jpg
近い日か遠い日かわからない話として。

田中紺屋近辺は、区画整理エリアだという。
d0182119_20135439.jpg
作業場あたりは丸っと道路になる。
d0182119_20141296.jpg
ここまで取られるから、藍甕を移動しなくちゃなんない。
d0182119_20143375.jpg
ついでだから、板場と藍場を一緒にした作業場にするんだって。
今度はステンレスの甕かな、って。

おおよその図面が、御大の頭の中で出来上がっていた。
d0182119_21130873.jpg
わたしと黒幕は腰が砕けた。

区画整理なんてのは、いつやるのかも知れず、しかも引退しかけての、来年83歳の御大である。

そうなったとして、これを機に「やめる」のかと思いきや、新たな野望を語る。

男のロマンと、ロマンティックが止まらない。
d0182119_20145007.jpg
すげーぞ。

ほんものだぞ。

知らねーぞ。
d0182119_20150722.jpg
うちら、たぶん見届けらないんで、すんません。
お元気でどうか。

確実に言えることは「早まるな」っつう。
d0182119_21263019.jpg
部屋に戻り、チェック作業をしながら「あれは2017年のことだったのか?」という話になる。
d0182119_21385188.jpg
去年の今頃、12月末。

あの日は雑誌「七緒」の撮影をしてました。
d0182119_20160806.jpg
年が明けて2017年。
ずっと藍が足りず、寒明け蒅を待って待って、待ち切れずの1月。

苦肉の策で「うす藍かわゆす」を大量生産。
d0182119_21445469.jpg
道路に出て待つほど、待てど暮らせど寒明け蒅が届かない。

ブチ切れて暴れまくった2月。
d0182119_20162150.jpg
藍甕の中身を移動して大騒ぎ。
d0182119_20164222.jpg
したら翌日、待ち焦がれた阿波藍が届き
d0182119_20170199.jpg
ヤマト便をひんむいて、全部ザバーッ。

やることなすこと、デカくてよう。
d0182119_20170983.jpg
3月の月日荘展まで、残り半月。

1反でも新作を出したい。
d0182119_23482492.jpg
なのに藍がよくない。

みょうなカスがたくさん混じっている。

ここからが真の苦悩の日々であった。
d0182119_21501007.jpg
試行錯誤と言う名の慌て仕事をしてしまい、黒幕に叱られてシュンとなる。
d0182119_23470719.jpg

月日荘展秒読みの3月アタマ。
d0182119_20174735.jpg
リバマ状況を見るに見兼ねたという有難いご厚意があり、播磨藍の蒅を分けてもらえることになった。

月日荘展には間に合わないが、なによりのこと。
甕を洗うのは御大の誠意。
d0182119_23473741.jpg
TGこと田中ガールズ返上の田中軍団、ポカーン。
d0182119_23480149.jpg
目先の大事は、月日荘展。
蒅騒ぎで立ち遅れてしまった。

準備に精出すTGの傍らで、なんもやることのない御大。
d0182119_23502241.jpg

大わらわの最中にビールを持ってきて、怒られる。
d0182119_23475279.jpg

若い衆のコラボ仕事は、ほんっとにナイスだった。
d0182119_20183544.jpg
危険物取り扱い部隊を結成し、無事に名古屋月日荘へ搬送。
d0182119_20190042.jpg
オープン10分前。
d0182119_20203583.jpg
オープン5分前。
d0182119_20191130.jpg
あれよあれよで夢のような月日荘展。

盛会に終われたことは、皆々様に感謝してもしきれない。
d0182119_23480269.jpg

でもね。

リバマ御大は、藍のほうが気になって気になって、もう。
d0182119_20210147.jpg
ラオス谷さんのレンテン生地の染めがうまくいかない、4月。
d0182119_22215401.jpg
焦れば焦るほど、空回り。

指も痛む5月。
d0182119_20211006.jpg
一応、月日荘展のTG慰労会を催したものの、なんだかさえない。
d0182119_20212388.jpg
そもそも、気の利いたおしゃべりはできやしない。
d0182119_20213447.jpg
徐々に藍の調子も出てきたが、さえない6月。
d0182119_20223050.jpg
いよいよ年かねえ。
d0182119_20224401.jpg
見かねたTG忖度組合が、アンダーグラウンドなルートでレンテン白生地を入手した夏。
d0182119_20225329.jpg
持ち上がらない長板をひきずって台車に乗せて。
d0182119_20290515.jpg
はがれた糊の修正をする度、手についてまた修正。
d0182119_20291542.jpg
そんな折、お役所から「90万円支払いの書面」が届いたっていうもんだから、慌てふためきリバマへ急行。
d0182119_20294121.jpg
それはただの記入例であり、つうか、よく見りゃ90万でなく900万だし、しかも爺には関わりのない案件と分かる。

グッとやせちゃった。
d0182119_20333412.jpg
昼ごはんを誘ってものらない。

部屋で見つけた500円玉2枚を勝手に頂戴し、仕方なしにわたしひとりで生姜焼き定食を目指す。
d0182119_20304419.jpg
チッ、定休日。
d0182119_20305691.jpg
そんな秋のはじめ。
d0182119_20310532.jpg
11月、ちょっと調子が出て
d0182119_20322751.jpg
まあまあの染めも出来た。
d0182119_20315604.jpg
染めがまあまあだと体調も連動するシステム。

生姜焼きはペロリ。
d0182119_22502176.jpg
いやー、どれもこれも今年のことだったかねぇ。

寒明け蒅の大騒ぎや、月日荘展って。
もう何年も前のことのようですねえ。


ぐぅ。
d0182119_22530950.jpg
キョーミの範囲外。

大切なのは、染めが出来るか出来ないかってことだけ。
d0182119_22563107.jpg
長板の上には正月しめ飾りが準備してあった。
d0182119_22592569.jpg
とんがりボーシに成り代わって、皆々様のあたたかいご支援とご愛顧に御礼を申し上げます。

本人はよう言いません。
d0182119_22580876.jpg
盆暮れ正月、なーんも関係なし。
染め、また染め。

それが幸せです。
末永く健やかな日々でいられますように。

わたしのケータイ画像の8割が、この爺さんばっかな2017年。
関係性不明のまま、やれやれ、今年も終わります。
d0182119_23222052.jpg
みなさまよいお年を。
d0182119_22525692.jpg

[PR]

by kerokikaku | 2017-12-28 10:27 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 11月 22日
11月田中学校-その2
「4反しかないけどさ」

なんでも豪儀にようさん、がお好みの御大にとっては不本意らしい。
d0182119_19090554.jpg
こちとら、4反にホッとした。

ダメ染め過多だと、なんと答えてよいものやら。

引き取れないし、見るのもしんどい。
d0182119_22511632.jpg
あれ?
d0182119_21421507.jpg
まあまあですね。

うん、まあまあだ。
d0182119_11142464.jpg
夏の仕上がりとは、別物。

全然いいじゃないですか。

てか、あれは何だったんですか。
d0182119_11151323.jpg
うん、そうね。

なにやってもダメだったよな。
d0182119_11163868.jpg
なんじゃらほい。

d0182119_11174637.jpg
影の薄かったしょぼくれ爺。

心なしか、影が濃くなったような。
d0182119_11200130.jpg
そりゃあね、パキンパキンの往時の「紺定」と比べるのは酷なこと。

でも、なかなかのまあまあだった。

「結構いいじゃないですか」
どこから目線のコメントを差し上げると、まんざらでもない風であった。

そうと決まれば、何に染めるか。

端ミシンの薄手岡崎木綿は、一時休止にしませんか。
ようさんあるけど。
d0182119_11252178.jpg
そうそう、昨夏の発掘時。
白生地もあったっけ。

韓国手引木綿・耳付きの岡崎木綿など、ほんの数反。

どこへやった。
d0182119_22433295.jpg
ギリギリセーフ、残ってた。

帯丈も帯幅もありやなしやだが、この際いいでしょう。
d0182119_11270359.jpg
小千谷も2反、忘れててセーフ。
d0182119_11274679.jpg
夏のいまひとつ染めは、泣く泣く糊を落としていた。
d0182119_11290753.jpg
これらについて、今は考えないのが正解。
d0182119_11293366.jpg
帯に短し、科か大麻かそこいらへんの自然布ハギレ。
d0182119_11304701.jpg
「こういうのも染めていいですよ」と、けろセンセーがのたまっとか。
「そうだな」と、爺が従ったとか。

探せば何か出てくる田中紺屋。
これ以上は、ホントにないから。

世界中の誰ひとり信じてないけど。
d0182119_22441276.jpg
焦らず、慌てず、大騒ぎせず。

優先順位をよく考えて。

まじ頼むぜ。

リバ爺。
d0182119_11342883.jpg
「オレさ、分かったんだ」って。

「藍ってのは、染め続けてなきゃいい色が出ないんだ」
d0182119_11352613.jpg
染め歴60年の大職人。

どえらいウブな発言。

いまさら何を。
d0182119_11485167.jpg
曰く、手が痛いわ雨が降るわで、染めがはかどらなかった。
藍の世話はかかさなかったが、染め自体はロクに出来なかった。

続けて染めていないと、藍の色も、結局はよくならない。
そのことが改めて分かったと言う。

藍は活性化させてないと、いい色にならないって。

誰かさんみたい。

やれやれ。

それと怪我の功名。
仕事が出来なかったことで、腱鞘炎が治ったっぽい。

色々でこぼこ。
痛しかゆしだが、まあいいでしょう。

「まあまあ染め」がまた出来て、マンモスうれぴーだ、きっと。
d0182119_21395431.jpg
そうだ、お役所からなんか届いてるって話だけど。

見せてください。
d0182119_19173864.jpg
電話じゃ要領を得ないため、伝書鳩化したわたくしが現場へ急行ってわけ。
これも大事な確認事項。

名前書け、ハンコ押せ。
すべからくご指示させて頂く。

几帳面につき、誤字脱字をやたら気にされるが「んなの、いーから」と一喝し、無事完了。
d0182119_23031355.jpg

すません、手前の紙、なんすか?

ああ、これ。
d0182119_19234061.jpg
「まさか」

にわかに心臓があおった。

やりかねないんで。
d0182119_19254538.jpg
聞けば、10数年前の仕業らしく安堵。

でも、なんでこんなにようさん刷るかなあ。

ほんの一部です、コレ。
言うまでもなく。
d0182119_21440111.jpg
本日はこれにて。
但し、お昼だけは食べて帰りたい。

この春以降、お誘いしても「オレはいい」と振られていた。
お腹だかおシモだかの具合が悪いし。
だいたい気分も乗らなかった。

おひとりけろさま。
歯噛みの自腹定食であった。

「今からわたし、お昼して帰りますけど、田中さんもいかがですか?」

ダメ元で誘ってみる。
d0182119_19284929.jpg
うん、行こう。

よたよたで、突っかかりながら、小走りで。

前掛け外して、すっ転びそうだが、素早いのなんの。
d0182119_19332071.jpg
生姜焼き定食、永年無料権。

TGが有する最大の権利を掲げ、こぶしを挙げる。

爺っちゃんの名にかけて。
d0182119_19341416.jpg
イエス。

d0182119_19373649.jpg
財布の中身忘れたとか、ぜったい言わないで下さいね。
d0182119_19384322.jpg
いちいち右往左往、なんでも真に受け、オロオロ騒ぎ、慌てて火消しをし、そんでヒーヒーする。

けろ企画の問題点は主に上記、ほか省略。
d0182119_19392836.jpg
もう話すことも、ほとんどない。
d0182119_19554026.jpg
キャベツだけでなく生姜焼きにもとんかつソースをたっぷりかけて平らげる御大を拝めたことは、この秋最大の収穫だった。
d0182119_19545670.jpg
とはいえ、予断はいつだって許さない。

あの御大なんで。
d0182119_22182271.jpg
瀕死と不死身の反復横飛び、フルマラソン。

なめたらあかん。

この先、なんにもないわけがない。
d0182119_22180498.jpg
それは肝に銘じている。




[PR]

by kerokikaku | 2017-11-22 11:35 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(6)
2017年 11月 21日
11月田中学校-その1
伝書鳩の出番か。

なんぼかけても出ない。
d0182119_20191843.jpg
3月の月日荘展を終えて、この春夏秋、ずっと。

リバマこと、リバーマウスこと、川口。

の、正藍型染師 田中昭夫御大。
d0182119_20125321.jpg
具合が悪かった。

どこ、というより全体的にダウン気味であった。
d0182119_20203010.jpg
腱鞘炎で指が痛い。
雨ばかりで染めがうまくいかない。

言葉もつまってぜんぜん出てこない。
トイレ関係、おシモのあんばいもよくない。

根は頑丈なタチだが、そんなこんなでしょっちゅうお医者に行っていた。

食欲はあるが、痩せてしょうがないって。

10月に伺った時は、ちょっと小さくなっていた。
d0182119_20130234.jpg
わたしと御大をつなぎとめる手段は、ケータイのみ。

ただし、着信に気付いて折電をする技量はない。

出ないとなると、やりようがないのだ。

でも出ない。

もしや。

まさか。

はたまた。
d0182119_20173896.jpg
万が一、御大に何かがあったところで、わたしは知る由もない身分なのだ。

そのことを再認識した不穏の日々だった。



伝書鳩寸前のラストチャンス。

どうにも出ないホットラインへかけてみた。
d0182119_21274879.jpg
あっさり出たのでずっこける。

伺いたい旨を伝えると「うん」。

せっかくカケ放題プランに入っているのに、15秒で済んでしまった。

ちっ。

などと一切思わず、速攻でリバマ上陸する。
d0182119_21360489.jpg
正直言って。
d0182119_21391005.jpg
ピンチ!な、11月田中学校。

いささか気が重い。
d0182119_21391651.jpg
四方八方、八百八町。

もうもうといぶった藍場。
d0182119_21461059.jpg
ああ、やってるんだ。
d0182119_21393199.jpg
ご寵愛のバラはお元気。
d0182119_21394243.jpg
本人は板場にいた。
d0182119_21403838.jpg
「来るって言ってたっけ」ってお顔で。
d0182119_21404948.jpg
例によって挨拶もそこそこ。
d0182119_23191341.jpg
何かを取りに行った。
d0182119_21413667.jpg
最近の染めを見せようってことらしい。

けろセンセーの花丸でも励みになるのだろうか。
d0182119_21415125.jpg
実は10月のこと。

この夏の宿題、というわけでもないが、染めた反物を10反ほど拝見した。
調子の悪い中やっと染めた、って。

ラオス谷さんの白生地・残りわずかとなった耳付きの岡崎木綿ばかり。
貴重な生地を染めていた。

あの時はブログ内でぼやかしたが、正直良くなかったのだ。
ひいき目に見ても(本来はひいき目で見てはいけない)ダメだった。

そもそも糊がダメで、すぐ落ちた。
d0182119_22075559.jpg
直す先から手につき、やればやるほどキーッとなり、悪循環。
d0182119_22094343.jpg
仕上がりも、見ていられなかった。

往時の見る影もなかった。
d0182119_21584004.jpg
ショックだった。
来るべき時が来た、と思った。

本人へのコメントは控えた。
いいとも悪いとも言えなかった。

帰り道、黒幕にすぐさま報告した。

「田中さん、仕事はもう無理っぽいです」

やるな、とは言えない。

やりたいだけやらせよう。

でも、この染めを外に出すことは出来ない。
d0182119_21595742.jpg
端ミシンした岡崎木綿はたんと準備済み。

向こう100年分ある。
d0182119_22155790.jpg
今後は月日荘で取り扱いしてもらう約束。

それが最大のモチベーションなのは間違いない。

でもあの染めでは、外へ出せない。
出したら「紺定」が廃る。

これじゃあダメだ。
出せない。

「紺定」印を守らないと。

いつか言わないと。
この染めでは引き受けられないと、年内のどこかではっきり言わないと。

それを見極める意味もあっての、訪問だった。

確かにこんな大作業、いつまでも出来るものではない。
d0182119_22454118.jpg
あの日の真新しいサンがなくなっていた。
d0182119_22470540.jpg
どうせ長板は持ち上げられないし、そういうことは早いんだ。
d0182119_22480792.jpg
でもまあ。

なんやかんやで染めていたんですね。

ほかにやることもないしね。

やっぱ、そうだよね。
d0182119_21414437.jpg
見せてもらうの、こわいなあ。

と、気取られないように平静を装う。

d0182119_22550794.jpg
「湯のし屋(染布の最終仕上げ屋)が入院しちゃってさ、まだ出せてないんだけど4反ある」って。

4反と聞いて、ホッとしつつ、拝見。
d0182119_22511632.jpg
続きます。



[PR]

by kerokikaku | 2017-11-21 11:56 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(4)
2017年 10月 13日
要領を得ないリバマ
だいたい。

リバマ御大から電話が鳴ると、ハッとする。
何かあったんじゃないかと身構える。

そして間違いなく、何かある。


数日前の電話。

「税務署から書類が届いた」とおっしゃる。
d0182119_17325544.jpg
「90万円って書いてある」と。

何の書類で、期限はいつか等々たずねるが、全く要領を得ない。
d0182119_17342104.jpg
2014年田中紺屋展・2015年青山展・2017年名古屋展。

リバマ案件に関わって以来、金勘定はけろ企画が一手に引き受けている。

数字がカラキシ苦手のけろたん。
こんな羽目が恨めしい人生だがしょうがない。

ズルをせず、払いすぎることもなく。
分からないからこそ、何度も何度も関係各所に通い、いやらしいほど確認をしている。

自分のコトならテキトーだが、一応ひとさまのコト。
それなりにキチンと提出、しかるべき処置をしているつもり。
ホレ、廃業してたの、開業したりとかさ。

なぜ今、90万円なのか。

払えと言われたら、払うしかない。

お上の言うことに間違いはございますまいから。

どぼちよう。
どぼちよう。

眠れぬ夜を越し、慌ててリバマへ降り立った。
d0182119_17323796.jpg
おねえちゃんを望む余裕もない。
d0182119_17323299.jpg
九十万田中学校に見えてきた。
d0182119_17324247.jpg
いぶりがっこルームに、御大は居なかった。
d0182119_17571601.jpg
板場の奥で、糊の修正をしていた。
d0182119_17580436.jpg
染めてるときに電話が鳴ってさ。

長靴脱いでる間に切れてさ。
d0182119_17592552.jpg
おかげで染めがダメになってさ。

糊がはがれてさ。
d0182119_18000404.jpg
直すのがたいへんでさ。

もうやになったよ。
d0182119_18003699.jpg
要するに。

おいらがかけた電話のせいだとおっしゃりたい。
d0182119_18011101.jpg
てかさあ、と言いたいのをグッとこらえる。

結局言っちゃうけど。
d0182119_18021948.jpg
「まあ、昔よりも集中力がなくなったんだな」と、ご自身が一番分かっていた。

言いにくいが「そういうことですかねえ」と答える。

おらのせいにする気も、分からんでもないけども。
d0182119_18051784.jpg
それよりも。

何か、通知が来たんでしょ。
見せてください。

「ああ」
d0182119_18060994.jpg
大枚90万円の払い込み用紙が来たのかと思いきや。

必要な届を出してね、の書類だった。


てか、90万円ってさ。

「記入例」にある数字じゃないのさ。
d0182119_18064987.jpg
しかも、正確には900万円ですよ。

もはやどうでもいいことだけど。
d0182119_18110423.jpg
書類をそろえてハンコ押して郵送するってワケだった。

90万円ってなんのこっちゃ。

ひーはー。
d0182119_18404302.jpg
やれやれ。

ここへ来ないとワカランチだったな。
慌てて来たのには意味があった。

と、思いたい。


おもむろに、ごっちゃりした段ボールを見る。
d0182119_18240560.jpg
これって、いいモンじゃないすか?

広幅のタイ木綿、白生地、発掘。
d0182119_18245222.jpg
オレが型染めしたと言う、自動アンティークな絹のワタ入れのカワも発掘。
d0182119_18260745.jpg
ぜひTG幕田くんに差し上げたいものだと勝手に決めるが、とくに反応はない。
d0182119_18272181.jpg
薄藍のこの布、韓国手引木綿とみた。
d0182119_18295616.jpg
これこそ貴重な生地なんで、ぜひ染め直しでお願いします。
d0182119_18303310.jpg
その他のもろもろは、と言うと。

おじいちゃん的ズボンとモモヒキ。
ついつい、広げてたたんで区分けして。

汗だくになり整理させていただく。

まじで、これは、何の因果でしょうか。
d0182119_18341948.jpg
するとシャツのポッケから500円玉が2枚出てきた。

我らが生姜焼き定食屋は、本日定休日。
d0182119_18343731.jpg
「これでコンビニ弁当買わせてもらいますよ!」と言ったが返事はない。

どうでもよさそうなので、コインを握りしめ、セブンで弁当を買い、爺の部屋でひとりで食べた。
d0182119_19141990.jpg
ふと、田中御大のケータイの設定をチェック。
これに関して、彼のプライベートはいいとする。

なぜならば。

履歴を見ると95%がけろ企画から。
4%が黒幕から。
のこり1%は存じません。

いつもケータイにかけると「聞こえにくい」らしく、話がヤギさんゆうびん化していた。

こっちは向こう三軒にとどろく大声を張らないといけない。

だな。

やはりね。
d0182119_18354686.jpg
無断で直しとく。
d0182119_18394133.jpg
さあ逃げろ、のその前に。

谷さんから案内が届いてるって。
d0182119_18520242.jpg
来週10/17(火)18(水)は、いよいよ東のN家でH.P.Eの展覧会

白生地の出展はないにしろ、行ってみたいらしい。
ラオス谷さんにも会える。
東N家の主にもアンダーグラウンドでお世話になっている。

じつはその日、東京にいない予定のわたし。
御大をお連れ出来ない。
黒幕こと津田さんも、箱根菜の花直前につき頼めない。

「その気になれば行けるでしょ」
ずいぶん強気発言だが、あやしいもんだ。

東のN家は田端駅南口からだと上り下りがあるので厄介とみた。
迷っても困る。

ケータイなんか、不ケータイに決まっている。
d0182119_18281792.jpg
田端駅北口からタクシーを使うよう、指令を出しておく。

自立支援キャンペーン、緊急発動。
d0182119_18592050.jpg
もし、東のN家界隈で迷い爺を発見された方。

どうか、お導きのほどをお願いします。



[PR]

by kerokikaku | 2017-10-13 17:48 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 10月 04日
リバマ近況・2017秋
朝イチに電話しますんで、ご都合を伺ってからお邪魔するようにします。

数日前に、そう約束した。

けさ早く電話すると(ちなみに3回かけてやっと出た)
「今日ならいい」と。

お昼過ぎになる、と伝えると
「そんなに遅くちゃ医者に行かれない」と。

医者は何時か、と尋ねると
「昼過ぎだ」と。

今からだと、どう急いでも昼ちょい前になるため「今日はやめときますか」と提案すると
「来てもいい、でも遅くちゃダメだ」と。

「なら何時までならいいんですか」
つい声が大きくなるのを、こらえきれずお尋ね申し上げるが、一向に埒があかない。

だめだなあ、わたし。
年寄り3人衆に育てられたくせに、優しいご対応が出来ない。

うっすら反省してみるものの。

おうおう、田中さんよう。
「とにかく行かせてもらいますよ!」

「うん」だって。
d0182119_19132364.jpg
ハダカのお姉ちゃんはコスモスの精だった。
d0182119_19134710.jpg
何回目かの10月田中学校。

d0182119_19140312.jpg
通算60回に近い田中紺屋。
d0182119_19213677.jpg
こんちはー。

返事はなく、藍場はいぶりがっこ。
d0182119_19223119.jpg
ご寵愛は、種取り時期か。
d0182119_19231321.jpg
板場にいるのかな。
d0182119_19270300.jpg
おお、いらした。

岡崎木綿に型付けの真っ最中。
d0182119_19241969.jpg
こちらをチラリ一瞥だけで、無言であった。
d0182119_19244809.jpg
デリケート作業中につき、こちらも無言。
d0182119_19260318.jpg
お邪魔せんよう、そぉっと佇む。

次々やりたいと見えて、型紙が左に準備してあった。
d0182119_19284575.jpg
体調もろもろサイテーの夏だったらしいが、宿題はやってあった。

これは何かと言いますと。
d0182119_19301637.jpg
2015夏、ハギレ大捜索のとき。
d0182119_19340815.jpg
ハギレにもほどがあるハギレ。
d0182119_19342965.jpg
巾20cmあるかないかの科布のハギレを救出し、洗い、アイロンし、つなげたもの。

「いつかこれに型付しといて下さい」と頼んであった。
d0182119_22095880.jpg
調子の悪かった今夏。

手慰みにやってくれたらしい。
d0182119_19433530.jpg
「いちおう、両面型付けした」という、ミニ科布。
d0182119_19455337.jpg
まあともかく。

無言の数十分。
d0182119_22180342.jpg
鳴ったら困るケータイを傍らに。
d0182119_19475521.jpg
うるさいケータイを鳴らす張本人はここにおります。
故、ご安心あれ。
d0182119_20180042.jpg
奥様はお出かけのご様子。
d0182119_22183490.jpg
必死のパッチで、端まで型付けをやり切った。
d0182119_19260318.jpg
「あー、腰が痛てぇ」

ここではじめて口を開き、糠を巻き出した。

細かいところも、ピトっとねっとり糊。
見事だ。
d0182119_19493498.jpg
紺定特有、粘着質な糊である。
d0182119_19512160.jpg
さて、この後どうするか。
d0182119_20090236.jpg
在りし日の風景はこちら⇒「きものと装い」 春夏号 主婦の友社/1980年刊

30kg近くある長板は、もはや持ち上がらない。

82歳の御大、さあどうするか。

台車2台をクルマがわり。
しかるべき位置にセット。
d0182119_20102402.jpg
長板を、慎重に動かす。
d0182119_20141315.jpg
奥からも押す。
d0182119_20144321.jpg
台車に乗せたい。
d0182119_20145471.jpg
ずりずりっと。
d0182119_20150903.jpg
前から引っ張る。
d0182119_20152429.jpg
もっと引っ張る。
d0182119_20153932.jpg
後ろから押す。

これを何度もリピート。
d0182119_20155418.jpg
台車2台に乗っける。
d0182119_20161371.jpg
微調整。
d0182119_20162718.jpg
ゴロゴロゴロ。
d0182119_20165802.jpg
おしまい。
d0182119_20171611.jpg
今年になって、元のサンより一段低い位置に、真新しいサンを作り直していた。
d0182119_20173169.jpg
しかし長板を立てかけることは、結局しなかった。
立てかけれない、のが現実。

これで天日干しは十二分だけど。
d0182119_22123149.jpg
色々と変化していた。

日々刻々、変わっていた。

やれること、やれないことが、前景化してきていた。
d0182119_20191408.jpg
やりたいことはただひとつ。

誰も止めない。

やりたいだけやって頂きたい。

売ることとか見せることとか、それは二の次だとご自分でも承知し始めている。

限界が見えてきている。

夏の間、数反を仕上げていたのを見せてくれた。
麻生地で、いい染めもあった。
d0182119_21411103.jpg
うーん、と言わざるを得ないものもあった。
d0182119_20182790.jpg
「いいですね」と言えばよかったのかもしれないが、言えなかった。
d0182119_20185781.jpg
もうお医者の時間だし、きょうはこれでお暇します。

また来ます。

「うん」だった。
d0182119_21414695.jpg
リバマ。

来なきゃいけないな。

また安否確認に来ないとな。
d0182119_20192358.jpg
ただの様子伺いだとしても、来なきゃいけないな。
d0182119_20193347.jpg
お昼を誘ったが「出かける気がしねえな」と。
おうちで食べるってさ。

なので生姜焼き定食は、予想通りひとりで食べた。

女将さんが「あら、きょうはひとり?」だって。




[PR]

by kerokikaku | 2017-10-04 20:19 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 10月 02日
リバマ安否確認を怠った2か月半
にわかに後悔している。

リバマ御大こと、正藍型染師 田中昭夫さんの安否確認を、この2か月半怠った。

初めてお目にかかった2014年以来、だいたい1か月に1-2回訪問。
開いても2か月に1度のリバマをかかさなかった。

この3月。
名古屋月日荘展も終わり、ほんとのほんとのボチボチモード。

指も痛いし、そんなに出来ないし、ってことだった。

それでも7月は、リバーマウス川口へ2回お邪魔した。
d0182119_20003487.jpg
梅雨明け「前」、猛暑のあの日。
d0182119_20030708.jpg
痛さより何より、染めが出来ないことが、ストレス。

仕事のし過ぎで「指が痛い」と嘆きまくるリバマ御大だった。
d0182119_20023480.jpg
7月の訪問のうち1回は、川口駅まで連れ出し、酷暑を歩かせた。
どうしても連れ出す用があったのだ。

ピシッと白シャツできめて、お洒落さんだった。
30分前に来そうなので1時間前にスタンバっていたら、やはり30分前に来た。

そして白シャツ御大に、あろうことかカレーうどんを食べさせたわたくしであった。
d0182119_20035299.jpg
じつはその頃、某所より入手した、御大にふさわしい上等の白生地が手元にあった。

しかし、今渡すとエライこっちゃと判断。

やっちゃうから。
指を無理してやっちゃうから。
d0182119_21004952.jpg
指痛を機に、夏の間は養生してもらうことにした。

小さめの仕事だけを夏の宿題とし、また秋に伺います、と別れた。

そんな期間があってもいいかなと。
d0182119_20052313.jpg
それきっきり、うんともすんとも。

もともとそういう仲。

便りがないのは、、と思うようにしていた。

こちらも動けない日々だった。
爺のことを忘れていた日もあった。

リバマと無縁の2か月半。

あれよあれよ、サラサラと流れた。
d0182119_20223864.jpg
リバマホットラインはタイミングが難しい。

ケータイなる夢の機器を持っているが、出る確率は3割を切る。
コール音1分以上で、あきらめる。

御大からの折電は無理な注文。
あらためて4-5回かけるのはザラ。

今週リバマへ伺えそうなので、一報を入れておきたい。
けさ「お昼休みの前で仕事の手を止めていそうな」タイムを見計らい、かけてみた。

コール音1分半で出なかったので切ってしまった。
またかけ直そう。

夜になり「御飯がおわって寝室に戻っていて、寝ていないだろう」タイムにかけてみた。

珍しく1分以内に出た。
運がいい。

「昼間電話が鳴ったのさ、染めをしている最中で、長靴を脱いでいる間に切れた」と。

そのため「染めがめちゃくちゃになった」とのクレームが第一声。

言葉もない。
「そんなんなら出なくていいんですよ」と答えるのが精いっぱい。
d0182119_20310710.jpg
そして声が違った。

弱い。

この夏は、体調が悪かったそう。

さらに藍の調子も悪く、天気も悪く、何もかもが天中殺。
「いいことなかった」と。

食欲はあるにはあるが、ずいぶん痩せたらしい。

仕事がはかどらなかったおかげで指は治ったみたいだった。

やっとのこと糊付をし、やっとのこと染めをした矢先。
わたしからのケータイが鳴り、集中が切れ、染めがパアになったとのこと。

おいらのせいかな。

むぅ。
d0182119_20373202.jpg
なんか知らんが、良くない模様。

2か月半、安否確認を怠ったため、ほんとの様子がみえない。

どんなことになっているのか。
早めに行かねばならん。

元気な時でさえ、毎度驚かされるリバマ訪問。
ノー元気な今は、推して知るべし。

行きたいと伝えた日は「医者かもしれず、いるかどうかわからない」とあやふや発言。

「田中さんのご都合に合わせます」
ヘタな強要は逆効果。
当日朝のホットラインで確認してから行くことにした。

こうなると。
何もなくても1か月に1回は、安否確認しておくべきだった。

顔だけ見てバイバイして、近所ひとり生姜焼き定食を食べて帰るとしても、行っておくべきだった。

生姜焼き永年無料ポイントを使わなかったとしても。
行けば行ったで「ったくもう」と思うことが多々だとしても。

染めはやり始めてて、日々動いている。
気はお元気でなくても、まあそれなりだろう。

と思いたい。
d0182119_20530881.jpg
とにもかくにも、近々リバマ、行っときます。



[PR]

by kerokikaku | 2017-10-02 20:56 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 07月 09日
痛手
「手が痛くてだめだ。仕事ができない」
7月はじめ、リバマ御大から沈痛の電話が、黒幕あてに鳴った。

右手の腱鞘炎が痛すぎる。
医者に行っても治らない。

染め仕事が出来ない。
やることがない。
意気消沈のションボリ電話だったという。

わたしには伝えてくれるな、と念押しがあったらしい。
適切なアドバイスも、慰めも、やさしさもないので、面倒と思われたか。
d0182119_21221618.jpg
ざんねんながら、黒幕&けろ企画は連携が整っている。

秘密はすぐさま共有され、あっと言う間に川口へ降り立ったわたくし。
d0182119_12075608.jpg
先月、ラオス・レンテン族白生地のハギレの試し染めをしてもらった。

春のもにょもにょ問題は何だったのか。
d0182119_12301326.jpg
この染めなら帯地分を渡しても問題ない。
預かり(隠し)持っていた白生地本体を渡しても大丈夫だ。

どこから目線なのはご容赦を。
これまでの学習による、的確な管理操作である。

生地全体にあったヒゲ糸の始末をTG布茶に依頼し、平らにきれいにしてもらい、手間と気は存分に遣った。
d0182119_12081012.jpg
「いま染めて」ってワケではなく、なんというか。

いわゆる毎度の安否確認てやつ。
d0182119_12083883.jpg
ベニバナが干してあった。
d0182119_12103881.jpg
あそこにも。
d0182119_12105722.jpg
ここにも。
d0182119_12110798.jpg
おが屑も手に入ったんだな。
しばらくは暑いので使わないだろうけど。

こんちはー。

見当たらないので板場に御大を探す。
d0182119_12112461.jpg
ああ、やってるんだ。

やれないって言ってもやってるよね。
d0182119_12113632.jpg
おや。

糊がところどころ落ちている。
こりゃあ修正がまた大変だ。
d0182119_12115036.jpg
「ああ」とわたしに気付くと、すたすた、もとい、よたよたと外へ出た。
d0182119_12120023.jpg
染めてるんですね。

手は大丈夫なんですか?
d0182119_12121182.jpg
あれは前のやつだ。

糊が落ちて、いやになって、そのまま置いてある。
d0182119_12121904.jpg
梅雨時期は糊がもたない。
作った糊が一日でわるくなる。
ボソボソになるため冷蔵庫で保存したくない。
d0182119_12063250.jpg
それよりなにより手が痛い。
d0182119_12124291.jpg
右手の中指がカクカクして痛くてだめなんだ。

そう言ってわたしに中指を立てる。
ふうぅ。
d0182119_12122920.jpg
どちらも太いが、たしかに右のほうが太い。
腫れていますね。

黙っていても痛いんだ。
d0182119_12125327.jpg
グーはやっとできる。
d0182119_12130330.jpg
ここに注射を打つのが、痛いのなんのって。

顔をゆがめて実況してくれた。
d0182119_12131276.jpg
あれは5月だったか。

播磨藍の建ちもいいし、気候もいい。
それ、とばかり気前よくやったものの、落ちた糊の修正に明け暮れることになった。
d0182119_12064570.jpg
大変で大変で。

手も痛いし、やになるよ。
d0182119_12065948.jpg
へんに縛ったのもよくなかった。
d0182119_12071105.jpg
どうしたって不具合は出る。

材料・用布の手配も。
何もかも、ギリギリ綱渡りの現在。

歳もとった。
長板も持ち上がらない。
屋外で薪を炊いての精練もできない。

江戸時代のやり方で、40年前でさえ絶滅種と言われながらも、よくぞここまでやって来た。
なまなかではない。

だって去年の今頃なんて、こっちが面食らうぐらい染めに染めまくって、仕舞いには藍が足りなくなって、無い無い無い、って。
この春まで大騒ぎだったんですから。

大騒ぎでなく、大暴れだ。
d0182119_13302225.jpg
医者には、仕事をやめろと言われたらしい。
やりすぎなんだと。

やめるのは酷だとしても、休むしか方法がない。
実際、こんなことでもなければ休まない。

休むのもクスリ。
気が弱るのだけが毒。
d0182119_12134364.jpg
あのですね。

なんか、今、これを渡すのがですね。

タイミング的に最悪なんですけど。

八方手を尽くしてどうのこうのは言いませんから。

手の様子を見ながらで、どうぞ。

「うん」
d0182119_12133007.jpg
外のベニバナはどうするんですか。
d0182119_12135944.jpg
タネを採って来年植えるんだ。
d0182119_12141248.jpg
染めるためですか?

いやあ、こればかりじゃ染められないよ。
植えるだけだ。
d0182119_12142310.jpg
ふうん。

ご寵愛のようで、そうでもないように見えての、
d0182119_12074369.jpg
ご寵愛。
d0182119_13451384.jpg
いい意味でも、別の意味でも、意味不明でも。

リバマ御大の言うことは、経験上、真に受けない。

そのたびに一喜一憂してはいけないことを学んでいる。
d0182119_12143496.jpg
ゆえに、また来ます。

平常心でお邪魔します。

定期券は買いません。
d0182119_14152451.jpg
話によると、生まれたのは5月のアタマ頃。
8人兄姉末っ子の出生届は、農家の繁忙期につき後回しになった。

帳簿上では、あしたが82歳のお誕生日。
おめでとうございます。
星占いはあしたの誕生日で見てますか。

特になにもしませんが、末永くお元気で。
ほんとに。
d0182119_12145081.jpg
早々においとまする。
だって、やることないもの。

日の高いうちに帰るって、いままでなかった。
いつも何やかんや忙しく、丸一日お邪魔していた。

去年の今頃は、この騒ぎ。
d0182119_12093594.jpg
やれどもやれども。

洗っても干しても。

終わらない夏だった。
d0182119_12101525.jpg
終わったけど。
d0182119_12094866.jpg
さあ帰ろ。
d0182119_12150114.jpg
リバーマウス、川口駅には半裸のお兄さんがいたのをはじめて知った。



[PR]

by kerokikaku | 2017-07-09 15:02 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 06月 19日
リバマ近況ー2
なんでまた。

ここリバマ紺屋に、科布があるのか。
d0182119_23195980.jpg
これはさ。

たいしたことないよ。

どうしてもって言うんで、染めるんだ。

これだけだからさ。
d0182119_23552615.jpg
以前付き合いのあった方面から、科布帯の染めを依頼されたらしい。

「名古屋のもやるんなら、うちのもやってくれ」

断りきれずに受けたのだ、と言う。

3反だけだ。
たいしたことない数だから。

こちらを見ないで繰り返している。

じゃあこれは?

紙布だな。
タテが絹でヨコが紙の紙布だな。
d0182119_23551056.jpg
これもだ。

たいしたことないよ、これだけだ。

背を向けて行こうとする。
この件について、話を終わらせたがっている。

が、そうは紺屋の足元ちょい濡れ三寸が卸さない。
d0182119_23585264.jpg
おいおい。

ちょっと待って。

田中紺屋「紺定」染布の取り扱いは、今後すべて名古屋月日荘
そういう話だったでしょうに。

TGから月日荘にバトンタッチしたじゃない。
バトンの影がうっすら残っているきらいはなきにしもあらずとはいえ。

ともかく、月日荘特約の専属って話でしょうよ。
なのに別の仕事を引き受けるなんてさ。

おう。

そりゃ、ないんじゃない?

仁義が通らないんじゃない?

だって、あれだけ多くの皆さんが最後の展覧会に来て下さったでしょう。
今後はボチボチ月日荘取扱いってことで、周知なんですよ。
田中さんの今後の染めを、みなさん生温かく見守って下さっているんですよ。
d0182119_00341061.jpg
月日荘を飛ばして、別方面で出すの、よくない。

そういうの、非常に、よくない。

黒幕からは遠隔電話、わたしはそのまま直接。
ダブルでがっつり諫言申し上げる。
d0182119_00203489.jpg
シュンとなった。

田中さんは人が良いやら悪いやら。
頼まれた仕事は受けてしまう。
断れないのが職人の性。

染用布は先方からの提供。
布集めの心配をしなくていいのだ。
いい生地だし、腕も鳴るだろう。

以前のお付き合いがあっても当然です。
おかげ様ももちろんある。

しかし。

僭越ではあるが、今となってはハッキリさせないといけない。

だめ、です。

困ります。

ただ、受けた以上はしょうがないです。
それだけはやって、今後は断然ナシにして下さい。
d0182119_00015296.jpg
播磨藍の調子がいい今、こっちの仕事をやらんでどうする。
レンテン白生地や切り株科布が控えているのだ。

優しい風で、結構きつく申し付け、リバマを後にする。

もう今日は染める気にならないそうだ。
朝の糊が落ちたせいだ。
d0182119_17140997.jpg
じゃあね、また来ます。
今度はレンテン帯地分1反、持ってきますね。

外ではベニバナが咲き誇っていた。
d0182119_00370203.jpg
TGのひとりから種をもらって植えたもの。
d0182119_00490193.jpg
「持ってくか」って。
d0182119_00501035.jpg
葉っぱを食べるには育ちすぎ。
染めるには少なすぎ。
タネを採ってもウチには植える庭はございません。

返事はない。

どんどんハサミを入れている。
d0182119_00505099.jpg
あ、そっか。

花ってものは、食べたり植えたりしなくていいのか。
d0182119_00522276.jpg
飾る、って手がありましたか。

d0182119_00533006.jpg
これって。

陳謝の意か、まさかのダンディか。

意味ナシか、はたまた、大いなる意味アリか。
d0182119_00543057.jpg
リバマの御大、正藍型染師 田中昭夫さんより、

d0182119_00554384.jpg
棘のあるお花を頂戴しました、ってお話。



[PR]

by kerokikaku | 2017-06-19 19:06 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 06月 18日
リバマ近況ー1
きっちり洗ったのに、なんとなく濡れっぽい。
洗ったはずの足が、湿っている。

梅雨だからか、なんなのか。

カラリと好天のリバマこと、リバーマウス川口へ。
d0182119_21430224.jpg
都合54回目の上陸、とカウントするのはやめにしたい。
d0182119_21432177.jpg
太郎焼に、夏バージョン登場。
d0182119_21434809.jpg
先を急がねば。
d0182119_21440267.jpg
この前日のこと。

某有力筋から、染用布の入手に苦労しているリバマ御大へ。
「手持ちの科布をお分けしたい」とご厚意の旨、黒幕より連絡が入っていた。

翌朝、クロネコ便で拙宅に届けてもらった。

届いたのは巨大な切り株。
ならぬ、豪華科布、しめてドカンと40m。

お察し通り、リバマに直接送らないのが、我々の賢明なテクニック。
手にしたら、一も二もなく染めちゃうんでね。

d0182119_21471783.jpg
東北方面で3-40年前に入手したという、ロール状の科布。
とうぜん手績手織、状態もかなりいい。

今後の「紺定」帯地用布として、喉から手の出る代物である。
そう簡単に得られるモノではない。

あぁ。

困った時は、必ず愛染様のご加護がある。
リバマ御大の恐るべし運の強さよ。
d0182119_16531505.jpg
よくぞキレイに残っていてくれた。
よくぞここまでたどり着いてくれた。

ご縁のありがたさで感涙にむせぶ朝であった。
必ずや有効活用させて頂くことを、リバマの遠方で誓う。

広げて見て、タマシイが黒光っているわたくしは、ひらめいた。
d0182119_22050579.jpg
40mぜんぶをリバマ御大に分けるのは、ちと惜しい。

黒幕自身も半分GETするよう、逆指名しておく。

あらためて言うまでもないが、黒幕こと津田千枝子は、あの、その、かの型染作家である。
次回、もしくは次々回の展覧会を、震えて待たれい。
d0182119_22133734.jpg
御大には電話で、科布購入OKの了解をとった。
「それはいいな」って。

でしょ、いいでしょ。
このあと、月日荘へ出す帯地にバリエーションが出ていいでしょ。

いちおうサンプルハギレをカットし、その足でリバーマウス川口へ向かう。
写メとかそういうの、届かない秘境につき、直に見せに行く。

素晴らしく良い動きだ。

だからか、洗った足が湿っているのは。
d0182119_22215925.jpg
こんな陽気だもの、張り切って染めているかな。
d0182119_22250732.jpg
そうでもなかった。
d0182119_22303086.jpg
「朝染めてる時に電話が鳴ってさ、気が散ってる間に、糊が落ちちゃったんだよ」

と、冴えない。
d0182119_22291208.jpg
あちこちガタで体の調子も良くないし、言葉も出にくいし。

と、冴えない。
d0182119_22290292.jpg
ああ、ほんとだ。

せっかくの染めなのに、糊が落ちてますね。
修正に手間がかかりますね。

「でも、電話が鳴ったせいなんですか?」と、聞いてはイケナイことを尋ねると
「糊のせいもあるかな」だと。
d0182119_23291038.jpg
そんな中でも朗報は、播磨藍の建ちが良いこと。

何より有難い。

それもこれも、まわりからのご加護なんですけど。
d0182119_22314580.jpg
さて。

先日遠隔指示してあった、レンテン白生地ハギレ試し染めはどうなったのか。
d0182119_22433073.jpg
うん、まあまあだな。
d0182119_22440519.jpg
なによ、上出来じゃない。

すごーくいい染めじゃないですか。
d0182119_22444257.jpg
クッキリ、バッチリ、新骨頂の「THE 紺定」の染めじゃないですか。

久しぶりに拝む濃藍色ですね。

「まあ、そうだな」
d0182119_22464325.jpg
って、どの口が言うのか、と、まず問いたい。

じゃあさ。

先のレンテン白生地、数反がうまくいかなかった原因は何だったんですか。

d0182119_22485410.jpg
それはもうハッキリしている。

精練のし過ぎだ、と言う。

貴重な白生地とあって、やたら気合が入りすぎた。
いつも以上に精練をし過ぎた。

よって生地にコシがなくなったのが一番。
さらに、藍が完全に建つのも待てなかったこと。
豆汁も残ってムラになり、慌てた染めになってしまったこと。
d0182119_22544839.jpg
まるで分かっていた風の発言だ。

あの時は善後策がサッパリ見当たらず「困った困った」と、右往左往のSOS。
こっちまで困らせたじゃない。

とは、言うまい。

じゃあ、後日レンテン白生地の本体、帯地分をお渡しします。
今度こそ渾身の染めでお願いしますね。

d0182119_23044516.jpg

すると、我が目を疑う光景が。

あのう。

それって、何ですか?

d0182119_23181352.jpg

今朝届いた科布は、拙宅にまだある。

まだ渡していない。

d0182119_23400207.jpg

なのでここにあるはずもない。

d0182119_23195980.jpg
じゃあ、精練している、この科布は何?


苦虫顔で続きます。




[PR]

by kerokikaku | 2017-06-18 19:48 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 06月 11日
シロヤギ
TG散会の会から10日経った。

この先こそ、好きにやってもらって一向に構わない。
正藍型染を、思うよう存分にやってほしい。

余計なお世話はいたしません。
故に、遠方安否確認の立ち位置で。

赤の他人ならぬ藍の他人。
そっと、生暖かく見守りますんで。

ただし、僭越ながら依頼していた案件が、ひとつだけあった。
d0182119_21075422.jpg
この春。

藍と糊と布などなど。
すべての不穏な要因が重なり、染めがうまくなかった。

つい、忖度。

ラオス・レンテン族の手紡手織の白生地を地下工作しておいたのだ。
某所有者を、アレしてナニした末、貴重な1反を極秘入手した。

「これからの染めのための、実験と確認」という意味のだいじな1反。

この行方だけは見届けさせて頂きたい。
「うん、そうだな」と合意したはず。
d0182119_19253116.jpg
様子伺いホットラインをしてみた。
1分以内のコールで出たのはラッキーだ。

尋ねてみると、82歳の脳内で、依頼案件は「しなくていい」ことに仕分けされていた。
「しばらく置いておくんじゃなかったっけ」との返事に大いに慌てる。

全く手つかずだと言う。
見てもさわってもいないと。

「うん、わかった」って、言ったよね。
「さわるなって言ったよね」って、言ってない。

「話が変だ」と、埒が明かない。

そのかわり、岡崎木綿の新しい染めをどんどん進めていた。
順調なのは目出度いが、僭越案件を放置されていたのは、良くない。
後先が逆。

・・・・・・・・・・・・・・

我ら僭越忖度組合。
鉄砲玉の御大に、貴重な白生地1反ぜんぶを渡さなかった。

帯地分5mは死守し、わざわざ持ち帰った。
「持ち帰る」ってところが最高レベルのリバマテクニック。

もう替えがない。
渡したら、すぐさま丸っと染めちゃうの、わかっている。

帯地分を取って、余った2mを半分に切り、1m×2枚のハギレだけを渡す。
そのハギレで実験染めしてほしい、ってわけ。

そうすれば、いまいちの原因が何か分かる。
今後の傾向と対策が得られる。

何度も何度も説明し、電話を切る。
だって、あの日も重々説明したんだもの。

すると数分後、電話が鳴る。
「あのさ」と。

実際にハギレ2枚を手にし、この非効率さをとうとうと述べ始めた。
染め以前の精錬に時間がかかるんだ、と。

何日もかかる、10日はかかる。
なので「すぐには出来ないのを覚悟してもらわないと」と、ずいぶんな言い分。

いやいや。

それを承知で僭越依頼してます。
何より今後の「紺定」の染めに関わりますんで。

ってことで、合意だったんですけど。
あれは何だったのか。

無用でなく、むしろ有効な作業なのだ、と繰り返し丁寧にお伝えする。

何度も何度も「時間がかかる」と、あちら。
何度も何度も「大事なことなんだ」と、こちら。
d0182119_19474307.jpg
わたしもしつこいタチだが、あちらもなかなか。

これは大事なこと、大丈夫、間違ってない。
けろたん、がんばれ、負けるな。

電話を切り、麦とホップの一気飲みで、なんとか息を整える。

するとまた電話が鳴った。
「自宅にも電話した?」って。

さっきまでケータイでやりとりしていた。
御大の自宅電話は着信番号出ないし、きょうはそちらへかけていない。

いま2回目のケータイ長電話を切ったばかりなんですけど。
「おっかしいな」と不審がっているが、それはこちらのセリフ。

なにがなにやら。

解き明かすことをやめ「いつかの着信が残ってたんですかね」と、ふんわり電話を切る。

ああ遠い目。


♪シロヤギさんからお手紙ついた 
クロヤギさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙かいた 
さっきの手紙のご用事なあに♪


誰もわるくない。
郵便局もしくは電話局の問題か。

来週もっぺん電話してみる。
手紙じゃ、むり。

てか、直接出向くのが有効か。



[PR]

by kerokikaku | 2017-06-11 19:37 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)