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2017年 07月 09日
痛手
「手が痛くてだめだ。仕事ができない」
7月はじめ、リバマ御大から沈痛の電話が、黒幕あてに鳴った。

右手の腱鞘炎が痛すぎる。
医者に行っても治らない。

染め仕事が出来ない。
やることがない。
意気消沈のションボリ電話だったという。

わたしには伝えてくれるな、と念押しがあったらしい。
適切なアドバイスも、慰めも、やさしさもないので、面倒と思われたか。
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ざんねんながら、黒幕&けろ企画は連携が整っている。

秘密はすぐさま共有され、あっと言う間に川口へ降り立ったわたくし。
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先月、ラオス・レンテン族白生地のハギレの試し染めをしてもらった。

春のもにょもにょ問題は何だったのか。
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この染めなら帯地分を渡しても問題ない。
預かり(隠し)持っていた白生地本体を渡しても大丈夫だ。

どこから目線なのはご容赦を。
これまでの学習による、的確な管理操作である。

生地全体にあったヒゲ糸の始末をTG布茶に依頼し、平らにきれいにしてもらい、手間と気は存分に遣った。
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「いま染めて」ってワケではなく、なんというか。

いわゆる毎度の安否確認てやつ。
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ベニバナが干してあった。
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あそこにも。
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ここにも。
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おが屑も手に入ったんだな。
しばらくは暑いので使わないだろうけど。

こんちはー。

見当たらないので板場に御大を探す。
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ああ、やってるんだ。

やれないって言ってもやってるよね。
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おや。

糊がところどころ落ちている。
こりゃあ修正がまた大変だ。
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「ああ」とわたしに気付くと、すたすた、もとい、よたよたと外へ出た。
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染めてるんですね。

手は大丈夫なんですか?
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あれは前のやつだ。

糊が落ちて、いやになって、そのまま置いてある。
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梅雨時期は糊がもたない。
作った糊が一日でわるくなる。
ボソボソになるため冷蔵庫で保存したくない。
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それよりなにより手が痛い。
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右手の中指がカクカクして痛くてだめなんだ。

そう言ってわたしに中指を立てる。
ふうぅ。
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どちらも太いが、たしかに右のほうが太い。
腫れていますね。

黙っていても痛いんだ。
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グーはやっとできる。
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ここに注射を打つのが、痛いのなんのって。

顔をゆがめて実況してくれた。
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あれは5月だったか。

播磨藍の建ちもいいし、気候もいい。
それ、とばかり気前よくやったものの、落ちた糊の修正に明け暮れることになった。
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大変で大変で。

手も痛いし、やになるよ。
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へんに縛ったのもよくなかった。
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どうしたって不具合は出る。

材料・用布の手配も。
何もかも、ギリギリ綱渡りの現在。

歳もとった。
長板も持ち上がらない。
屋外で薪を炊いての精練もできない。

江戸時代のやり方で、40年前でさえ絶滅種と言われながらも、よくぞここまでやって来た。
なまなかではない。

だって去年の今頃なんて、こっちが面食らうぐらい染めに染めまくって、仕舞いには藍が足りなくなって、無い無い無い、って。
この春まで大騒ぎだったんですから。

大騒ぎでなく、大暴れだ。
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医者には、仕事をやめろと言われたらしい。
やりすぎなんだと。

やめるのは酷だとしても、休むしか方法がない。
実際、こんなことでもなければ休まない。

休むのもクスリ。
気が弱るのだけが毒。
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あのですね。

なんか、今、これを渡すのがですね。

タイミング的に最悪なんですけど。

八方手を尽くしてどうのこうのは言いませんから。

手の様子を見ながらで、どうぞ。

「うん」
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外のベニバナはどうするんですか。
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タネを採って来年植えるんだ。
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染めるためですか?

いやあ、こればかりじゃ染められないよ。
植えるだけだ。
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ふうん。

ご寵愛のようで、そうでもないように見えての、
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ご寵愛。
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いい意味でも、別の意味でも、意味不明でも。

リバマ御大の言うことは、経験上、真に受けない。

そのたびに一喜一憂してはいけないことを学んでいる。
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ゆえに、また来ます。

平常心でお邪魔します。

定期券は買いません。
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話によると、生まれたのは5月のアタマ頃。
8人兄姉末っ子の出生届は、農家の繁忙期につき後回しになった。

帳簿上では、あしたが82歳のお誕生日。
おめでとうございます。
星占いはあしたの誕生日で見てますか。

特になにもしませんが、末永くお元気で。
ほんとに。
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早々においとまする。
だって、やることないもの。

日の高いうちに帰るって、いままでなかった。
いつも何やかんや忙しく、丸一日お邪魔していた。

去年の今頃は、この騒ぎ。
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やれどもやれども。

洗っても干しても。

終わらない夏だった。
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終わったけど。
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さあ帰ろ。
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リバーマウス、川口駅には半裸のお兄さんがいたのをはじめて知った。



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by kerokikaku | 2017-07-09 15:02 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 06月 19日
リバマ近況ー2
なんでまた。

ここリバマ紺屋に、科布があるのか。
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これはさ。

たいしたことないよ。

どうしてもって言うんで、染めるんだ。

これだけだからさ。
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以前付き合いのあった方面から、科布帯の染めを依頼されたらしい。

「名古屋のもやるんなら、うちのもやってくれ」

断りきれずに受けたのだ、と言う。

3反だけだ。
たいしたことない数だから。

こちらを見ないで繰り返している。

じゃあこれは?

紙布だな。
タテが絹でヨコが紙の紙布だな。
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これもだ。

たいしたことないよ、これだけだ。

背を向けて行こうとする。
この件について、話を終わらせたがっている。

が、そうは紺屋の足元ちょい濡れ三寸が卸さない。
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おいおい。

ちょっと待って。

田中紺屋「紺定」染布の取り扱いは、今後すべて名古屋月日荘
そういう話だったでしょうに。

TGから月日荘にバトンタッチしたじゃない。
バトンの影がうっすら残っているきらいはなきにしもあらずとはいえ。

ともかく、月日荘特約の専属って話でしょうよ。
なのに別の仕事を引き受けるなんてさ。

おう。

そりゃ、ないんじゃない?

仁義が通らないんじゃない?

だって、あれだけ多くの皆さんが最後の展覧会に来て下さったでしょう。
今後はボチボチ月日荘取扱いってことで、周知なんですよ。
田中さんの今後の染めを、みなさん生温かく見守って下さっているんですよ。
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月日荘を飛ばして、別方面で出すの、よくない。

そういうの、非常に、よくない。

黒幕からは遠隔電話、わたしはそのまま直接。
ダブルでがっつり諫言申し上げる。
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シュンとなった。

田中さんは人が良いやら悪いやら。
頼まれた仕事は受けてしまう。
断れないのが職人の性。

染用布は先方からの提供。
布集めの心配をしなくていいのだ。
いい生地だし、腕も鳴るだろう。

以前のお付き合いがあっても当然です。
おかげ様ももちろんある。

しかし。

僭越ではあるが、今となってはハッキリさせないといけない。

だめ、です。

困ります。

ただ、受けた以上はしょうがないです。
それだけはやって、今後は断然ナシにして下さい。
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播磨藍の調子がいい今、こっちの仕事をやらんでどうする。
レンテン白生地や切り株科布が控えているのだ。

優しい風で、結構きつく申し付け、リバマを後にする。

もう今日は染める気にならないそうだ。
朝の糊が落ちたせいだ。
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じゃあね、また来ます。
今度はレンテン帯地分1反、持ってきますね。

外ではベニバナが咲き誇っていた。
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TGのひとりから種をもらって植えたもの。
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「持ってくか」って。
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葉っぱを食べるには育ちすぎ。
染めるには少なすぎ。
タネを採ってもウチには植える庭はございません。

返事はない。

どんどんハサミを入れている。
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あ、そっか。

花ってものは、食べたり植えたりしなくていいのか。
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飾る、って手がありましたか。

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これって。

陳謝の意か、まさかのダンディか。

意味ナシか、はたまた、大いなる意味アリか。
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リバマの御大、正藍型染師 田中昭夫さんより、

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棘のあるお花を頂戴しました、ってお話。



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by kerokikaku | 2017-06-19 19:06 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 06月 18日
リバマ近況ー1
きっちり洗ったのに、なんとなく濡れっぽい。
洗ったはずの足が、湿っている。

梅雨だからか、なんなのか。

カラリと好天のリバマこと、リバーマウス川口へ。
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都合54回目の上陸、とカウントするのはやめにしたい。
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太郎焼に、夏バージョン登場。
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先を急がねば。
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この前日のこと。

某有力筋から、染用布の入手に苦労しているリバマ御大へ。
「手持ちの科布をお分けしたい」とご厚意の旨、黒幕より連絡が入っていた。

翌朝、クロネコ便で拙宅に届けてもらった。

届いたのは巨大な切り株。
ならぬ、豪華科布、しめてドカンと40m。

お察し通り、リバマに直接送らないのが、我々の賢明なテクニック。
手にしたら、一も二もなく染めちゃうんでね。

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東北方面で3-40年前に入手したという、ロール状の科布。
とうぜん手績手織、状態もかなりいい。

今後の「紺定」帯地用布として、喉から手の出る代物である。
そう簡単に得られるモノではない。

あぁ。

困った時は、必ず愛染様のご加護がある。
リバマ御大の恐るべし運の強さよ。
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よくぞキレイに残っていてくれた。
よくぞここまでたどり着いてくれた。

ご縁のありがたさで感涙にむせぶ朝であった。
必ずや有効活用させて頂くことを、リバマの遠方で誓う。

広げて見て、タマシイが黒光っているわたくしは、ひらめいた。
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40mぜんぶをリバマ御大に分けるのは、ちと惜しい。

黒幕自身も半分GETするよう、逆指名しておく。

あらためて言うまでもないが、黒幕こと津田千枝子は、あの、その、かの型染作家である。
次回、もしくは次々回の展覧会を、震えて待たれい。
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御大には電話で、科布購入OKの了解をとった。
「それはいいな」って。

でしょ、いいでしょ。
このあと、月日荘へ出す帯地にバリエーションが出ていいでしょ。

いちおうサンプルハギレをカットし、その足でリバーマウス川口へ向かう。
写メとかそういうの、届かない秘境につき、直に見せに行く。

素晴らしく良い動きだ。

だからか、洗った足が湿っているのは。
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こんな陽気だもの、張り切って染めているかな。
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そうでもなかった。
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「朝染めてる時に電話が鳴ってさ、気が散ってる間に、糊が落ちちゃったんだよ」

と、冴えない。
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あちこちガタで体の調子も良くないし、言葉も出にくいし。

と、冴えない。
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ああ、ほんとだ。

せっかくの染めなのに、糊が落ちてますね。
修正に手間がかかりますね。

「でも、電話が鳴ったせいなんですか?」と、聞いてはイケナイことを尋ねると
「糊のせいもあるかな」だと。
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そんな中でも朗報は、播磨藍の建ちが良いこと。

何より有難い。

それもこれも、まわりからのご加護なんですけど。
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さて。

先日遠隔指示してあった、レンテン白生地ハギレ試し染めはどうなったのか。
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うん、まあまあだな。
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なによ、上出来じゃない。

すごーくいい染めじゃないですか。
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クッキリ、バッチリ、新骨頂の「THE 紺定」の染めじゃないですか。

久しぶりに拝む濃藍色ですね。

「まあ、そうだな」
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って、どの口が言うのか、と、まず問いたい。

じゃあさ。

先のレンテン白生地、数反がうまくいかなかった原因は何だったんですか。

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それはもうハッキリしている。

精練のし過ぎだ、と言う。

貴重な白生地とあって、やたら気合が入りすぎた。
いつも以上に精練をし過ぎた。

よって生地にコシがなくなったのが一番。
さらに、藍が完全に建つのも待てなかったこと。
豆汁も残ってムラになり、慌てた染めになってしまったこと。
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まるで分かっていた風の発言だ。

あの時は善後策がサッパリ見当たらず「困った困った」と、右往左往のSOS。
こっちまで困らせたじゃない。

とは、言うまい。

じゃあ、後日レンテン白生地の本体、帯地分をお渡しします。
今度こそ渾身の染めでお願いしますね。

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すると、我が目を疑う光景が。

あのう。

それって、何ですか?

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今朝届いた科布は、拙宅にまだある。

まだ渡していない。

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なのでここにあるはずもない。

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じゃあ、精練している、この科布は何?


苦虫顔で続きます。




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by kerokikaku | 2017-06-18 19:48 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 06月 11日
シロヤギ
TG散会の会から10日経った。

この先こそ、好きにやってもらって一向に構わない。
正藍型染を、思うよう存分にやってほしい。

余計なお世話はいたしません。
故に、遠方安否確認の立ち位置で。

赤の他人ならぬ藍の他人。
そっと、生暖かく見守りますんで。

ただし、僭越ながら依頼していた案件が、ひとつだけあった。
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この春。

藍と糊と布などなど。
すべての不穏な要因が重なり、染めがうまくなかった。

つい、忖度。

ラオス・レンテン族の手紡手織の白生地を地下工作しておいたのだ。
某所有者を、アレしてナニした末、貴重な1反を極秘入手した。

「これからの染めのための、実験と確認」という意味のだいじな1反。

この行方だけは見届けさせて頂きたい。
「うん、そうだな」と合意したはず。
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様子伺いホットラインをしてみた。
1分以内のコールで出たのはラッキーだ。

尋ねてみると、82歳の脳内で、依頼案件は「しなくていい」ことに仕分けされていた。
「しばらく置いておくんじゃなかったっけ」との返事に大いに慌てる。

全く手つかずだと言う。
見てもさわってもいないと。

「うん、わかった」って、言ったよね。
「さわるなって言ったよね」って、言ってない。

「話が変だ」と、埒が明かない。

そのかわり、岡崎木綿の新しい染めをどんどん進めていた。
順調なのは目出度いが、僭越案件を放置されていたのは、良くない。
後先が逆。

・・・・・・・・・・・・・・

我ら僭越忖度組合。
鉄砲玉の御大に、貴重な白生地1反ぜんぶを渡さなかった。

帯地分5mは死守し、わざわざ持ち帰った。
「持ち帰る」ってところが最高レベルのリバマテクニック。

もう替えがない。
渡したら、すぐさま丸っと染めちゃうの、わかっている。

帯地分を取って、余った2mを半分に切り、1m×2枚のハギレだけを渡す。
そのハギレで実験染めしてほしい、ってわけ。

そうすれば、いまいちの原因が何か分かる。
今後の傾向と対策が得られる。

何度も何度も説明し、電話を切る。
だって、あの日も重々説明したんだもの。

すると数分後、電話が鳴る。
「あのさ」と。

実際にハギレ2枚を手にし、この非効率さをとうとうと述べ始めた。
染め以前の精錬に時間がかかるんだ、と。

何日もかかる、10日はかかる。
なので「すぐには出来ないのを覚悟してもらわないと」と、ずいぶんな言い分。

いやいや。

それを承知で僭越依頼してます。
何より今後の「紺定」の染めに関わりますんで。

ってことで、合意だったんですけど。
あれは何だったのか。

無用でなく、むしろ有効な作業なのだ、と繰り返し丁寧にお伝えする。

何度も何度も「時間がかかる」と、あちら。
何度も何度も「大事なことなんだ」と、こちら。
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わたしもしつこいタチだが、あちらもなかなか。

これは大事なこと、大丈夫、間違ってない。
けろたん、がんばれ、負けるな。

電話を切り、麦とホップの一気飲みで、なんとか息を整える。

するとまた電話が鳴った。
「自宅にも電話した?」って。

さっきまでケータイでやりとりしていた。
御大の自宅電話は着信番号出ないし、きょうはそちらへかけていない。

いま2回目のケータイ長電話を切ったばかりなんですけど。
「おっかしいな」と不審がっているが、それはこちらのセリフ。

なにがなにやら。

解き明かすことをやめ「いつかの着信が残ってたんですかね」と、ふんわり電話を切る。

ああ遠い目。


♪シロヤギさんからお手紙ついた 
クロヤギさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙かいた 
さっきの手紙のご用事なあに♪


誰もわるくない。
郵便局もしくは電話局の問題か。

来週もっぺん電話してみる。
手紙じゃ、むり。

てか、直接出向くのが有効か。



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by kerokikaku | 2017-06-11 19:37 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 05月 31日
リバマTG散会の会
あれは春三月、名古屋月日荘でのこと。

いわゆるひとつの「正藍型染師田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展」。
遠い昔のことのよう。

みなさま、その節はありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
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打ち上げ宴会がやっと出来る。
2か月以上も経ってしまった。

リバマ御大は、この日を指折り数えていたに違いない。
ただの宴会として、待っていたに違いない。
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宴会前につき、太郎焼は控える。
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田中紺屋へは、駅から30分バスに揺られる。

一部で有名となった「十二月田中学校」を越え、2017年5月田中学校が始まる。

耳タコ案件として、ここで降りてもどうにもなりません。
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最新版の表示になっていた。

じゅうにがつ、でなく、しわすだ。
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ハングル対応も済ませた。
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田中紺屋に着く。
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中では、黒幕と御大がアタマを突き合わせていた。
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月日荘展後もどんどん染めていた。
お察しどおり、やる気マックス。

色々あって切り替えた「播磨藍」は建ちがいい。

しかし、いまひとつうまくいかない。

そうSOSがあったのだ。
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藍が建ったらすぐ染められるよう、型付けしてあった反物。

「寒明け蒅」がアレだったので、昨年末以来、数か月放置せざるを得なかった。
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その後の「播磨藍」が建つやいなや、しんぼうたまらず染め始めたのは4月。

・はじめての「播磨藍」
・がまんできず、完全に建つ前に染め始めた
・いつもの岡崎木綿とは勝手の違う、ラオス・レンテン族の白生地
・型付けしてから時間が経ちすぎている 
・精錬の具合、等々

さまざまな要因が重なり、藍染め歴60年の型染師は染めに苦労していた。
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先週のこと。

「田中さん、糊伏せしてるんですね」
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新しく糊を炊いていた。
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「もう、やになっちゃったよ」
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先に薄藍で染めてみたものの、全体的に糊が落ちた。
それを補うための、修正につぐ修正。

田中紺屋のがっちり糊には、まずありえないこと。
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なぜこんなことになったのか。
御大も首をかしげる。

さらに手を酷使による腱鞘炎で指が曲がらず、仕事が思うように進まない。
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それでも、と包帯(という名の染めハギレ)を巻き、せっせと修正していた。

持ち手の壊れたカゴ同様、満身創痍である。

つい、見るに見かねてしまった。
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何が災いしたのか、何がよかったのか。
条件にもろもろの事案が重なった。

原因を探るため、あたらしい白生地がほしいが、もう有効な生地はない。
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そう。

TG忖度組合は、またやっちまった。

極秘ルートを使い、ラオス・レンテン族の白生地1反を入手。

やれやれだが、仕方ない。

「田中さん、これ1反しかないんだから、いっぺんに染めてはだめですよ。精練を変えたり、染めを変えたり、まずハギレで実験をして下さい。納得いってから本番の帯地を染めて下さい」

布を持って、この顔。

ありがとうも何にもないが、この顔でいいとする。
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そうと決まれば、問題ある反物の修正をやめることにした。
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せっかく丁寧な細かい型付けがしてあるが、あきらめて糊を落とす。

見るのもつらいが後追いはしない。
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「あのさ、レンテンの生地を藍染めする前は、ぬるま湯に漬けるといいんだよな。水ではよくないんだ。」
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へえ、そうなんですか。
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だからって。
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そのためだけに、あつらえますか。

バカでか容器。
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「奥のコンクリ水槽では間にあわないの?」と問いただしたいが、時すでに遅し。

排水口もないし、最後はどうやって湯を捨てるのか。
言いたいことはたくさんあるが、もう遅い。

知ーらない。
買っちゃった。
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長板が持ちあがらなくなったので、干し場の低い位置にサンをつけてもらったと言う。

暗すぎですが、わかりますか。
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そもそもはこちら。
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往時は、ほいほい持ち上げていた。
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リバマ御用達の大工さんに依頼し、追加のサンをつけたと言う。

真新しい、NEWサン。
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とにかく藍染めがやりたい。

年季で出来なくなったことも、なるべく出来るよう、最大限工夫したい。
その一心。
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そうこうするうちに、メンバーが集まり、近所のトンカツ屋へ移動。
TGと若い衆有志で、散会の会だ。

おしょうゆマイクで挨拶をもらう。

もぞもぞと何か言ったらしきあと、乾杯となった。
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さすがリバマのデフォルト。

なんでもかんでもたっぷり。
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色んな話をしていても、藍以外の話には1mmも乗れない御大。

ぼんやり、ふんわり。
しずかなものだ。

おとなしく食べる。
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そのキズ、どうしたんですか?

転んだか何だか覚えてないって。
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とにかくケガせず、やって下さい。

藍染めができなくなったら、どうにもならないでしょ田中さん。
これからは、、おっと、これからも大いにやって下さい。

お眠の時間だ。
さあ帰ろう。
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「その新聞、撮ったほうがいいんじゃない」って、TGより指令。

まさかの、一面「藍」ちゃん。
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うまく出来ていた。
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じゃ、ども。
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ありがとございました。



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by kerokikaku | 2017-05-31 15:28 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 05月 26日
田の字
はてさて、ある日のこと。

この方も「行く」っておっしゃるものだから。
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「いちおう11時に現場でね」

松屋銀座で開催中の「菅原匠展」に行こうと、ふんわりのお約束。
TG数名も集合予定。

リバマの年ごろ的に、11時ってことは10時の開店前から並んでいるんじゃないかと。
ヘタすると、9時頃から銀座で所在なげに突っ立っているんじゃないかと。
どうせ出ないリバマホットラインのため、前日確認はしなかった。

したらば、11時の会場に居なかった。

10分経っても、30分経っても現れない。
いまさらケイタイも自宅も、何度かけても出ない。
おかしい。

どこかでスッ転んでいないか、日にちを間違えていないか。

すっかり他人となった無関係者ではあるが、何となしに気になる。

1時間近く経ち、いよいよ菅原さんに事情を説明し、もし来たら電話するよう伝言。
会場を離れようとしたその時。

「あ、ども」って。

申し訳なさのみじんもなく、ぬうっと現れた。
あきらめて帰ろうって時、このタイミング。

藍のみじんもなく、ふつうのお爺ちゃんスタイルがやや好感度。

ケイタイなんか不ケイタイで、好感度は取り消す。
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年に一度、松屋銀座展で会う、藍キチ巨星のお二人。

先だっての「寒明け蒅」談義となり、外野のTGは耳ダンボで直立する。

「まあ聞けよ」
藍染研究者でもある菅原さんは、リバマ御大を小気味よく制する。

「田中さんは気が短いからやっちゃったけどさ、オレはねちっこいからね。あの蒅をちゃんと科学的に調べたよ」と。
さすが菅原さんは、わたしでも腑に落ちる明解な分析の元、具体案も得ていた。

「でも、素人には難しい蒅だったよな」

超絶プロであるお二人さえも、手こずった今季の阿波藍の蒅。
リバマ御大なんて早々に「こりゃだめだ」と放り投げた、後の祭りの代物だ。

「染物屋は、短気と横着がいちばんよくない」

菅原さんてば、名言すぎる。

田中御大は苦笑い。
我らTGは心の中で大拍手。

リバマ紺屋の門前に書いて貼っておきたい。
「横着」はともかく「短気」は太字にしよう。

唯一の朗報として、あの後建てた「播磨藍」は調子がいい。

「阿波藍」とは微妙に勝手が違い、日々の観察の末、2か月経って「ようやく播磨藍が分かってきた」らしい。
いまこそガンガン染めたいんだ、ってお話。

しかし、じつは用布に手こずっている。
それについては、まだ言えないので、後日の報告とする。

リバマ爺、おっとリバマ御大にお中飯を食べさせ、松屋へ置き去りバイバイする。
一人で来たのだから一人で帰れるよね。
TGは大きな意味でやさしい。

MUJIカフェに移動し、TG会議。
爺、おっと、リバマ御大のアレコレを、爺抜きで相談したかった。

MUJIカフェでは「このテーブルとってます印」として、漢字札がある。
「実」「葉」「山」「木」「種」など、自然に由来する一文字がテーブルの目印。

やれやれ。

うちらって、相当やられちゃってるね。

なんでたくさんある漢字の中で「田」なわけ?

言いたくないけど、田中紺屋の「田」っぽいね。
気付きたくもなかったよね。
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田中御大不在のなか、御大の善後策を「田」のテーブルで考えるって。

もう、リバマ案件から足を洗ったんじゃなかったっけ。

洗ったよね。
きれいに洗ったよね。

おっかしいな。




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by kerokikaku | 2017-05-26 20:16 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 05月 01日
タンゴの金太郎
あの日。
蒅に藍の殻と種が混じって、困り果てていたあの日
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特大ステン甕に藍を建てなおし、誰にも断りなしに昼間に一杯やり、
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奥の院から「こんなのあった」って、とある御大。

シレッと取り出したるは金太郎。
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子どもの腹掛け、というのは、まあ、建て前である。

とはいえ、実際に合わせてみれば、目出度いことこの上ない。
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使われることをどこまで想定してこしらえたかは疑問。

大店の旦那衆がシャレで「紺定」に作らせた、洒脱で酔狂なお遊びだ。

最上等の手紡手織木綿に、最上等のくっきり。
正藍型染の逸品。
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作って数十年、ころりとお忘れだった旦那はこちら。
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月日荘展でも、メインに掲げておいた。

残念ながら、もうありません。
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名品・金太郎をお持ちの、リバマ後方広報支援活動の前線部隊が動いた。

さて、なにが始まるのか。
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張り子を作るらしい。
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まさかこの子に着せるとか?
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下に敷くのでもなさそうで。
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ははーん、お見事。

そうきましたか。

染めてから数十年経ち、別のオトナの酔狂なタンゴが出来上がった。
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甘すぎず、辛すぎずの、絶妙な金太郎よ。

あのころの旦那衆や「紺定」本人にも見せびらかそう。
ふたまわりもみまわりもして、この解釈。
どーよ。

制作の過程はこちらから⇒丘の上から通信


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by kerokikaku | 2017-05-01 19:55 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(1)
2017年 04月 25日
リバマ忖度-その2
ここに、たっぷり切望派の御大がいる。
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気分よく、思い切りやるために、たっぷり&たっぷり&たっぷり欲しい。

リバマ紺屋のわがままだ。
たっぷり大甕1つの播磨藍でも、、ってこと。

あれだけ騒いだ阿波藍の寒明け蒅は、2俵ともよくなかった。
3甕仕込んでみたものの、使えない。

いまメインとなった播磨藍だって、既に完売しているところをツテを頼り、ご厚意で分けていただいた。

これ以上まわりを巻き込み、無理を乞うのは難しい。
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この話、ちょっと預からせて下さい。
黒幕と相談してあらためます、と軽くお茶をにごしておいた。

じゃ、梅酒の梅でもいただくとするか。
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これ、食べていいですか?
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去年のがあるよ、と出してくれた。
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いえ、わたしは実が好きなんで。
液体は田中さんがお飲みください。

なのに「ホレ、飲んでみ」と、お玉を突き出して
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続いて自分も飲む。
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いやだなあ。

固めの杯ならぬ、お玉ですか。
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去年の今頃いただいた梅の実は、ぜーんぶ美味しくかじりました。
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甘さ控えめ、濃い目で辛口の梅は、麦とホップのアテに最高だった。

次はジプロック持参にしよう。
わたしには、もらう権利が、きっとある。
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座敷にあった風呂敷はなんぞ?
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「同窓会で配ったんだ」
手紡手織、ヤール巾の中国木綿らしい。

いい記念品を作りましたね。
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筒書きか蝋防染?と野暮な質問をしてしまった。
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夢のように、これも型染め。

うーん、お見事。
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って、見せびらかしたのね。
くれるわけじゃないのね。

わたしの見えないところへ大切にお仕舞い下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もやっとしたまま、ほどなくリバマを後にした。
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さて、どうしようか。

蒅を分けてもらうよう、再度各方面へお願いした方がいいのか。

「手配してくれ」とは言っていない。

「欲しいんだよなあ」ってだけ。

常識的には足りているが、超々規定外のリバマが「欲しい」ってお話。


「これが最後の藍建て」ってなんだっけ。

「もう手伝わない」ってなんだっけ。


どうしよう。

どうしよう。

大きなお世話だが、藍一心の爺には有難いお世話だろう。

やっちゃうか。

いわゆるひとつの忖度ってやつ。

忖度が本業化しているリバマ用務員ってやつ。
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ここから先は早かった。

黒幕に相談すると「ああもう、しょうがないね」となり、まず黒幕より播磨藍の村井さんに連絡してもらい、3月にも分けて下さった都内卸先の藍染工房にお願いし、播磨藍1/3俵(1袋)移譲の快諾を得て、翌日速攻わたくしこと用務員が受取りに出向く。

さすがに10数キロで重い。
運びやすいようスーパーのカゴを工夫した有難いパッキングで待っていてくれた。

こういうご厚意、爺は分かっているのか。

近くのおばちゃん店で配送の手配。
翌日AMリバマ着、とうぜんのとうぜんの着払いで送りつけてみた。
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次の日も、その次の日も、リバマから連絡がない。

届いたとも、ありがとうとも、ありがたくないとも、何にもない。

別にどうだっていいが、よくもないので、こちらから電話するが通じない。

チッチッチっと、イラッチMAXの頃、電話がかかってきた。
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いやー、たいへんでさ。

大甕の入れ替えに丸2日かかって、さっき終わったんだ、と。

建っている播磨藍の大甕1つを半分に分け、新しい蒅も半分にし、都合2甕を仕込み直したそう。
ポンプであっちこっち大騒ぎの藍引っ越しをしていたんだと。

以下、想像画像。
今季何度目の作業なのか、数えるのも難儀。
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「受け取ったらすぐさま播磨藍の村井さんと藍染工房の方へお礼電話すべし」
着払い便に、そうメモを入れておいた。

アリガトゴザイマシタしか言えないし、言葉もつまるので、電話でなく手紙にしたんだという。
名案だが、それに半日費やしたのだと。

播磨藍の仕込みについて、この後の染めについて。
夢と希望あふれるリバマホットラインは、延々40分も続いた。

言いたいことはたくさんあるが、言葉が出にくくつまりつまり。
半分しか聞き取れない饒舌な秋田なまりで、生き生きと電話をかけてきた。
運よくおが屑も再入荷したとみえ、さらに嬉しくてしょうがない。

ふだんは時節の挨拶すら出来やしないのに、藍になるとこれだもの。

阿波藍から播磨藍。
勝手がだいぶ変わったという。

結局のところ「藍はやってみないとわからない」。
だからこそやりたい。

藍染め歴60年。
引退して復活した老職人は、今もって「わからない」藍と対峙しながら、ガッツンガッツン染めてみたい。

ああ。
真っ青な、青い、青い、青春真っ盛りだよ、まったく、そんたく。

「とにかく急かずに丁寧にやって下さいね」
リバマ用務員は不思議な立ち位置から、話の止まらない正藍型染師をなだめすかし、電話を切った。


うーーーーー。

やれやれーーーーー。
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わたしたち、いま、どんな関係性なわけよ。

あちらは意に介してないけど。

4月田中学校。
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とりあえず、回数券は買わない。

でも、たぶん来月も、5月田中学校に行くのだろう。



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by kerokikaku | 2017-04-25 19:16 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 04月 24日
リバマ忖度ーその1
ちょいとばかし、様子見に。

ちょいとばかし、リバマこと川口へ。
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「見に来い」とも「見て来て」とも、誰に頼まれたわけでもなくの、安否確認。

用務員の看板を、下ろしかけつつ、ぶーらぶらと。

予報は雨だったのに晴天とは、いささか不穏。
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リバマ案件に関わって2年半。
なんやかんやで、50往復していたことが判明した。

こんなことなら回数券を買っておくべきだった、と後悔してみる。
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播磨藍の仕込みから1か月半経った。

その後も、火壺を温めるおが屑の手配に苦慮しているらしい。

おが屑がなければ、温められず、藍の建ちも遅い。
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大甕なので、2日に1袋を消費する。

おが屑は、どれだけあっても足りない。
だましだまし温めつつ、なんとか建ってきた。

月日荘展は終え、この先急ぐことはないのは、御大も承知のこと。

しかし、ほかに何が出来よう。

型付け済み反も、TVの前でスタンバったまま。
待てと言うほうが無理な相談だ。
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だよね。
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染めてるよね。
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水槽にも数反あった。
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藍取りしたり、墨や顔料で色を入れてみたり。
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いろいろやったんですね。
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うん、そうだな。
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例の、谷さんのレンテンの白生地は染めたんですか?

うん、これ。
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わー、よかったよかった、グッと濃い藍で染まりましたね。

実を赤くしたり、松葉に墨も入れて、いいですね。
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「ほんとは、ここに藍取りをちょっと入れたかったんだけどなあ」
と、どこまでも高みを目指す職人の発言。

阿波藍から播磨藍に変えたことで、藍それぞれのクセを把握しないといけない。
把握するには染めないとわからない。

はじめての播磨藍。
試染めが、そのまま本番という、おそろしさ。

ちなみに、こちらは岡崎木綿。

型付けから時間が経ったせいか、生地端の糊が少し落ちたのが残念だが、仕方ない。
カラフルで可憐な文様だ。
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「ここも藍取り、もうちょっとやりたかった」

と、ぶつぶつ。
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しかし、こうして見ると、レンテンの白生地は藍の染まりが強いですね。

生地の力強さが染め色にも現れていますね。
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播磨藍で仕込んだのは、大甕に1つ。

あとの3つは阿波藍だが、今季の藍具合では「紺定」の染めに使えない。
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「いい藍が1甕じゃ足りないんだよなあ」

あと一声播磨藍があれば、大甕もうひとつが建てられると言う。
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この大甕1つの播磨藍では足らないですか。

足らないんですよね、きっと。
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ふと、外を見る。

これだけリバマに通っていて、いま気が付いた。

「あんなの、ありましたっけ」

「うん、前からあった」
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藍甕用の大谷焼。

割れた甕には草が繁茂している。
使用中の3石の大甕よりデカい。

それよりデカいとなると4石の甕か。
見たことも聞いたこともない。

手前のはモルタルで補強してある。
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そうか。

うっかりしていた。
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このヒト、なににつけ「たっぷり」なのだった。

なんでも1個ではすまないヒトだった。

藍のために、要るものは、たっぷり、惜しまず。

たっぷり・たっぷり・たっぷり派だった。
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板場の奥に鎮座する、岡崎木綿のヤール巾、白生地もそうだ。
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向こう100年分、手配してあったんだ。
それも30年程前に。

精練するだけで100年かかりそうだけど、いいんです。
たっぷりなくっちゃ、不安な人種。

まあ、そのおかげで。
手間も材料も一切惜しまない「紺定」イズムの染め布が出来上がる。

「たっぷり」がキモで、キーワードでもある。
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「とにかく、染めてみないと始まらないんだよ」

リバマ理論でいくと、播磨藍”たった”1甕ではこころもとなく、物足りない。

「だって、染めなきゃ、しょうがないでしょ」だって。

しょうがないってどのクチが、と思わなくもないが、そう言われちゃ返す言葉がない。
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さあて、どうするか。

続きます。



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by kerokikaku | 2017-04-24 22:13 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 03月 24日
開けたら閉める、あの日の思い出
会期中の朝。
月日荘へ急ぐ足を止め、何度通いつめたかわからない、トップフルーツ八百文。

ピンクのスタッフジャンバーを、わたしも羽織りたかった。
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あまりに感動し、店内もジュースも撮れていない。
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なので、レポートとしてはアレですが、けろ企画的どストライクなタマランチ店。
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思いの丈が、90度回転して横にはみでてしまったところとか。
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月日荘ご近所MAP」アピールがうまくいかなかったことが、かえすがえす心残り。

勢いあまって500枚刷ったんだけどなあ。
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手打ちそば菊園や、菓匠花桔梗や、味噌煮込みまことや等々。
行かれた方からはイイネを頂戴したけれど。

渾身のご近所MAPは月日荘の玄関に、まだたっぷりございます。
4月の月日荘は変則OPENですので、ご確認の上お出かけ下さい。

MAP改訂時には、こちらも入れてもらおう。
店名からして、名店の予感がプンプン。
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日々の心のよりどころは、もっちり植栽だった。
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わっちゃかしていた初日。
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レジの列を気にしつつ、ご容赦願ってパチリ。

2015青山でお求めの、豪華科布と韓国手績麻ハギレを、クラッチと巾着に加工してお使いだった。
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わお、まさかの科布トート。
お見事な活用事例。

「コラボの若い衆」にスカウトすべきところが、一足遅かった。
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鳩車様は、御大&TGと偶然同じホテルにご宿泊。

鳩車だけあって、一旦お帰り後、踵を返して一日二度のご来場はあなただけでした。
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御大、タブラを叩いているのではありません。

よいこらしょっと立つ直前。
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トミーかばん&うす藍前掛けを、そのままお召しでお帰りのオシャレ番長。
関東からのお出かけでした。
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意味がありそで、なさそで、やっぱりありそな、奥深い背中2体。
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撮影はTG幕田くん。
奥には紅型工房くんや冝保氏ことギボッチ。

そんなこんなで、トップなジュースを朝飲んで、日が暮れた一週間。
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虹を写すのは難しい、と知った。
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うっかり長居をしたおかげで、展の翌日は甥っ子の卒業式に出席できた。

「たのしかった、修学旅行」「修学旅行」
「みんなで泊まった、林間学校」「林間学校」

おもしろすぎて前のめりだった、無関係者なオバのわたくし。
親が居眠りしていたのを見逃さなかった。
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開けたら閉める。
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2回も言われては。

閉めます閉めます。




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by kerokikaku | 2017-03-24 12:41 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(5)