カテゴリ:正藍型染師 田中昭夫( 119 )

2017年 02月 26日
ただいまの藍状況と、コラボ品チラ見せ
もろもろ、いろいろ、ありました。

昨年秋からのこと。

→「月日荘展、決定」
→「どんどん染めたいのに藍が薄い」

→「寒明け蒅を待つ」
→「待てど暮らせど来ない」
d0182119_11583922.jpg
→「イライラMAX」
d0182119_12140712.jpg
→「やっと届いた」
→「すぐさま仕込む」
d0182119_12162031.jpg
→「ヘンなカスが浮く」
→「辛抱限界」
d0182119_12173895.jpg
→「ついに、ステンレス大甕にも仕込む」
d0182119_12193375.jpg
→「藍が建った」
→「ギリギリセーフ、月日荘展に間に合う」

以上、感動的で優秀なシナリオ。
d0182119_12225847.jpg
のはずが、最後2項は、夢となる予感。

→ 「藍が建った」 →「藍が建たない」
→ 「ギリギリセーフ、月日荘展に間に合う」 →「慌てず騒がず、うまく建った段階で、紺定らしい渾身の染めをする」
d0182119_11541348.jpg
に、差替えをお願いします。


あの藍の種の殻が、どのように沈むか実験してみた。
茎もけっこう混じっている。
d0182119_12334338.jpg
3日後も浮いていた。
d0182119_12335838.jpg
おかしい、おかしいと、藍液を混ぜながら弱り切っている。

「こんなに赤くちゃダメだ、青くならないんだ」
d0182119_12372259.jpg
見かねた黒幕が来訪し、アルカリ度数を測る。
d0182119_12364481.jpg
大谷焼甕3ツ、ステンレス大甕1ツ、計4甕。
どれもこれも高すぎる。
d0182119_14000976.jpg
試し染め。
d0182119_12411196.jpg
いくらなんでも、ありえない。
d0182119_12431038.jpg
ぜったい早まらないよう、重々言い聞かせる。
d0182119_12431942.jpg
藍こそすべて。
藍だけが生きがい。

もっともっと、染めたい。
正藍型染師 田中昭夫、ウソのない、ただいまの心境です。


御大を筆頭に、みなさまどうか、気をお確かに。

月日荘展用の帯地反物、すでに50本以上ございます。
切売りカット反もご用意しています。

足りないわけではありません。
むしろ多い位です。

そして、若い衆コラボ品が続々と仕上がっていることもお忘れなく。
でらごっつ、イイんです。

月日荘展まで、随時チラ見せして参ります。


まず、服飾作家クチル・ポホン井上アコちゃんのポーチが追加されました。

ウラ地の使い方がクチルポホン。
ふたつと同じ組み合わせがなく、ニクさ満点。
d0182119_13273115.jpg
金工作家小原聖子ちゃんのアクセサリー。
布に目のない、聖子ちゃんらしいあしらい方にドキっとする。
d0182119_13295844.jpg
紙造形の宮下香代さん、モビール作品だけでなく小箱も追加してくれました。
d0182119_13363611.jpg
ちんぴはぴんち。

ピンチはパンチ。


リバマ is 不安タスティック。

リバーマウスの中心で、藍を叫ぶのも、あと10日とちょい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





[PR]

by kerokikaku | 2017-02-26 22:35 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(3)
2017年 02月 23日
叱られて、建てて、飲んで、金太郎-2
まず、甕底にすこし残った澱を吸って、キレイにするのが先だ。

水で薄めてポンプで吸いだしたい。

ヤール巾&インド120cm広巾用のステン甕。
いま染めたいのは帯地小幅、半分の水量で十分。

柄杓を立てて、この深さ。
d0182119_20155774.jpg
「よくこんなこと、やってきたよね」

「うん」
d0182119_20160628.jpg
あのポンプが出動。

重いのなんの。
d0182119_20165192.jpg
キレイになったので、本番の水を注入。

この甕だもの、たまるまで時間がかかる。
d0182119_20163379.jpg
わっせわっせ、走り出した。
d0182119_20180597.jpg
甕を温めたい。

火壺におが屑を、はい、入れて。
d0182119_20175258.jpg
甕もデカいが、火壺もデカい。

おが屑、しめて3袋。
d0182119_20181711.jpg
火を投入。

何年ぶりかで、ステンレス甕の火壺に火が入った。
d0182119_20185320.jpg
ステンレスの特大特注藍甕の設置も、御大がひとりでやった。
地面を深く掘り下げ、火壺にする周りをブロックで固め、横に3ツの甕を並べてある。

この甕で建てるのは、それこそ最後だろう。
緊急事態の、さらに特例だ。
d0182119_20191659.jpg
落ちれば、水没か火あぶり。

もはやわたしの足元も立場も危ない。
d0182119_20174092.jpg
ワイルド作業のあとは、こぼれたおが屑をしずしずとキレイにする。

仕事は緩急。
d0182119_20211689.jpg
バケツですくいながら、一俵まるごと蒅投入。
d0182119_20193541.jpg
フスマも2升投入。
d0182119_20195240.jpg
石灰も投入。
d0182119_20202066.jpg
雪景色。
d0182119_20220963.jpg
オレオMIX。
d0182119_20223414.jpg
深いので、動作もゆっくり。

蒅が水になじむように、確実に混ぜ込んでいく。
d0182119_20222443.jpg
先だっての3ツの大甕は「誘い出し」で仕込んだ。

今回のステン甕は、まっさらから。
これが世に言う地獄出し。
※藍建てテクニカル部分にご興味の方はこちらから→ 
季刊「染織と生活」第10号 94ページ


どちらか上手く建った藍で、染める。
「紺定」の藍になってから、染める。

勇み足はご法度、ぜったいダメ。
あの反物群には、しばらく待っていてもらう。


あっちもこっちも、火壺から煙。
紺屋らしいにおいでいっぱいになった。
d0182119_20234052.jpg
「ああくたびれた」

椅子にストンと座ったすきに、布茶が混ぜ棒を持つ。

この長さと浮力と蒅の重さで、バランスのとりにくい代物。
力仕事なのだと、よくわかる。
d0182119_20232767.jpg
半分量の予定が、8割っぽいが黙っておいた。


急な大仕事が終わった。

しばらく待つのは同じだが、ずいぶん気も晴れただろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼もとうに過ぎた。

近所の定食屋へ。
大騒ぎで、おなかがペコペコだ。


隣でひとり、こっそり何かを注文するヒト有り。

うちらに、何の断りもなし。
d0182119_20235029.jpg
これだもんなあ。
d0182119_20240050.jpg
やれやれ。
d0182119_20240742.jpg
引退宣言した2014年秋のこと。
d0182119_12272883.jpg
立派な精練窯も、役所に煙の文句を言われ、イヤになって捨てた。
d0182119_12151530.jpg
川にせりだした桜の木。
ついでにとがめられ、勢いでぶった切った。
d0182119_14442185.jpg
その桜が、芽吹きはじめた。
d0182119_20243302.jpg
今日、ひとつ咲いていた。
d0182119_20245111.jpg
御寵愛のバラは、まだ。
d0182119_20251070.jpg
いや、咲いていた。
d0182119_20251997.jpg
黒幕が帰り、座敷で事務作業にいそしんでいる時。

「これも出したらいいよね」
d0182119_20253291.jpg
って、どの口が言うのか。

何度尋ねても「もうない」って。
「これ以上探しても、昔の染めはもうないよ」って。

百万遍のやりとり攻防の末、また出たんか。

ひゃー。
d0182119_20261457.jpg
酔狂に作ったという、こども用の腹掛け。

「金」と「宝」のリバーシブル。
d0182119_20260038.jpg
いくら若い衆でも、サイズ小さめ。
d0182119_20255287.jpg
濃藍くっきり、上等の木綿生地。
キレッキレのみごとな糊際。

まごうことなき「紺定」仕事だった。
d0182119_14063527.jpg
さらに詰め寄る。

「もうないよ」と、逃げた。
d0182119_20262390.jpg
誰が信じるものか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




[PR]

by kerokikaku | 2017-02-23 14:28 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 02月 22日
叱られて、建てて、飲んで、金太郎-1
寒明け蒅のツブツブ事案もあり、ただただ焦る、田中紺屋。
d0182119_20094124.jpg
月日荘展まであと2週間。

藍の色は悪くないが、建つにはまだかかる。
一週間か十日か、どうか。

待つしかない。
d0182119_20103075.jpg
ひまにさせてはいけないという、TG心。
展示に使えそうなカゴを「洗っといてください」と宿題を出しておいた。

次に来ると、ちゃんと洗ってあった。
d0182119_20105253.jpg
洗い方は豪儀。

あの精練窯で湯を炊き、ぶっこんで洗ったそうだ。
d0182119_21514948.jpg
持ち手のこわれたところは、ワイルドに継いで
d0182119_21482025.jpg
リボンで隠しておいた、って。
d0182119_20111090.jpg
かわい子ちゃんですね、と答えておく。
d0182119_20111640.jpg
本日は遠路真鶴よりTG布茶もヘルプに来た。

「こんなに終わっていたんですね」

今や遅しと、山になった型付け済み反物。
ネズミ害避難のため、オンジの部屋に寝かせている。
d0182119_22123616.jpg
先に薄藍染めし、糊を置き直し、さらに染める反物は、田中紺屋の新骨頂「幾何学紋」だ。

藍染の不変意匠は唐草文様だが、このあたりの大胆柄は「紺定」オリジナル。
同じように見えて、違う型で2反。
d0182119_20133344.jpg
布茶の首元が気になる。
d0182119_20141674.jpg
薄藍かわゆす「大」だ。

先取りゲットではなく、モニター使用の一環だろう、きっと。
d0182119_22234680.jpg
「あのさ」と、もじもじしている。

「オレの感じじゃ、いま建ててる藍は、待っても濃くならないと思うんだよね。だからさ、もう染めちゃっていいよね」
d0182119_20263458.jpg
何を言い出す、この御大。

あれほど黒幕から「慌てた仕事をしないよう」念押しされたのに、この発言。

「間に合わせたいのはわかるけど、それをしちゃダメですよ、黒幕に叱られますよ」

すると、なまくら返事で藍をかき混ぜだした。
我々さえいなければ、反物をいますぐ放り込みたい。
d0182119_20104403.jpg
奇跡のタイミング到来。
あらわれたのは、我らが黒幕こと、型染作家 津田千枝子だった。

「藍の調子はどう?建ってる?」
d0182119_20143140.jpg
ハギレを藍につけた。
d0182119_20143838.jpg
だめよ、まだ建ってないわよ。
d0182119_23484445.jpg
日直2人は、黒幕先生に駆け寄る。

「センセイ、さっきね、ダメって言ったのに、染めようとしてたんですよ」

大目玉の田中君であった。
d0182119_20145046.jpg
今までの田中さんなら、こんなに焦らない。

いちおう最後だから、楽しみな人達がいるから。
気ばかり走る。

型付けは出来ているし、やれることもないし、時間もない。


すると、ぽつり。
「残りの一俵も、これに建てようかな」

「そうだね。どっちかが建ったら染められるし、建ててあってもいいもんね」
黒幕が返した。


先だっての寒明け蒅は、2俵100kg。
d0182119_00095387.jpg
うち1俵は、3ツの大甕で使いきった。
d0182119_00131565.jpg
残り1俵はキープ中。
べつに、建てたって構わない。

でも「これに建てる」って、どこに。

水甕祭のあのステンレス甕しかない。



迷いも躊躇もなんにもなさすぎて、何が始まったのか、しばらくわからなかった。

黒幕と御大は、阿吽の呼吸で動いている。
d0182119_20151081.jpg
なんだ、なんだ。

何が始まったのか。
d0182119_20153544.jpg
おーい、愛染様。
たいへんだよ。

また藍建てが始まっちゃったよ。
d0182119_20145950.jpg
続きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





[PR]

by kerokikaku | 2017-02-22 16:38 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 02月 21日
そうは紺屋が卸さないー2
うまくいかない「寒明け蒅」の藍建て。

余計なことをして、藍がダメになっては大変だ。

御大を、しばし藍甕から離すのが賢明か。
d0182119_12405512.jpg
この日はゲストサポーターが駆けつけてくれた。
文字通りの「若い衆」。

骨董市や古本屋を巡り、とうに廃刊の藍染め文献を根こそぎ蒐集、愛読しているツワモノ。

2年半前の自宅紺屋展ツアーからのキーパーソン。

どちらも、ちょいとした変人です。
なので気が合うんです。
d0182119_11342827.jpg
本日のメイン作業は、帯地反物の計測。

若い衆と用務員。
サイズを測ることはできるが、その後が不得手であった。
d0182119_19382355.jpg
「田中さん、もしよければ、反物を巻きなおすの、手伝ってもらっていいですか」

気を紛らわせるにはこれしかない。
御大は、こういう作業も得意とする。

案の定、おとなしく手伝ってくれた。

丁寧仕事は、やはりうまい。
みるみる巻き直してくれた。

手が早く、仕事がすぐに終わっちゃうのがやや難点。
d0182119_19383502.jpg
いま、甕場は、立ち込めた煙でもうもうとなっている。

藍甕を温めるため、火壺で炊いているおが屑の煙だ。

甕場だけでなく、別室にも煙は入ってくる。
ここにいると、ものの数分で燻られる。

リバマでは、染め布だけでなく人間の燻製も出来上がる。

ファブリーズなど生易しいものでとれない。
帰りの電車で身を縮めるほど、強力スモークされる。

自宅へ戻ると、リバマを思いつつ、速攻で洗濯機を回すのが通例となっている。
d0182119_10454341.jpg
さて、日も暮れた。
リバマを辞す。

なんとも歯切れの悪い一日だった。
d0182119_19384750.jpg
帰り道、この非常事態を、黒幕こと型染作家 津田千枝子に相談する。
黒幕でさえ、このツブツブは分からないとのこと。

藍建て数日は、一日一日がデリケート。

翌日、黒幕はすぐさまリバマへ赴いてくれた。

第一に、ツブツブの正体を突き止めたい。
第二に、慌てたことをしないよう、御大を説得する。

これは何か。
蒅に何か混ざったのか。
d0182119_19375409.jpg
黒幕いわく、これを乾かして解明できたと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

寒明け蒅は、パッと見、やわらかで細かな腐葉土タイプ。

よくよく観察してみたらしい。
d0182119_12380666.jpg
アイツだ。
d0182119_23353394.jpg
さすが名探偵クロマク。

ツブツブの正体は「藍の種の殻」だった。
「種のまま」も少量混じっていた。
d0182119_19555073.jpg
ちなみに、去年収穫した藍の種がこちら。
d0182119_19555738.jpg
ですね。

少し考え、よく見ればわかることだった。

とはいえ全くの想定外。
藍の種の殻が混じるなど、あるはずのないこと。

正藍蒅を建てて45年の田中紺屋。
甕一面、大量のツブツブ出現に困惑した。
慌てるのもしょうがない。

阿波徳島の蒅事情も、変わってきているのかもしれない(これはまた別の気掛かりな問題)。

なぜ今なのか。
愛染様の思し召しか。
d0182119_11314971.jpg
正体が知れれば、多少は安気。
そのうち底に沈むだろう。

「殻入りの蒅」となると、その分、蒅を足したほうがいい。

石灰などでアルカリを高くしすぎると、建つのに時間がかかるので要注意。
余計なことはしてはいけない。

以前、御大は「藍は分からない」と言っていた。
ベテラン藍染師でも、あぐらはかけない。

世話が焼ける。
だからかわいい。


ともかく。
納得のいく仕事をするのが「紺定」の使命だ。

3月の月日荘展が目標ではあるが
*万が一、間に合わなくても仕方ない
*慌てた仕事をしない

黒幕にそう指図され、うなづいていた。
時間がかかろうとも「紺定」印の付けられる仕事をするべきだ。


楽しみにしている皆々様におかれましては、震えて待たされてばっか。
でもきっと、この緊急事態をご理解頂けると信じている。


【田中紺屋「紺定」の最重要ミッション】

-慌てた仕事をしない
-渾身の染めをする

これしかない。

d0182119_13095273.jpg
つるりと簡単な染めなんて、そうは紺屋が卸さないのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




[PR]

by kerokikaku | 2017-02-21 18:46 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 02月 20日
そうは紺屋が卸さないー1
世紀の寒明け蒅到着より3日目のこと。
d0182119_20442581.jpg
もろもろの用務員作業のため、リバマ再訪。

リバーマウスこと川口、とくれば名物太郎焼。
1個150円。
d0182119_22055473.jpg
田中御大は、新しい藍で1反でも多く出したい。
いちおう「最後」と本人も理解している。

月日荘展まであと3週間。
時間がない。

2月田中学校は忙しい。
d0182119_19273753.jpg
かわいいかわいい、藍さまのお世話か。
d0182119_19294248.jpg
「今回は急ぐため、蒅のカタマリを手で潰して混ぜ込んでいく」とのこと。
d0182119_19314091.jpg
これのことですか。
d0182119_19321488.jpg
たしかに、一面、何かで覆われている。
d0182119_19342389.jpg
布について、染めムラになっては、たまらない。

藍液に混ぜ込んでいきたい。
d0182119_19335970.jpg
ザルですくい、カタマリを手で揉んで潰している。
d0182119_19340667.jpg
「たいへんですね」

3日前が初蒅の用務員は、藍建て作業を見るのも初。

こういうものかと思った。
d0182119_22185395.jpg
御大はデリケート作業中。

お邪魔にならぬよう別室に退こうとすると、首をかしげかしげ、冴えない声でつぶやいた。
d0182119_19345600.jpg
「こんなにカスが残るのはおかしい、はじめてだ」

「ふつうは、揉めばだいたい混じって、なくなるんだ」

じゃあ、なんですか、これは。
d0182119_09521922.jpg
大量のツブツブしたものが潰れない。

こいつが邪魔をする。
d0182119_19375409.jpg
藍染め歴60年、正藍で45年以上。
ベテラン藍染師が弱りきっている。

こんなはずじゃないらしい。
d0182119_09591556.jpg
キリなく浮いてくる物体を、ひたすらすくう。
d0182119_19351405.jpg
大甕が3ツ。

朝も早よから地道な作業。
荒目・中目・細目、3種のザルを駆使していた。

今やれることは、ほかに何もない。
d0182119_19353471.jpg
困ったビームが、こちらにまで伝わる。

厳戒、ピリピリ。
d0182119_21583102.jpg
甕場を離れて、のぞき見にチェンジ。
d0182119_22014265.jpg
ハギレを試染めしていた。
d0182119_19361133.jpg
苦虫。
d0182119_19361914.jpg
ど、どうですか?

ついぞ声をかける。
d0182119_23002021.jpg
「ぜんぜんダメだ、おっかしいなあ」

「でもまあ3日目だしな」
d0182119_19371100.jpg
自分で自分をなだめている。
ムチャクチャ焦っているのが分かる。

無理もない。
あれだけじらされた「寒明け蒅」がうまくいかない。


・不審な大量のツブツブ
・藍色がうまく出てこない


当方、ただの用務員。

苦虫顔を見て、オロオロするのみ。

みょうな慰めはいらない。
的確な善後策だけが必要だ。
d0182119_19323070.jpg
ああ困った。

困ってばっかりだ。

心穏やかな平安日は、いつになったらリバマに来るのだろう。
d0182119_22185395.jpg
続きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




[PR]

by kerokikaku | 2017-02-20 22:07 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2017年 02月 17日
名古屋マラソンとホテル事情とご近所情報
3/10(金)-16(木)名古屋の月日荘で「正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展」。

10(金)11(土)は、御大こと田中昭夫&TG、そろい踏みで皆様をお迎え予定です。

TGとは田中ガールズの略、という風説の流布。
ガールがひとりもいないという重大事実に、田中ゲリラ部、の略だと訂正したい。
TGBをさらに略してTG。
たけし軍団。


TGは、昨年11月時点で名古屋の宿を予約していた。

しかしどうやっても3/11(土)の夜が取れなかった。
エクザイルor嵐効果かと、不審に思っていた。

ようやく満室事情が判明。

3/12(日)は名古屋マラソンがあるという。
前日3/11(土)は、名古屋のホテルがのきなみ空ナシ。

やられた。

田中昭夫に関わる案件は、いつだって万事休す。

あ、待って、待って。

どこからも遠くて近い、日本の真ん中、名古屋。
わざわざ行かない都市ランキング上位という、ある意味レアなセンターシティ名古屋。

ほどほどの本州なら日帰り圏内ということ、どうかお忘れなく。

名古屋城本丸復元工事が見られる大チャンスのこの機会。
どさくさ名古屋はどうでしょう。

コーヒーカジタは3/11-12-13やっています。
でーらナイスでかん。

日帰りより、せっかくだし泊まっておきたい場合。

すばらしい心意気です。
ご近所泊という選択肢がございます。

●伊勢
名駅(名古屋駅の略・めいえきと読む)から近鉄特急で、いっそ伊勢泊はどうでしょう。
お伊勢さん参りとおかげ横丁。赤福本店と伊勢うどんを外してはいけません。
遷宮でも正月でもない、今こそツウの伊勢。

●常滑
名駅より名鉄特急、セントレア中部国際空港方面、常滑下車で苗族刺繍博物館があります。
セントレア利用の飛行機が楽チン。
開館は原則火水木なので3/11(土)はやっていませんが、タイミングさえ合えば強くお薦めしたい名スポット。
※常滑駅前ホテル、3/11(土)満室でしたがほかの日は空有り。
1日1組(4名まで)の完全予約制。このハードルを越えたあなただけが味わえる、ミズヨ館長直々のとびきり丁寧で愛ある解説と、美しく繊細な苗族刺繍の世界を是非。
以前伺った時のレポートはこちら
TG布茶の名レポートならこちら

●四日市
名駅から近鉄急行で30分。意外と近い穴場だったりします。
現在3/11(土)空室多し。がんばれ四日市。
四日市駅から一駅の川原町駅BANKO archive design museumは内田鋼一さんが企画した万古焼のミュージアム。お向かいはホテルルートイン
そこから歩いて橋を渡ってちょい先クライミングホームUNOでボルダリング壁のぼりも酔狂でしょう。
シューズレンタル体験コースでひと登り。わたくしの義弟がやっております、笑。
同じく四日市駅から近鉄湯の山線で2駅、伊勢松本駅メリーゴーランドは絵本界で知らぬ人ナシ。
3/11(土)の四日市コンビナートのクルーズは満席(おまえもか)ですが、23号線霞ヶ浦方面へ行けば夜景はバッチリ望めます。
長島温泉は3/11(土)泊が怪しいので、さくっと桑名で泊まってバスで長島もオシャレだな。

●多治見
3/11(土)ホテルは残僅少で注意。しかし情報として押さえたい。
多治見ギャルリももぐさで「暮らしの造形展 Ⅶ 岩谷 雪子 冨沢恭子」が、月日荘会期まるかぶりで開催中。
そうです。我らが柿渋トミーこと、MAD MAX TOMMYこと、田中昭夫コラボ若い衆のひとり、冨沢恭子さんの展示です。
トラネコボンボンごはんもあるとか。
月日荘→ももぐさのハシゴでどうぞ。


こうやって、名古屋行きを必死のパッチでお薦めしているのに。

なんだろう。
3/11(土)泊が、いかんともシリツボミ系。

大きな力に包囲されている。
大きな大きな名古屋マラソン。
車でお越しの方は、そういう意味でもお気を付け下さい。

もう一度申し上げます。

3/11(土)以外なら空いているんです。
ガラガラとは言いませんが、ガラガラです。

3/11泊じゃなきゃ来ても大丈夫だぜ。と声高に、声をひそめる。

気をお確かに。

強い意志を持って。

だいじょうぶ、あなたなら。


おい、わたしら。

こんなことで、だいじょうぶなのか。
あかんの、ちゃうか。


会期近くなりましたら、月日荘界隈グルメスポット情報を垂れ流します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





[PR]

by kerokikaku | 2017-02-17 13:42 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 02月 16日
寒明け蒅、届く-2
さぁ、甕は3つある。
d0182119_20551167.jpg

つぎつぎにやる。
d0182119_14085614.jpg

ひと甕に、ひとバケツ分を入れる。
d0182119_14094201.jpg
蒅は底に沈まず、上に浮く、ということが意外だった。
d0182119_14114873.jpg
3甕に1俵のほとんどが入った。
よく藍を食う甕だこと。

一見、土を撒いたよう。
バラでも植えてみたい。
d0182119_14123081.jpg
棒を使い、ゆっくりしっかり混ぜていく。

手元で蒅を練り、溶けやすくしてから甕に入れる、というレベルではない。
(今回はとくに急ぐため、このあと塊は手で潰して混ぜ込んでいく)
d0182119_14132802.jpg
このひと、正藍型染師 田中昭夫。

すべてが規格外と思って正しい。

この長くて太い混ぜ棒は売ってないし、とうぜん自作。
甕だけはつくれないが、甕場の建物、ちなみに自作。
d0182119_14152812.jpg
自分の求める藍仕事がやりやすいよう、工夫を重ね、ひとりでぜんぶ作ってきた。
誰のためでもなく、藍のため。
d0182119_14174446.jpg
おっと、この動きはなんだ。
d0182119_14220476.jpg
とうの昔に手配していたフスマだった。
d0182119_14241326.jpg
測りは升で。
d0182119_14245556.jpg
藍さま、ごちそうだぞ。
d0182119_14260980.jpg
ほれ、美味いぞ。
d0182119_14265028.jpg
しっかり混ぜる。
アルカリ分は十分効いている。
d0182119_14273523.jpg
藍色に見えるけど、まだ建ってないんです。
d0182119_14281592.jpg
元のエキスがいいから、建っているように見えるが、これからが勝負だ。
d0182119_14284573.jpg
一気にやったなあ。

さあ、おしまい。
d0182119_14293285.jpg
じゃなかった。

真ん中の火壺のふたを開けた。
d0182119_14303381.jpg
かわいいかわいい藍さまを、ぽかぽかに温めなければ。

火壺におが屑はとっくに入れてある。
d0182119_14311037.jpg
ああ、世話が焼ける。
d0182119_14321006.jpg
ああ、うれしい。
d0182119_14324332.jpg
これにて蒅の仕込みは完了。

あとは数日、せっせと世話を焼き、藍が建つのを待つ。
なにとぞ上手く、早く建ちますように。

ようやく窓辺で一休み。
d0182119_11301831.jpg
ではない。

おが屑で藍場全体がいぶられ、煙でもうもうだった。
換気のため、窓を開けたのだ。
d0182119_14350779.jpg
田中昭夫の行動、どれもこれも100%、藍に結びつく。

藍への純心。
d0182119_11284995.jpg
とんがり帽子の燃えたぎる巻き返しだ。

さあ、一緒に。

震えて待とうではないか。
d0182119_14401074.jpg
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




[PR]

by kerokikaku | 2017-02-16 13:12 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 02月 15日
寒明け蒅、届く-1
思いがけない水甕祭のため、やるべき事務作業が滞ってしまった。

リバマことリバーマウス、川口へ日参する。

重要な事務作業。
「田中さんは、サインしてて。蒅(すくも)は待つしかないからね」
d0182119_13003948.jpg
鬼のTG。
有無を言わせず、DM500枚の前に座らせる。

おとなしく従う、正藍型染師 今年82歳。

d0182119_13012770.jpg

2014秋の紺屋ツアー・2015青山DEE'S HALL・通販サイトで頂戴した御芳名宛へ、来週投函致します。

ほんとう言うと、青山のお客様ほとんどが、芳名帳へ記名していない。
あの騒ぎでそれどころじゃなかったとみえる。

だって「最後」のつもりだったし。
あえて記帳をすすめなかった。

反省するが時すでに遅し。
あとは、風聞とみなさまの伝書バトが頼みの綱だ。


「ちわーっ」と、玄関で声がした。

「田中さん、誰か来たよ」

「うん」
d0182119_13090233.jpg

あ、あ、あ、

d0182119_13100544.jpg

寒明け蒅、すくも、すくも、

d0182119_20442581.jpg

キターーーーーーーーーーー

一俵50kg、二包み、
おーい、こっち、こっちーーーーーーーー

d0182119_13103663.jpg

ああ、やっと来たか。

d0182119_13152651.jpg

全世界が注目する中。
リバーマウスに、寒明け蒅が、いま届きました。

おめでとう。

ありがとう。

d0182119_20424197.jpg

てか、間髪入れず、荷ほどき。

d0182119_13170269.jpg

愛染様への報告は、あとあと。

d0182119_13180284.jpg

ああ、もどかしい。
黒幕こと津田千枝子も手を貸し、寒々しい甕場がにわかにヒートアップする。

d0182119_13185408.jpg

特級品の阿波産、正藍の蒅・2017年製。
寒明け10日で、ようやく届く。

はじめて見る蒅は、さらっとした腐葉土のよう(遠からず)。
この量の蒅を作るのに、さてどれだけ藍の葉っぱが要ることか。

d0182119_13202223.jpg

待ったよなあ、もうイヤになったよ。
と、この顔。

d0182119_13221560.jpg

独自のモジュールで計量。

d0182119_13561913.jpg

測りは使わない。
カラダで測る。

d0182119_13572540.jpg

ちょ、ちょっと待った。

d0182119_13594034.jpg

ああ、入れちゃった。

世紀の一瞬を撮らせてもらえない。

d0182119_14000494.jpg

あれだけ待ったんだ。
1秒たりとも待てるもんか。
d0182119_14011912.jpg
続きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


[PR]

by kerokikaku | 2017-02-15 19:07 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 02月 13日
水甕祭
「寒明け蒅」がいつ届いてもいいよう、準備する。
今やれることはそれのみ。

藍液自体は元気。
腐っているわけではない。

善玉菌たっぷりの、いきいきとした田中紺屋の発酵液。
藍が薄くなっても、寒くなれば火壺に火を入れて世話はかかさない。

藍色成分「藍分」だけが足りない。
そこへ、届くであろう蒅を足したい。

今回は時間がないのでイチから建てなおさない。
上澄みエキスを残し、新しい蒅を足す。
d0182119_12341614.jpg
誘い出し、というやり方。
ぬか漬・カスピ海ヨーグルトを思えば分かりやすい。

「空にしておくとさ、地震がきたら甕が割れるから水を張っておくんだ」とのこと。

紺屋に水甕。
2月みずがめ座のシャレにもならない。


リバーマウスことリバマこと川口へ行くと、いつだって想定外の事態。

ただの水甕ではなかった。
あまりの大作業に、言葉を失う。
d0182119_23172751.jpg
2月田中学校。
こんにちはの挨拶も出ない。
d0182119_23175303.jpg
水甕祭がはじまっていた。

何があっても驚くまいと誓ったのに。
心臓のムダ毛もボーボーなのに。
d0182119_23043191.jpg
こりゃ、簡単じゃない。
d0182119_11580278.jpg
ステンレス甕に藍液を移し、水で薄め、有効な上澄みエキスを大谷焼甕へ戻す。
底にたまった澱は捨てたい。

フツーの大きさの藍甕と思うなかれ。
2人がかりで作られたという、飛び抜けてデカい大谷焼3つの甕。

入れ替えが終わり、甕はエキスで満杯だった。
この作業で一週間かかったそうだ。

藍液を溜めているのは「ヤール巾&インド120cm広巾」用のステンレス大甕。
家族風呂より大きく、おぼれる深さ。

「もったいないからさ」と、使っていない手前の藍甕にもエキスをとっておく。
無駄液どころか貴重な液。
PH管理されていれば長期保管できる。

「こんな作業もう出来ない、最後かもしれない」
それでもとっておかずにいられない。

この意味は深い。

d0182119_23595459.jpg
「寒明け蒅」撮影に来たカメラマンは、まさかの「水甕」撮影。
だって、蒅届いてないんだもの。

しかし「藍液の入れ替え」という、決して世に出ることのない陰の仕事が撮れた。
d0182119_23591805.jpg
「藍建」「型付け」「藍染」
スター作業とは比べ物にならない、超マイナー重労働作業。

藍染めを本気でやるとは、こういうことだった。

小手先でやる藍染めと、わけが違う。
カラダ全体を使い、水も場所も気力もいっぱい使う。

年寄りのやる仕事ではない。
でもやる。
d0182119_00080406.jpg
ひととおりエキスは確保した。
あとは水で薄め、PHを下げ、廃棄する。

「これは畑にもいいんだ、ナスなんか沢山なるんだ」
栄養分の多い発酵液をむざむざと捨てることに躊躇している。

莫大な量の水で薄めないと、捨てられない。
捨てるために、莫大な量の水を使う。

「バカやってるけど仕方がない」
d0182119_23405953.jpg
水槽にポンプを沈め、極太ホースでステンレス甕へ水を入れる。
d0182119_23421857.jpg
水槽と甕のあいだを、おぼつかない足取りで何往復も。
手元スイッチなどと、洒落たシステムはない。
d0182119_23432934.jpg
わあ!
d0182119_23435975.jpg
目の覚めるようなケミカルブルーは、正藍のアワブクが酸化しただけ。
染めても色にならない。
d0182119_23453020.jpg
これを、水で薄めに薄め、捨てたい。
d0182119_11355948.jpg
澱がポンプに詰まらないよう、かき混ぜつつ排水する。
d0182119_12070449.jpg
ここまでで1/3とは。
d0182119_18482566.jpg
これこそ甕覗き。
試しに白生地を突っ込んでみる。
d0182119_11343759.jpg

染まっているような。
d0182119_11171185.jpg

干してみる。
d0182119_11174863.jpg
薄くさわやかな水色を「甕覗き」と呼ぶが、こりゃダメだ。

甕覗きカラーと、ほんまもんの甕覗き色は違うんだぜ。

ここまで藍がヘタっていた。
昨秋から、蒅を待って、待って、待って、待って、まだ来なくて。
d0182119_11293782.jpg
ああ、くたびれた。
水甕祭の片づけはあとだ。

見ているこっちもくたびれたって、言えっこない。
d0182119_12225202.jpg
思いがけず、田中紺屋のすさまじさを目の当たりにした。

藍染め仕事とは、こういうことだった。
これをひとりで何十年も続けてきた。

「オレもずいぶんバカやってきた」と自覚していた。
「ほんとだよね」と笑うしかない。

それでも藍バカは止まらない。

寝ても覚めても、何年やっても、いくつになっても。
アタマの中は藍一色。

骨も肉も青く染まっているはずだ。
d0182119_12121624.jpg
寒明け蒅、早く来い。

型付け準備もやりくたびれた。
10本以上やった。

うち、谷さんのレンテン白生地は4本。
d0182119_12090020.jpg
あと1か月、ない。
d0182119_12100188.jpg
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





[PR]

by kerokikaku | 2017-02-13 22:45 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(4)
2017年 02月 10日
月日荘展まで1か月、届かない寒明け蒅
ちょうど1か月後。
名古屋の月日荘で「正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展」が開催される。

川口ことリバーマウスの田中御大。
今頃は染めの最終段階でさぞ大わらわ、と言いたいところ。

しかし問屋も紺屋も簡単には卸さない。

寒明けより1週間経った本日現在。
「寒明け蒅」が届かない。

例年より遅れている。
故に新しい染めが出来ない。
d0182119_22072349.jpg
昨春より染めに染めた結果、藍が薄くなってしまい、秋の蒅追加投入でも間に合わなかった。
新しい蒅を待つしかない。

仕方がないので薄藍を染めたり、三つ編み絞り染めをしたり。
なだめなだめやり過ごす。
d0182119_22335632.jpg
蒅がいつ届いてもいいように、型付けは終わっている。
あとは藍染めのみ。
d0182119_22170615.jpg
「テッサ」と呼んでいる、菊の花弁の細かい文様。
d0182119_22171840.jpg
裏までデコデコが透けて見える、しっかりした紺定特製の糊。
d0182119_22171190.jpg
ラオス・谷さんのレンテン族の白生地も徐々に準備している。
一反でも多く、月日荘展に出したい。
d0182119_22165660.jpg
もはや、道路端に出て「寒明け蒅」をジリジリ待つ日々。
待てど暮らせど届かない。

待ちくたびれて「もういやになった」発言が飛び出す。

そりゃそうだ。
藍染め仕事以外、何にもない。

ほんとう言うと、月日荘展に出す反数は足りている。
焦ることなく蒅を待ち、渾身の染めが少しでも追加できれば上々、とTGは考えている。

残念ながら。
藍に狂った老職人に、そんなおためごかしは効かない。

藍染め仕事が出来ない、という根本的かつ致命的なイラつきは、もう限界に達している。

こんなことは今までなかった。
このまま月日荘展まで持ちこたえられる気がしない。

愛染様は意地悪だ。
d0182119_22172848.jpg


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋)
d0182119_13084254.jpg





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




[PR]

by kerokikaku | 2017-02-10 22:19 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)