カテゴリ:正藍型染師 田中昭夫( 119 )

2017年 01月 30日
2/4(土)21時TBS世界ふしぎ発見・ラオス谷さんの布ー2
※ブログのカテゴリ選択が1つなので、前回の1は「H.P.E」にし、今回の2は「正藍型染師 田中昭夫」にしました。

ラオスの谷さんから、こう続きます。
無断引用につき。
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けろちゃんが田中さんにもらった、穴の空いた前掛け
お話ししたかもしれませんが、あれを染めたあと田中さんにお目にかかった第一声が「あの布の棉は完熟の木綿なの?」だったのです。
うちは熟してから綿を摘むのが当たり前で、変な質問だなと思いつつ「はい、もちろんです」と申し上げたら、いたく感心され「だから染まり方が違うんだな。すばらしいね」と。
そしてそのとき、綿といっても今の普通は完熟ではないのである、ということを知ったのです。
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そんな会話を思い出すと、このTV番組を田中さんに是非見ていただきたいと思うのです。
短い時間でしょうが、田中さんにとっておもしろいこと、いろいろあると思います。

我々にも相当おもしろいですよ、きっと。

日本からの撮影を記念し、おなかいっぱい食べてもらおうと大きな豚2頭をH.P.Eが買い、村人が料理し、クルー達とみんなでお昼を食べたそうです。
食事シーンは、ありやなしやわかりませんが、こぼれ話。
みんなで歓迎したってこと。


そうそう、この前掛け。

レンテン布の端っこに紐をつけたシンプルなもの。

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いいでしょ、穴あき、レンテン、藍無地。

糊がつかないよう、型付け時は必ずしめる前掛け。

他の生地巾でも作っていた。
なんでもようさん、常にトライ&エラー。
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上ふたつ、自身の腰巾と合う。
左下、やや巾狭い穴あきレンテン。
右下、TG試作品。
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「これがないと仕事になんなくてさ」
穴あきをわたしにくれたことにより、新規を作る羽目になったと言いたいらしい。

そりゃどうも。
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買ったケイタイは常に不携帯。
伝書鳩を持たないわたしは、連絡困難地域のリバマことリバーマウスこと川口の田中紺屋へ出向く。

赤ペン片手。
重要な作業をしに。
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念のためTV前面も。
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ラオス生地、1反の型付けが終わっていた。

大柄の唐草のよう。
この生地にふさわしい柄。
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あとは、ここ数か月の呪文となった「寒明け蒅」を待ち、藍を建て、染める。

2/4(土)はちょうど寒明けですね

谷さんからのメールのしめの言葉。

そう、寒明け。
立春です。

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世界ふしぎ発見
2017/2/4(土)TBSテレビ 21:00~
【ラオスのことは何も知らなかったけど、ラオスは□□□□だった。】
 
北部の山岳地帯で取材したのは、奇跡の布? 


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【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
2017/3/10(金)‐16(木):月日荘
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・・・・・・・・日にちはかぶってるよね広告・・・・・・・・・・・・・・・

Midwinter Hot GSS/ガレージセールショウ2017
GARAGE SALE SHOW vol.6

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2/2(木)12:30-18:30
2/3(金)12:30-18:30
2/4(土)12:30-17:00
会場:間・Kosumi(落合・東中野・中井)


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by kerokikaku | 2017-01-30 14:21 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 01月 25日
【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】&《月日荘展特設サイト》
あれから2年半。

ご承知の方も多い話をおさらいします。

引退を宣言した無名の老職人「正藍型染師 田中昭夫」の仕事を、なんとか広めたく、TGこと田中ガールズのゲリラ活動は2014年秋から始まった。

絶滅種の堅物は何も言わない。
勝手に周りが騒ぎ、走った。
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2015年青山「最後の頒布会」では、キレのある往時の見事な染め仕事を全て出す。
売ることもかなわず、ひたすら作りためた100反。
愚直な正藍型染反物は、多くの支持を受け、きれいさっぱりなくなった。

これで終わったはずが、翌日も染めに勤しむ老職人の後ろ姿に、TGは見放すことも出来ず、見守った。

現在の染めは、頒布会で出した往時の染めとは別物。
しかし、齢80を越えてこその柔らかみとやさしさに溢れ、楽しんで、ただただ好きで染めた布。

まだ藍がわからないと言う。
まだ面白くて仕方がない。

藍の話以外は、世間話すら出来ず、明けても暮れても藍染め仕事。
かんぜんに愛染様に首根っこをつかまれている。

2016年夏。
もうないはずの大量のハギレが見つかった。
勢いある時代の染布ばかりだった。

これらを若い作家たちに預け、布まわりのコラボ品を作ってもらうことにした。
「紺定」の新作帯地も徐々にたまってきた。

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2017年春3月、名古屋の月日荘で展覧会を催します。
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【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】
会期:2017/3/10(金)‐16(木)11:00-19:00 最終日-17:00
会場:月日荘
(愛知県名古屋市瑞穂区松月町4-9-2)

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これまでの騒動あらまし、正藍型染についてなど、詳しくは月日荘展特設サイトでどうぞ。
DMの内容もこちらで大きくご覧頂けます。

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東京ではなく名古屋で催します。
なぜなら、名古屋の月日荘はTGの一味。

「最後の頒布会」の後、余生として作った反物は「月日荘の取扱いで」という約束をした。
その流れです。

どこからも遠くて近い、日本の真ん中、名古屋で催します。

「紺定」として、まとめて発表できるのは今度こそ「最後」。
本人としてもこれが限界ではないだろうか。

田中御大は、今日も「寒明け蒅」の到着を指折り数えて待っている。
届くや否や藍を建て、1本でも新しい染めを月日荘展に出したい。
「藍を建てられるのはあと何回かわからない」と、ぼそりと言っていた。

3月展までひと月半。

こちらで追い追い様子をお知らせしていきます。

錚々たる若い衆の「紺定」コラボ品も上出来です。
メンツも、どうぞ見ものです。

カット生地や正藍無地もご用意しています。
田中御大も名古屋に来ます。

まずは月日荘展開催のご案内まで。

スケジュール帳に赤丸を。
どうぞよろしくお願いします。
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by kerokikaku | 2017-01-25 12:56 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(5)
2017年 01月 19日
薄藍反物かわゆす
昨秋のおわりから「藍の具合が悪く」、本人の機嫌も悪い、リバーマウスの御大こと川口の正藍型染師 田中昭夫。

「薄くてダメになった」藍とはいうものの、まんなかの火壺におが屑を入れて火を焚き、甕をあたため、まいにち世話を焼いている。

リバマから帰ると、体中がいぶされたにおいでいっぱいになったのに気づく。
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このおが屑一袋が2日でなくなる。
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「薄くてダメ」と言ったって、そもそも御大の藍甕がデカすぎるのだ。
多少の蒅を追加しても間に合わないということ。

たいがい藍を食う。
おが屑も食う。

この御大。
何においても豪儀なのが、チャームであり、問題であり、特長だ。

やることない困ったちゃんの為、不肖けろ企画は上から目線の宿題を出していた。

「どうせなら、薄藍の反物を染めて下さい。本来の紺定としては出せないけれど、何かに使えます」
例えば、半纏のウラに使ったような、こんな薄藍。
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これはこれで、いいでしょう?

すると御大。
ちょっぴりやる気になった。

昨年の暮れには9反が仕上がっていた。
「半纏のウラみたいな」と言ったことで、唐草柄でなく、生真面目にウラ専用柄オンリー。
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あれれ?
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なになに?
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超かわゆすじゃない!?

型が古くてボロボロしてダメだって。
色ムラでダメだって。
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えー、ぜーんぜんダメじゃない。
むしろ、このゆるさがかわいいじゃない!
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分かっています。
決して「味」を求めない真摯な職人に、このような仕事を頼み、よしとするのがどうなのか、と。

最晩年となり、すべてをやり切った御大にだから、頼んだ。
何か月も前から道路に出て「寒明け蒅が届く」のを待っちゃう、藍狂いの御大をなだめるため、これをご提案することは、そんなに悪くはなかろうもん。

「わー、コマですか?」
「いや、大の字」だって。
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薄藍は要注意。
ただでさえ、藍は日光に弱く色褪せしやすい。
たたんでおくと、折り目だけが褪せる。

もし薄藍生地をミニクッションにして、窓辺に置いて、数か月で真っ白になってはたいへんだ。

そこで実験を開始する。
薄藍の絞りがあったので、屋外に吊るし、色褪せを検証する。
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1か月後。
左が屋内、右が屋外。
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うっすらあせている。
やはり退色は避けられない。

それが確信できた。
要注意物件には間違いないことを肝に銘じる。

でもかわいい。
と、褒めたら、正月2日から染め初め、さらに14反出来ましたとさ。
やってくれた、御大。
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TGが褒めるので、探り探り、みょうな気分で染めたらしい薄藍反物。
「大」と「呂」だって。
「毛」と「呂」がよかったな。
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寒明け蒅が届くまで1か月を切り、この薄藍染めも終了。
「もういいだろ」って。
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蒅がいつ届いてもいいよう、徐々に型付けをはじめ、来るべき日に備える。
だから忙しい、とおっしゃる。

あちこちガタがきているらしいが、蒅が届いたらそんなこと言ってられない。
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これ、型付け用の前掛け。
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生地巾そのままの、お手製の前掛け。
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糊がついてしまうので、型付け時の必須アイテム。
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激しい使用によって穴が開いたんじゃありません。
ついた糊を、夜中にネズミがかじって開いた穴。
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「谷さんの生地の残りだ」って。
レンテン族の白生地の端っこを藍無地に染めた前掛けとは、贅沢の極み。

「持ってっていいよ」って。
ネズミ穴開きのお年玉、もらってしまった。

御大って、いいとこあるな。

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by kerokikaku | 2017-01-19 16:23 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2016年 12月 28日
糊と型付けと来春
先だっての逆さサンタ。

実はうら若きカメラマンのサスペンダー。
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とびぬけて好天。

この日はリバーマウスこと川口の御大宅で雑誌の取材撮影があったとさ。
発売は春3月。
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おなじみ「十二月田中学校」は、その都度わたくしが撮ってます。
使いまわしではございません。
だから何。
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あさイチのリバマ。
おはようございまーすと、板場を覗くと、型付け作業の準備万端。
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帯地2反が用意してあり、どちらもあと二型分を残してあった。

ふと、取材クルーを待つ御大の様子がさえない。

「はげしくくたびれるんだ」と。
「すぐに座りたくなる、立っていられない」と。
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ありゃー、困った。
そうこうするうちにクルーが到着。

TGこと田中ガールズは田中紺屋へ定期訪問している。
その場合はなんだかんだあり、御大は心穏やかに染め仕事ができない。

これだけお邪魔しておきながら「型付け」作業を間近に見たことがなかった。
そういや、本気の「藍染め」作業も見ていない。

なんにも知らないんだよな、結局。


間もなく撮影がはじまった。

御大が動いたのを合図に撮影がはじまる、が正解。
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お察しのとおり、基本的にヤラセができません。
百歩譲って「二型分残す準備」はしてあるが、ここから先は止まれない。

食らいつけ、カメラマン。
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ねっとり練られた特製糊をヘラにとる。

このねっとり糊が「紺定」の最大ポイント。
藍甕につけても溶けにくい強い糊は、絶妙なレシピによる(数値ではなくカラダで覚えている)。

まずは新聞紙の上で仮の糊置きをし、型紙を慣らす。
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繊細柄にねっとり糊。
これでダイジョウブなのだろうか。

おっと、瞬時に長板に移動。
型紙を置きました。
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わりと目分量で位置合わせし、型付け。
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ねとーっ、ねとーっ。
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横にいた型染作家の黒幕こと津田千枝子に「めっちゃざっくりなんですけど?」と小声で尋ねる。

「見てなさい」と一言。
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ぴっちり。
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細いラインにも、細くぽってり。
きちっと糊が置かれている見事さよ。
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プロの仕事には無駄がなく、一見簡単そうに見える。
わたしくらいになっちゃうと、コロッとだまされるんだな。
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乾ききっていない糊の上におが屑を撒く?
刷毛でラフにはたくが、糊は崩れていない。
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ちょっと待ったはご法度のまま、おもむろに長板から布をはずす。
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え、糊がくっついちゃわない?
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ちゃわないんだな、御大くらいになっちゃうと。
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真っ青な空に天日干し。
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さわっちゃっていいんですか、と、この期に及んでアワアワする。
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いいんです。

この道60年、でもまだ藍はわからないという御大にお任せ、でいいんです。
他のヒトがやったならダメなんです。

染めはあと。
もはや呪文の「寒明け蒅」が届いてから。
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カメラマン女史が、4×5カメラを設置し、ポートレート撮影になった。
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ハイチーズならぬ、ハイ苦虫。

OK、ばっちりです。
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外野がいたので、きょうは最後までお元気風だった。

しかし、朝のよれていた感じが忘れられない。
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ごはんもいっぱい食べるし、仕事も毎日やるし。
お変わりがないようでも、やはりお歳なのだよなあ。

「寒明け蒅」までは、ぜったい元気じゃないと。
春まではぜったい。
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賢明なる読者におかれましては、うすうすお感じと思います。
もしくは緘口令にも関わらず、ダダ漏れリークでご存知の向きもおありかと。

2017年春、田中昭夫とTGに、動きがあります。

それも日本の真ん中で。
まさかの東京以外です。
なんでと聞かれても、なんでも、としか。

現在その準備に走っています。
来年早々、詳細をお知らせ出来そうです。

80歳過ぎのおじいさん情報ばっかの拙ブログに、今年もお付き合い下さりありがとうございました。
さすがお目が高い。

来春の動きについては、また来年。
おじいさん情報で埋め尽くします。

どうか震えてお待ち下さい。

こう見えて、好々爺じゃないんでね。
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by kerokikaku | 2016-12-28 18:25 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(3)
2016年 12月 15日
薄藍と冬空
わたくしってば、じつは。

藍染めは、とくに好きでも嫌いでもなく。
モノによって野暮ったく見えて難しい、と、なにさま目線でスルーしてきた。

色落ちと退色も、いぶかり気味で。
そのくせ白シャツと合わせたがるので、必ず色移りし、その度に渋い心になり。

最近は、何の因果か藍ばかりに目が行く。

何があったというのだろう。

ま、あったよね。
少なからず。

谷さん×MITTAN展でもレンテン族濃藍反のMITTANシャツ、もちのろんでオーダー申した。
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トミーの青かばん、ゲットできずに歯噛みをした。
ほらあかんやろ、初日にいかんのやもん。
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世紀の黒幕ヤギ展で、数多ある名品の中で「ミャンマーのハス布に藍染」帯が、一目で気に入る。

わたしくらいになっちゃうと、帯をアタマに巻くわけもいかず逡巡した(さてなにを)。
はからずも、某たけし軍団ことTGがお求めで嬉しいやら悔しいやら、でもやっぱり嬉しかった。


それはそうとして。

お伝えのように御大こと田中紺屋の藍甕は、ただいま鋭意待機中。
寒明けの新しい蒅が届くまで、じりじり待機中。

ああ、しんぼうたまらん。

藍がギブアップなので、求める藍色が出ない。
御大はすることがない。

することがないと、何にもない。

困った。

お茶濁しの藍濁しに、三つ編み絞り染めをすすめてみたが、あんま、乗ってない。
それっきりの、そのまんまである。
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「せっかくの薄藍なんだし、半纏ウラ地みたいな薄い染め、やってくれませんか」と、下からしずしず注文しておく。
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それなりの仕事だ。
なのに「紺定」印をつけられないレベルの出来だろう。
それを承知でお願いしてみた。

「しょうがねえな、それしかないな」
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気乗りしない返事の場合、次の時は「しょうがねえ」ことが出来ている場合が5割。
意外に強打者の御大。

ひやっほう。
超かわゆすになりまして。


あ、いかん。

いろいろあって、今お見せできない。

見せられないけど、見せたい。

いや、いかん。
御大だって、しんぼうたまらん待機中だもの、わたしだってしんぼうする。

そんなわけで、薄藍の反物が出来ておりました。
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型が古くてボロボロで、染めもへったくれもあったもんじゃなくてさ。
ムラになるし糊は足りなくなるし、こんなのダメだ。

とおっしゃる。
田中昭夫の長い染め人生でも、ありえない薄藍ムラ染めで、どうにもならないご様子。

だからこその、かわゆすな逸品ができました。
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薄藍はさすがに退色しやすいのです。
うすうすのムラムラのかわゆすであっても、あっと言う間の真っ白退色では、いくらなんでもお見せできない。

まずは状態を検証し、その後お披露目します。
時々やってる、よろず「けろ企画調べ」ってやつ。

日が暮れて、ふと見るはるかな冬空。
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その冬空とクリソツな、薄藍の三つ編み染めピラピラ。
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こんぐらいの薄藍だと、どんくらいで退色するのか。
南向きの屋外と室内とに配置し、しばし検証してみます。

GOとなったらお見せします。

でもこっちは、だだ見せ。
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マッキーで書いてしもうた。
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by kerokikaku | 2016-12-15 18:50 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2016年 12月 05日
型彫り御大-その2
だって御大ってヒトは、正藍型染以外、ほんとうにやることがない。

2年前に引退したし(長板中形の着尺のことです。帯地は細々とまだやっています)、最後の展覧会も頒布会も終わったし。
あとは余生をぼちぼち、ってお話のはず。

ぼちぼち余生の99%も、結局は正藍型染。
明けても暮れても。

残る1%はご寵愛(知らんけど)のバラの手入れとか、そんな程度。
放置風。
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新規「型彫り」をせずとも、すでに相当量の型紙のストックがある。
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一般的思考として、せっかく彫った型だもの、手を変え品を変え何通りでも染めたらいいじゃないかと思う。

御大は違う。
ひとつの型でもせいぜい2-3反。
1反しか染めないこともある。

似たデザインでも彫り直すことは茶飯事。
このように。
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職人というかアーティストというか。
やれやれだが、それこそが紺定イズム。

まあいいでしょう。
12月の田中学校、はじまります。
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こんちはー。

おーい、どちらにいらっしゃいますかー?
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「中にいるけど外から見えるよ」って?
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外の道路沿いに出てみる。
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ここ、ここ。
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はい?
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わお。
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ども、正藍型染師の田中昭夫です。
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北向きじゃないと光がだめなんだ、とおっしゃる秘密の型彫り部屋。
秘密も何も、誰からもチェックされていなかった小部屋にて。
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なるほどですね。
型紙を2枚重ね、古い型のあたりを墨でつけて、修正しながら彫るんですね。
ちょっとのことでも気になれば、彫り直す性分ですよね。

むこうに見える石はもしやメノウ。
秋田の海辺で拾った文鎮がわり。
ははは。これに言及したのは、不肖けろ企画だけでしょうなあ。
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目も手もだめだと言いつつ、おとなしく彫り続ける御大。
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たいへんお静か。
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ではお邪魔にならぬよう、夏に救出した白生地の残りでも洗っときますか、ピーカンだしね。
何かの役に立つかもしれないしね。
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後日談として。
三日三晩電話し続け、やっと通じたホットラインによると。
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あの日、わたしが洗濯やら何やらを始めたことで、御大は型彫りに集中できなくなったと言う。
「悪いけど、気が散ってさ」だって。

ひーはー。
あい、すいません。
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型彫りをし始めると、他に気が回らないし回したくない。
藍や天気の具合や来客で中断されると、集中が切れる。
一気に彫らないといい型にならない。

なので以前は、彫ると決めた日は、出身地秋田あたりの温泉場に数日逗留し、こもって型紙を彫ったのだと。
大作家の缶詰と同じ。

どんだけー。

一瞬呆れるが、すかさず「これ言うと遊んでいる風にとられるけど、違うんだ」って。

でもどんだけー、とリバーマウスの中心で藍を叫ばずにいられない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

手が固く思うように彫れなくなったことで「型彫り」は中断。

しょうがないから残った薄藍でもやるか、だって。
薄藍と割り切った型染をしとけば、何かにできるでしょ。

今月はそれしかないなって。
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寒明け蒅の届く2017年吉日まで。

だよね。
正藍型染以外、ないよね。

とか言って、おもむろにハヤトウリの収穫。
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こないだの雪で、葉っぱがだめになったって。
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実はだいじょうぶそうだけど。
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ここまで、藍染めしかないヒト、他に知りません。

これだけやっても、まだおもしろいんだろうな。
楽しいんだろうな。

ああ。
おとろちいな。
あらためて。

リバーマウス、現場から以上です。

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by kerokikaku | 2016-12-05 19:23 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2016年 12月 04日
型彫り御大-その1
不肖けろ企画の雨女伝説を払拭のピーカン日和。
川口詣も早や2年越し、の感慨にふける。
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川口、リバーマウスの御大こと、正藍型染師・田中昭夫の定期安否確認は今月も続く。
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思い起こせば今春あたり。

何かに憑りつかれたようにパッションが止まらず、御大は染めて、染めて、染めまくっていた。
給食窯を駆使し、岡崎木綿を100反以上も精錬して、染め準備も万端だった。
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うちらは唖然。
これから100反、やる気ですかい。
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ネコがネズミを銜えてニャーと見せに来るかのごとく、毎月伺うたびに新作が上がっていた。
怖いぐらいの勢いだった。
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引退宣言した後いろいろありまして(にがわらい)。
「最後」の展示会も「最後」の頒布会も終わったってのに。

『おめえさんてばよぉ、何ーんも考えず、ただひたすら、心のままに染めてるな』
TGこと田中応援団ゲリラガールズ一同の、心よりの声。

さあて、どうすっぺか。
おら知らねえぞ。

でもずっとそうやってきたんですもんね。
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たいへんいいことです。
御大の精神衛生上は。

いいことなんですが、ちょっと急いてはいませんかね、御大さんよう。
息切れして調子を崩しては元も子もないんですから。

との心配はご無用であった。

ご自身はお元気そのもの。
それなりにアチコチが悪いとおっしゃるものの、まあ元気。

そのかわり藍がギブアップした。
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一年に一度、阿波徳島の藍屋から蒅を2俵取寄せている。

おととしは「引退」ってことで、注文しなかった。
今では、これも苦笑いの事実だ。

去年慌てて注文を再開した。
それが一定の染め量オーバーとみえて、藍が濃くならなくなった。

江戸期の蚊帳生地はそれでも良く染まってくれたが、木綿に関しては納得がいかなくなってしまった。
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しょうがないので三つ編み絞り染めを提案。
ヒマジンになってぼんやりしないよう、宿題を出してはお茶を濁した。
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合間に「豪華ハギレ」と言う名のお宝布の発掘があった。
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なんで今まで仕舞い込んでいたんですか!と声を荒げつつも、ニヤニヤが止まらぬ洗濯婆な夏だった。
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10月の青山TOBICHI2。
H.P.Eのレンテン白生地GET大作戦もつつがなく終わった。
その精錬はとっくにやっちゃった。
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そして、型染が本分の御大はやることがない。
途中、追加の蒅を所望し、運よく届いたが、その量では間に合わない。

寒明け蒅を、指折り数え、じっと我慢の子である。

「ちなみにいま何してますか」とお尋ねホットラインをかける。
めったに通じないケイタイが、奇跡的に一発で通じた。

「型彫りしてる」とのこと。

そりゃいい。
一度も拝見したことがない。

長板中形の職人として、型染は当然だが、「型彫り」から一貫して行うのは、泣いても笑っても田中昭夫が世界中でただひとり。
江戸時代にはもうちょっといたと思われます。

ご機嫌伺いと称し、いそいそと伺う。
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続きます。
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by kerokikaku | 2016-12-04 17:34 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2016年 10月 22日
御大SOS、一転TOBICHI
H.P.E谷由起子の布×MITTAN」展の初日。
けろ企画は所用で行かれない。

黒幕こと津田千枝子を遠隔アゴで使い、拝借した画像をもとに、妄想レポートをお届けします。
だって、わたし、見てないもん。

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数日前からにわかに沸き上がった「正藍型染師 田中昭夫、TOBICHIへ行く」企画。
レンテン族の白生地が出るのなら、何を置いても御大に買わせたい。

100反あるうち、黒85反・青5反・白は10反。
MITTANに服を仕立ててもらうもよし、自由に使うもよし、果ては使わないもよし。

御大は、この白生地がどうしても欲しい。
もちろん型染め用布として。
さらに自分の目で確かめたい。

御目にかなう用布を探すのは非常に困難。
手紡手織の綿生地は、手元にもうない。

一度この生地を型染めしたことがあった。
「木綿がよく熟していていい生地だ」と目を細めていた。

2014年の田中紺屋展に、谷さんと栗駒の鈴木照雄さんが訪問していたのは、知る人ぞ知る事実。
しかし生地を手に入れる機会はなかった。

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10月20日(木)、TOBICHI展初日。

OPENよりずっと早い時間、会場に黒幕が並ぶ。

一番乗りのつもりが、まさかの3組目だったという。
おそるべしTOBICHI狂想曲。
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並んでいる面々は、見知った顔ばかり。
敵は身近にいた。

どなたさまも一律、ぬけがけ禁止の、公平で美しい眺め。

さて、場所を知らない御大を、表参道駅へ確保しに行く。
え、どこ?
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いた!
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紺定印の半纏を抱え、股引、型染古代麻のかばん、という気合の正装だ。

待ち合わせ1時間前に着いたという。
もし御大ご本人に並ばせていたら1番乗りだった、って後の祭り。

TOBICHIまでご案内し、行列に加わる。
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みんなー、生の御大だよ、レンテンの白生地、ゆずってあげようね。
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いや、そればっかりはちょっと。
だめですよ、順番ですよ。
そうよ、並んだ順よね。
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御大:あの白生地さ、先にどうにかならないですか?
谷さん:ならないですねえ。
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OPENと同時に、いざ入場。

よし、いいぞ、がんばれ、御大、行け!
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いちおう、選定させていただく。
いくらレンテン族の白生地とはいえ、気に入るものをしかと吟味したい。
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実は行列時、オトナの談合により選定の優先権を得ていた御大。
先ほどの敵は、愛すべき味方であったと判明。

ひいふうみい、5反ゲット。
わーい、わーい、これで型染が出来るぞ、ウレシイな。
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では、会場内パトロール。
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いい布には目がないんでね。
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お目当ての白生地ゲット後で、余裕しゃくしゃくのショッピングタイム。
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谷さん:うちの生地どうですか?
御大:ああ、いいですよ。
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MITTAN:はじめまして、感激です。ボク、御大の生地持ってます。
御大:いとへん末っ子男子だもんな、オレたち。
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お客様:わあ、お目にかかれて光栄です。御大の布でワンピース手作りしたんです。
御大:うん、そうか。
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たぶん御大は、誰だかわからず糸井さんとパチリ。
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あのツアーの若い衆も参上してくれて。

やれやれ。
御大にとっての大旅行は、おかげ様で終了。
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各方面の皆々様。
このたびは多大なるご協力とご配慮をありがとうございました。
田中御大になり代わり、高いところから伏して感謝申し上げます。
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さあて、早く帰って、布の精錬しないとな。
藍の面倒も見ないとな。


~反転の一転の大回転~

あの後、御大の藍甕は大きいため、届いた蒅では足りないことが分かった。
来年寒明けの阿波蒅を待つことになる。
「紺定」として先走った染め仕事をしてはならない。
来るべき佳き日に備え、ひたすら震えて待つ田中昭夫御大である。

※レンテン族の白生地が欲しい!という方へ
下のコメント欄に今後の生地の行方が投稿されていますので参考になさってください。
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by kerokikaku | 2016-10-22 21:54 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(9)
2016年 10月 22日
御大SOS、からの反転
そうだ。
いじっていない保留ハギレがあった。
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オレンジ色の、たぶんタイ産の手紡手織の綿。
このままだと食えないが、藍に染めると緑がかったいい色になる。
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この反物はなんだ?
キャンバス地のようなみっちり高密度の綿生地が2反。
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グレーの中に型付けのあとがうっすら見える。
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大昔、鳶の棟梁からの注文品で途中やり。
半纏用らしく紋が入っている。
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松の煤「松煙」を使って墨染めしたもの。

これだよ。
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松煙は手に付くからたいへんなんだ。
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パッケージを撮ろうにも、さわる勇気なし。
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ほら、手が真っ黒だ。
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墨染めはさ、松煙と膠を混ぜてさ、豆汁も使うんだよな。
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なるほど。
この反物はそっとしておきましょう。

それ以外、このあたりを無地染めしてもらっていいですか?
しばし、お茶濁しのためにも。
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うん、しょうがねえな。
他にやれることもないしな。
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とりあえずの宿題を作ったところで、御大宅をあとにする。
そうしておかないと、困ったちゃん。


翌日電話が鳴った。
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「藍が届いてさ、早かったなあ。そんでもう仕込んだよ」
おとといのしょぼくれた声色とは別人の弾んだ声だった。

田中御大の性質を熟知した、藍師のステキな計らい。

いつもの1/4量だったが、当座の型染めには間に合うかもしれない。
とにかく嬉しくて仕方がない。

「これで寿命が伸びましたね!」
ブラックぎりぎりの感想を述べる。
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で、まあお察し通り。
宿題の「無地染め」は保留決定。
正藍型染めが出来るのなら、それが本分なんです。


そこへ黒幕より、緊急速報!

10/20(木)からのTOBICHI②にて。
ラオスH.P.E谷さん×MITTANの展示会で、レンテン族の白生地が10反出るという。
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御大からすれば、喉から手の出る谷さんの白生地。
残りの型染人生、どうせならH.P.Eの生地に染めてもらいたい。
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栗駒の次はTOBICHI狂想曲か。
その日、わたしは所用で行かれない。

頼りになるのは、いつだって我らが黒幕。
御大のため、初日数時間前に並ぶと言う。

「津田さんが並んで下さるそうですよ」
その旨を伝えると「オレも行く」と即答。

去年5月のDEE'S HALL展以来の外出ってやつ。
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新しい藍が手に入り、御大のやる気ブレーカーは発火寸前のタイミング。
いい藍をいい生地に染めたい、その一心。

いくら御大&黒幕でも、事前ぬけがけは許されない。
魑魅魍魎のライバル達が跋扈する、という不穏な情報も入手し、万事休す。


谷さんの白生地のため。

シロヤギとクロマクが並ぶ。


こんな有事に、けろ企画はまさかの高みの見物。

続きます。
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by kerokikaku | 2016-10-22 10:02 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2016年 10月 21日
御大SOS、藍が困った
川口の正藍型染師・田中昭夫御大から、めったにない着信。

声色は良くない。
お身体が悪いのかと焦る。

「あのさ、藍がだめでさ。染めができないんだよ」

今年はじめに徳島から取り寄せた正藍の調子が良くないと言う。
藍の具合が悪い=御大の具合もチョー悪いのだった。

意気消沈はなはだしい。
わたしにこぼすぐらいだから、困り切ってどぼちよ状態だ。

おいらが逆立ちしたって藍は治らないが、お話を伺うことは出来る。
すぐさま川口へ。
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コスモス畑のおねえちゃんを眺めている場合ではない。
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「こんちわ、だいじょうぶですかー?」
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白生地が干してあるじゃない。
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耳付きの岡崎木綿、ラスト数反の準備、してるじゃない。
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だめなんだ。
全然濃くならないんだよ。
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勢いづいて春に染めまくった結果、たぶん藍がへたったのだろう。
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実はね、ちょっと不安だったんですよ。
ペースダウンしなくていいのかなって。

これぐらいのコントラストが欲しいのに、がんばってもこの水色より薄くしかならない。
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型付けは着々と進んでいるが、藍がだめだとココ止まりなんでね。
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徳島の正藍の蒅、今期分は早くても年明け、寒の頃になる。
ダメもとで藍師に連絡をとることにした。

ほかの手段はない。
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去年分の在庫が少しあるかどうか、とのこと。
探して、もしあったら送ります。
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なくて元々。
うすい期待で待ちましょう、と御大をなだめすかす。
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困ったことに、この御大。

藍染め仕事がないと、何にもやることがない。
数日放置すれば、ぼんやり老人になりかねない。

手持無沙汰で懐かしの「銀花」を眺めている。
この号、おもちゃ絵特集ですけど。

オレもさ、なんであるのか分からないんだよ。
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そだね。
なんで御大ん家にあるのかね。
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バラバラ事件になってるしね。
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わお、まさかの阿波藍特集。
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蒅作りでも見て、気を落ち着かせるつもりか。
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はたまた、いらだたせるのか。
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いやー、ここらへんの特集は、あたくしの垂涎ページですよ。
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昔の仕事って、ため息は出ても言葉が出ないですねー。
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なーんて、粗茶をしばきつつお茶を濁していた矢先。
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あ、オレだ。
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いやはや田中昭夫、最初で最後の本「唐草染布帖」じゃないですか。
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昭和50年・三彩工芸刊、もちろん絶版。
田中応援団の藤本均氏は、広告を載せて下さっていた。
銀花に載せていたってことは、他の関連誌にもと推測する。

時空を超えて、藤本氏のご尽力に感謝する御大であった。

「だからうちにあったのか」だって。
いまですかい、気付いたの。
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型染めにふさわしい藍ではないが、無地染めならできるという。
じゃ、それ用の布でも用意するか。

無地染めでもなんでも、やることないと呆けちゃうでしょ、御大ってヒトは。

科布1反、いいのあるじゃない、と思ったら
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よく見れば虫食い穴ぼこ。
これだって無地染めしたらいいんでねえの?
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例の蚊帳生地も、豆汁をつけて仕上げたら、こんなにいい具合になった。

ヨカッタ、最高の藍無地が出来上がった。
でもこれも終わっちゃった。
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他の手で御大をなだめねばならない。

続きます。
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by kerokikaku | 2016-10-21 10:33 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)