2017年 03月 05日
「ここに来たことあるっていうんだけどなあ」 村井さんも日々の推移を心配してくれていた。 自分の知らないところで、色んな方が気にしてくれている。 「オレは運がいい」 ボソっとつぶやいた。 「甕に水を張る前にさ、中をきれいに拭き上げたんだ」 朝早く起きて、藍が到着する前にひとりで再度さかさハシゴを立て、甕に入り、バスタオルで中を拭いたってこと。 ご厚意で分けて頂いたありがたい蒅を入れるのだ。 丁寧に、だいじに、仕込みたい。 ちなみに例の寒明け蒅は、20日経って青が出て来た。 「こんなもんじゃないんだけどな」 播磨藍を受け取った黒幕のクルマがやってきた。 辛くしないよう、注意深く。 こんどこそ慎重に。 きちんと建つまで、「紺定」色のパキッとした濃い藍になるまで、待つ。 ラストスパートに準備した、型付け済みの反物群。 これらは、藍がしっかり建ってから、ぼちぼちと染めていけばいい。 慌てた仕事はしない。 我々TGが関わって「田中昭夫の染め布展」を行うのは、この月日荘展でほんとうに最後です。
まとまってご紹介できるのは終わり。 さいご、さいご、でTGは最後です。 ただし、この様子じゃ、田中御大はまだ染め続けます。 誰にも止められない。 どこで入手できるのか。 TGが、またどっかで「最後」展をやるのか。 「否。」 それだけは、決定しています。 ・・・・・・・・・・・・・・・ すでに3/10からの月日荘展分のパッキングは終わりました。 再度申し上げますが、生地がもう手に入りません。 ハギレセットも作りました。 そして「若い衆コラボ品」。 こちらの詳細は少々お待ち下さい。 来週金曜からの月日荘展にて。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】 2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋) #
by kerokikaku
| 2017-03-05 10:59
| 正藍型染師 田中昭夫
2017年 03月 04日
※「3月上旬のインフォルマシ」は、諸般のリバマ事情で遅れている、もしくはすっ飛ばしにつきご容赦下さい。 年季エプロンのセット完了。 これだけ深い大甕だってこと、お分かりいただけましたか。 わたし、今ようやく理解しました。 花咲か黒幕。 枯れ木に花を咲かせた、張本人。 ありがとう、とも。 何らコメントもなく、つつがなく、当たり前のように完了。 火壺に火を入れたらなおのこと。 甕には必ず水を張っておく。 それが鉄則らしい。 あとは、明日、黒幕が運んでくれる播磨藍の蒅を待つのみ。 阿波藍から播磨藍へ。 ブランドにはこだわりません。 きちんと建つ藍、だけを求めます。 一大転換。 愛染様、田中紺屋はなぜこうもジェットコースターなのですか。 お元気で何よりですが、周りの心臓がもちません。 そうでしょうとも。 だが申し訳ない。 TG達は今、それどころじゃない。 「田中さんだけ飲んでいて下さい」 と、仕事の手を止める気配がない。 は。 いやいや、うちら、まだ飲めないんで。 ありがたいよね、キチンとお礼を言わないとね。 ぼそぼそ、もにょもにょ、口ごもりながら、やっと電話をした。 心なしか、感極まっていた。 捨てる藍あれば、拾う藍ありだな。 と、下手なたとえも言っていた。 月日荘展に出す帯地は「岡崎木綿」が主の予定でした。 DMにもそう入れてあります。 じつは。 古い韓国の手績手織麻の帯地、10数反が出ることになりました。 「また出たか」と思われても仕方がないですが「また」なんです。 ああ、どの口が。 でも、 素晴らしく上等の手績麻の帯地。 青山DEE'S HALL「最後の頒布会」の頃。 素材もいい。 染めもいい。 藍の色も、ものすごくいい。 どうぞあしからず。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】 2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋) #
by kerokikaku
| 2017-03-04 10:29
| 正藍型染師 田中昭夫
2017年 03月 03日
月日荘展に出す、帯地反物のサイズを測り、数をチェック。 キモノ目当てではない方々向けの「若い衆コラボ品」については、是非あらためたい。 やつらの仕事に、震えたのなんの。 完全にやられたね。 値札書き、納品書、出荷準備をしていこう。 反物だけでなく、座布団カバーや卓布、ハギレセットもある。 少し青味が出てきたが、月日荘展は間に合わない。 建ったところで、元気な藍かどうか、まだ怪しい。 前代未聞の「殻入り蒅」に慌てふためき、気が急いて、石灰やら灰汁やらを足しすぎた。 しかし、自身でも藍建てをする、黒幕こと型染作家 津田千枝子。 不調な甕を覗いては意気消沈する年寄りを見で 「あまりにも不憫、ちゃんと建つ蒅を手配してあげたい」と言う。 出展する染布はじゅうぶんあるし、あとからゆっくりでいいね。 今度こそ余生だもんね。 だっておそらくこれが最後の藍建てだからね。 用務員のわたくしは、遅れ気味の事務作業に必死のパッチ。 やることなくボヤっとしている田中御大に、シール貼り作業を振り、お茶を濁すことで手一杯。 今日はTG大集合のBIG DAY。 やる気マンマン、リバーマウスこと川口へ。 さあ一気呵成に、事務作業の大詰めだ。 やるよ。 じっと座って、落ち着いて、地道にやるよ。 「朗報、朗報! 播磨藍の村井さんが協力してくれるって!」 兵庫県西脇市で藍をつくっている村井さん。 2014年自宅紺屋展ツアーにもご参加下さり、京都美山ちいさな藍美術館と懇意と聞く。 拙ブログで、田中紺屋の藍がよくないことを知り、心配していてくれたらしい。 そこへ突如、あの黒幕からの電話が鳴ったわけだ。 ただし今季の播磨藍の蒅はすでに予約で終わっている。 そこで東京在住の知人に連絡し、田中紺屋へ分けてもらうよう、すぐさま手配してくれた。 その方もツアーの参加者だった。 村井さんの説明ですぐに事情を察知。 一も二もなく快く応じてくれた。 明日にも黒幕が蒅を取りに出向き、田中紺屋へ運びこむ段取り。 あっぱれな連係プレーだ。 「田中さん、そういうわけだから、村井さんの播磨藍の蒅であたらしく仕込もうよ」 なかなかの大仕事に、なんの躊躇もない。 藍のことで一切ためらわない。 それを見るにつけ、このヒトの素直すぎる藍一心に打たれてしまう。 で、二人でムシロを動かして、何が始まっちゃうわけ? 奥の1ツは灰汁が入っているので、場所を空けたい。 ただし、奥に仕込むと染め仕事がやりにくい。 空にしてから、ココに播磨藍を仕込む。 この半月で3回目の出動、吸出しポンプ。 手元スイッチのない、コンセントを差したら即吸いのレトロポンプ。 てか、この逆さ脚立の意味は何ぞや。 こちらの82歳。 外出時は杖をついております。 ものすごく、歩みがヨタヨタです。 藍仕事に対する素早い動きを見ると、信じがたいですが本当です。 全員参加のBIG DAYって。 ぽかーん。 大丈夫でしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】 2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋) #
by kerokikaku
| 2017-03-03 00:43
| 正藍型染師 田中昭夫
2017年 03月 02日
藍はやっぱり、建たない。 終わってからでいい。 甕場に入るのも遠慮する。 だって、どうしようもない。 出荷に向け、事務仕事が佳境だ。 反物サイズ計測やコラボ品チェックで忙しい。 タグ書きしたり、数えたり。 やれどもやれども終わらない。 「よくもまあ、こんなに染めたよね」 邪気のまったくない「紺定」染布を触っていると、すべての大騒ぎがチャラな気分になる。 この御大、無心でひたすら染めているだけ。 台風の目、の星の下に生まれたらしい。 さあ我々は、落ち着いて、間違いのない、丁寧な事務にいそしもう。 いそしみたい。 のに。 のに。 のに。 のにのに。 あの紺屋が卸さない。 あわわ。 おじいが、また何か始めてる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】 2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋) #
by kerokikaku
| 2017-03-02 10:19
| 正藍型染師 田中昭夫
2017年 02月 26日
もろもろ、いろいろ、ありました。 →「月日荘展、決定」 →「どんどん染めたいのに藍が薄い」 →「寒明け蒅を待つ」 →「待てど暮らせど来ない」 →「すぐさま仕込む」 →「辛抱限界」 →「ギリギリセーフ、月日荘展に間に合う」 以上、感動的で優秀なシナリオ。 → → あの藍の種の殻が、どのように沈むか実験してみた。 茎もけっこう混じっている。 3日後も浮いていた。
「こんなに赤くちゃダメだ、青くならないんだ」 どれもこれも高すぎる。 藍だけが生きがい。 もっともっと、染めたい。 正藍型染師 田中昭夫、ウソのない、ただいまの心境です。 御大を筆頭に、みなさまどうか、気をお確かに。 月日荘展用の帯地反物、すでに50本以上ございます。 切売りカット反もご用意しています。 足りないわけではありません。 むしろ多い位です。 そして、若い衆コラボ品が続々と仕上がっていることもお忘れなく。 でらごっつ、イイんです。 月日荘展まで、随時チラ見せして参ります。 まず、服飾作家クチル・ポホン井上アコちゃんのポーチが追加されました。 ウラ地の使い方がクチルポホン。 ふたつと同じ組み合わせがなく、ニクさ満点。 布に目のない、聖子ちゃんらしいあしらい方にドキっとする。 ピンチはパンチ。 リバマ is 不安タスティック。 リバーマウスの中心で、藍を叫ぶのも、あと10日とちょい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【正藍型染師 田中昭夫の新作染め布と、若い衆とのコラボ展】 2017/3/10(金)‐16(木):月日荘(名古屋) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #
by kerokikaku
| 2017-02-26 22:35
| 正藍型染師 田中昭夫
|
アバウト
カレンダー
検索
カテゴリ
けろ企画 BAHAGIA UNDERWEAR 正藍型染師 田中昭夫 GSS 毎月のインフォルマシ H.P.E クライミングホームUNO ガラ紡と三八布 インドネシア 更紗 情報として そこそこその他 ものすごくその他 最新の記事
以前の記事
2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 その他のジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||