その日、その手は寡黙で
そして休むことを知らぬかのように働いた。
終わってみれば、雄弁な藍色に染まっていた。
古より、人びとの生活に根付き
愛されてきた藍。
濃淡の美しさ、使いこなれたさびの青で
時には人びとを怪しく魅了してきた。
先人たちが、
手とからだをもってつちかった
実験とも言える経験と知識。
現代ではいつ絶滅してもおかしくない労力で、仕事だ。
細々とはいえど絶やしたくはない。
きっと絶えることはないだろう。
バトンを次へと受け継ぐべく
きょうもわたしはあおい手となる。
だと、いいのだけれど。
ね。
きょう、藍染の布を手洗いしたら
たまたまこうなった。