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2013年 12月 28日
裂帖の道 その3
見本となる裂帖はこの図録にある。
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五島美術館で2008年秋に開催された「古渡り更紗」展。

彦根藩井伊家に伝わる「彦根更紗」(注:彦根産の和更紗のことではなく、彦根藩伝来とのことで命名。コレクションの大部分はインド更紗)を中心とし、「佐羅紗便覧(更紗に関するデザイン解説書)」や裂地や袱紗などの展示であった。

図録から抜粋すると、
「古渡り更紗」を江戸時代の人々は17世紀から18世紀にかけて舶載されたインド製更紗を珍重した。
当初の大きな布は、流行の先端を行く若者の小袖や大名の陣羽織に仕立てられた。
小さな裂となっても、たばこ入れや小物入れに誂えられ、異国情緒に満ちた品々は大いにもてはやされた。
という。

その更紗の小さな裂を、捨てることなく(もちろん)観賞用として台紙に貼りつけたもの。
それが裂帖。手鑑(てかがみ)とも呼ぶ。

要はそれを作ろうという個人けろ企画が「裂帖の道」。
恐れながら。

では壮大で華麗な裂帖のお手本を観賞いたしましょう。

「古渡更紗手鑑」
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「更紗裂帖」
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「名物裂手鑑」
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立派。整然。ゴージャス。マーベラス。

一番上の手鑑に添えられた一文
更紗の魅力を引き出すように工夫された配置構成に所蔵者の美意識が凝縮されている。
…古渡り更紗においても厳選されたこだわりが窺える。


まさしく。
裂の取捨選択とレイアウト力が大いに問われるところだろう。
イタタタタ。

「ミニチュア裂手鑑」
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このミニ手鑑にインスパイアされ、その後すぐにゴリラクラブ上野恭子さんが誂えたものがこちら。
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さすが更紗の親分。おやびん。
判子は中国雲南省で作ったトンパ文字の印。

はるかな頂を望みつつ、スタート地点にたどり着くべく、わたしは剥がす。
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やっつけで貼ってしまった裂を、はがしまくる。

遠路。

by kerokikaku | 2013-12-28 15:08 | 更紗


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