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2014年 11月 19日
「ガラ紡」について
―「ガラ紡」とは―

「ガラ紡績機」の略。別名として和紡・船紡。
1876年(明治九年)臥雲辰致(がうんたっち/ときむね)が考案した紡績方法。
愛知県三河地方を中心に全国的に普及した。

その名の通りガラガラと騒音を立てて回転することから「ガラ紡」と呼ばれる。
シンプルで独創的な日本独自の「ガラ紡」は、従来の手紡ぎ車からの生産性を急激に引き上げた。
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一時は活況を呈したが、大規模な西洋式紡績工場が建設されるにつれ、細く均一な紡績糸への転換が起こる。
太く不均一な糸を紡ぐ「ガラ紡」は次第に逆境を迎え、1887年(明治二十年)をピークに衰退する。
現在は全国で2-3軒の操業のみとなる。

名古屋市にあるトヨタ産業技術記念館では「ガラ紡績機」の動態展示がある。


―木玉毛織の「ガラ紡」糸の特長―

高速機械紡績では短繊維のワタの利用が難しく、ほとんどが廃棄処分されてしまう。
しかし低速の「ガラ紡機」ではそれらを紡ぐことが可能。
落ワタ・屑ワタの有効再利用になる。

「ガラ紡」糸は手紡ぎに近く温かみのある素朴な風合い。
独特の凹凸がある。
撚りが甘いため、給水性・給油性が高く、軽くて柔らかい。

木玉毛織では「ガラ紡」で唯一の100%オーガニックコットン(原料は大正紡績より)を使用している。
敏感肌の方にも安心でき、ファブリック・インテリア・ベビー用と多岐に使える。
汚れや油・ホコリを絡め取るため洗剤要らずの食器洗い用に。
洗顔や洗身に使えば油分を残してしっとりと洗いあげる。
綿染め、詰め物、工作などと用途は広がる。

木玉毛織株式会社:尾州・愛知県一宮市にある明治28年創業の老舗毛織工場。
現在は毛織業からは撤退し10年程前より「ガラ紡」に特化している。

―「ガラ紡」糸ができるまで―

まず最初に、「ガラ紡機」にかけるためのワタの成形をする。
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原綿を解きほぐし、打綿機にかけ、筒状の巻ワタ(撚り子)を作る。
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おそらく大正時代製の打綿機。
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騒音を立てながらゆっくりと動く。
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シート状になったワタを棒状に整える。
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糸に紡ぐための撚り子が出来ました。
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こちらが昭和初期製と推定される「ガラ紡績機」(日清ニット所有)。
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撚り子を「ガラ紡機」にかける。
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回転した円筒に撚り子を詰めていく。
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下から上へと手で介助して糸を引き出す。
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その後、ガラガラと音を立てながら紡糸していく。
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上部の巻糸が出来上がった「ガラ紡」糸。
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手紡ぎに限りなく近い機械紡績。
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ワタが減ってくると円筒からポロンと飛び出てまるで生き物のよう。
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それらは回収され、ふたたび打綿工程を経て新しい撚り子にする。
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一般的な紡績機に比べれば効率は100倍悪いと言われるが、「ガラ紡」の魅力を知った人々からは静かな支持を得ている。
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―「嘉拉糸(からいと)」-
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「ガラ紡機」を使っても最後のさいごに “糸のような半分はワタのままのような“ 紡ぎ損ねの半ワタ糸が出る。
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この半ワタ糸からも手紡ぎで十分に糸が作れる。
かえってスピニングには使いやすいようだ。
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これを「嘉拉糸(=幸せを引いてくる願いを込めて命名)」と名付ける。
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全くの不均一な状態。
オーガニックコットンの特徴としてワタの実や殻等が若干混入している。
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「嘉拉糸」は「ガラ紡」の副産物として生まれるものであり、継続は「ガラ紡」の生産次第となる。
いずれも量産はできない。
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多くのご要望・お問い合わせを受け、「嘉拉糸」の小分け販売を開始することになりました。
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販売元→キタマオンライン 「ガラ紡の副産物」
ご案内→けろ企画 「ガラ紡」からうまれる「嘉拉糸」のこと

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by kerokikaku | 2014-11-19 16:20 | ガラ紡と三八布 | Comments(0)


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