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2014年 11月 02日
2014秋のH.P.E
GWの栗駒を、ニアミスながらそれぞれ堪能したきくよ先輩とわたし。

今秋を指折り楽しみにしていたのは我々だけではあるまい。
だって鈴木照雄さんの陶展が10月に都内で開催と聞いたんだもの。

あの日は最終日、ほぼ完売の会場に訪れたのだった。
「うぬ、来たれ10月」と、満開の菜の花を背に雄たけびを上げずにはいられなかった。

待てど暮らせど。
「そろそろだよね」 「いつなのかなぁ」
10月も終わろうかという段になり、これはおかしいと照雄さんのブログをひもといてみた。
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7/30の投稿によると諸般の事情で展覧会は来秋に延期とあった。
見逃していた。

待つ方は文字どおり待つだけだが、つくる側はどれだけのことだろう。
とさえも、簡単に言えない。

何でもいいから集めて出すわけではない。
誰かのお膳立てでやる御大名展でもない。

自分と、周りと、環境と、そのほか諸々の条件がキッチリ揃わなければ出来っこない。
揃いきらなくてもなんとかギリギリ揃える。納得できなければ覚悟を決めて延期する。
ものづくりの厳しさをあらためて感じた。

すさまじい速さの大きな時代の流れもある。
時間の問題なのは火を見るよりも明らか。
それでもあと少し、あと少し、と闘っている人の作り出すものに打たれないわけがない。
ヘンなものだったら打たれません。

照雄さんに対する荒くなった鼻息は、来秋までひきずることにした。
我々はあみん化する。
ひーはー。

さて、H.P.E 2014秋の企画展が始まっています。
全4ヶ所。
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吉祥寺OUTBOUNDのDM風景は、会場で映像として流れています。
繭からシャーシャー取り出した絹糸を、巻き取らず単純に「カゴに溜めている」ことに驚いた。
さっき谷さんに尋ねると「このやり方しか知らない」と言う。
あらためて巻き取り用の道具を作ることもないので、そのままやっている。
これがH.P.Eの普通。
でもそこに焦点を置くのは違うのかもしれない。

新作の糞掃布シャツ、シルクショール、MITTAN服、豆敷等々に目が奪われるのはデフォルトとして、できれば時間に余裕を持ってお出かけのうえ映像もご覧下さい。
語彙が貧困すぎてバカ丸出しですが「おお、まじか」がきっとあります。

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H.P.E 谷由起子の仕事|ラオス少数民族との布づくり
2013/10/29(水)-11/17(月):OUTBOUND(吉祥寺)

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H.P.E 谷由起子 ラオスの手仕事3
2014/11/8(土)-20(木):月日荘(名古屋)


15年やってみて よーくわかってきたことがあります。
それは 自分が作ってみたいもの 使ってみたいもの 身に着けてみたいものを
ただ気ままにやってきただけなのだということです。
私はとても後ろ向きな人間です。
産業革命前 自動紡績機や自動織機や化学染料が生まれる前は 
世界中の布は手紡ぎ手織り草木染そして手縫いだったはずです。
どんな世界だったのだろうかと 
あこがれはますます募るばかりです。
ついこの間まで 身近な自然の材料を工夫して暮らしのすべてを
賄っていたラオスの村の人たちとの出会いのおかげで
産業革命前の時代の布作りに近いことができたこと
何とも幸せな毎日でした。
そんな布は今の時代には不要かもしれません。
でも作りました。
御高覧いただけましたら光栄です。         H.P.E 谷由起子
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でした。って過去形だ。
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ラオス H.P.E の布
2014/11/21(金)-30(日):くらしのギャラリー本店(岡山)


中略…
先日、永く愛用したタオルに穴が開きました。
とうとうきたか、、、と思いましたが、まず捨てることは考えずに、どうすれば直して使えるかな。と思いました。
それは、ただ単に愛着というだけではなく、もう二度と同じものは手に入らないから。という意識もあるかも知れません。でも、決して使わずに飾っておくのではなく、毎日、何かを何かの形で使い続けたいです。
綿を育て、収穫し、糸を紡ぎ、布を織り、育てた植物からの染料で染める。
そんな、全てが手で作られている布。縫製ももちろん手縫いです。

現地の急激な変化のなか、この貴重な布はなくなりそうになっていると聞きます。
今後の事はわかりませんが、岡山での展示もこれが最後になると思っています。だからというわけでもありませんが、一人でも多くのお客様にご覧になっていただきたいと思います。
ひとつひとつが、高い身体能力と強い肉体をもつラオスの人たちの手により作られた布。是非、お手にとってご覧くださいませ。
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2014/12/2(火)-4(木):東中野で開催の、自主企画展「H.P.E ラオスの布」についての詳細は後日お知らせします。

by kerokikaku | 2014-11-02 23:22 | H.P.E


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