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2015年 01月 18日
近江へ
はじめての滋賀上陸。
米原経由って、米原って、降りたこと、なかったなあ。

昔、23:00東京駅発ー米原行きの東海道線によく乗った。
朝6時位に名古屋着の夜行列車。
ぷらっとこだまや高速バスよりも一番安く帰省できた。
寝過せば米原だが、あのころ運よく起きられたわけだ。

冬のいつだったか、花粉時期だったか。
最高に鼻具合が悪く、ゲホゲホのズルズルだった。
夜行なのに満員、通路に立ちんぼ。
あまりの私のズルズルを憐れんで、若い男子(わたしも若かったが)が席を譲ってくれた。
自分だって寝たかったろうに、せっかく並んで座ったろうに。
奇跡かとびっくりしたがありがたく着席する。
そのままストンと熟睡してしまい、気付けば名古屋。
件の男子は消えていた。
お礼もままならなかったことを未だに覚えている。

夜行ではないが、実家の四日市ー名古屋ー大垣ー米原ーと乗換4回の3時間弱。
全てにおいてグーグーのため、景色も旅情もあったもんじゃない。

滋賀、近江のとある麻織物屋さんを見学した。
「ちょいっと見せてくださーい」という無邪気な感じでもなく、今後何かをつなげようという希望と共に。

いとへんのはしくれ歴は長いが、少し好物な程度である。
実際じぶんで織ったこともリアルな業界に身を置いたこともない。
業界用語もわからない。
なのにどういう運命のほにゃららか、染織関係にますますご縁があるのが七不思議だ。
こんなんでだいじょうぶなんだろうか。
近江へ_d0182119_23241220.jpg

織機が数十台並ぶ工場で、ガッシャンガッシャンと数台が音を立てている。
機械だが人の手があってはじめて動く、世話の焼けるマシン。
時々止まる(止めて)ので手で整える。

50年以上昔の機械のため、部品が壊れてしまうと天を仰いでアウト。
機械に調子を聞きながらだましだまし動かす。
近江へ_d0182119_23284645.jpg

こちらの老舗は、上質の麻織物をかなり頑固に作り続け、新しい商品開発にも力を入れ、社長は文字通り孤軍奮闘で戦っている。
織物業界の環境、悪しき慣習、人材育成、マーケット、壊れる部品。
毎日毎日戦っている。

けろ企画で何かできるかなあ。

ほんもの近江上布のお宝生地見本を見せていただく。
それらをプリント再現した細番手生地もあった。
近江へ_d0182119_233915.jpg

倉庫奥には垂涎の麻反物がゴロンゴロン。
なんの表示もない反物群だが、「これは?」と遠くから見せるだけで何番手でm/いくらか。
在庫状況から別色まで、社長の脳内データベースがよどみなく答えた。

あたまがいいだけじゃなく、麻愛がすごすぎる。
寝ても覚めても麻に関わることばかり考えているとお見受けする。
だから戦っているんだ。

だいたいがそう。
麻愛、貝愛、正藍愛、糸愛、布愛、毛愛、柿渋愛、アルパカ愛、金属愛、革愛、型染愛、漆愛、焼物愛、織愛、ごはん愛、あとなんだ。

これは、と思うものは、その熱量に比例して素晴らしい。
素晴らしいからといって、認められたり安定したり金持ちかってのは必ずしも比例しないらしい。
素材愛ってのが根本にあって、それで何かを作りたい愛。
作りたいひとの熱量。

素材。
そうか、ふうむ、素材。
結論は先送りします。

by kerokikaku | 2015-01-18 23:45 | そこそこその他


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