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2016年 05月 28日
川口5月田中学校 奥の院その1
きのうまで晴れ、明日も晴れ。

なのに、川口を再訪する今日は雨。
もしくは泣き出しそうな曇天。
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控えめに考えても、誰かが雨女らしいが、確定するのは次へ回したい。

5月田中学校。
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やる気モードに火がついている、リバーマウスの御大こと、正藍型染師田中昭夫宅へ再訪。
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時々お伺いし、安否確認、動作確認がわたしの主な担当部署である。
お仕事に支障ないよう、かなり前から約束をとりつけている。
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ご存知、この1年半は紆余曲折がありました。

はじめ半年は名前も顔も覚えていただけず、無視とは言わないが意に介してもらえなかった。
ようやく「あ、どうも」と笑顔で迎えていただけるステージまで上がれたことを、光栄に思う昨今である。
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早めに着くと、囲炉裏に敷いたテーブルことコタツ板を拭いて準備中だった。
お変わりなく。
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徳島で求めて、縄をぐるぐるかけて運んだという、藍甕こと豪華傘立て。
無造作だが数寄者の証。
瓦は311の震災で落ちたもの。
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干し場の緑が深い。
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邪魔だからと、昨年ぶった切った桜の葉ももうもう。
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木っコロ、何ですかと聞くと「電柱」だと。
古い電柱を切って、上に御影石の台を置き、椅子にしていたのだという。
夏はひんやり気持ちよかったという、筋金入りの酔狂っぷり。
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御大は今、帯地用の長板中型染めで忙しい。
雨だの晴れだので、日々の動きが決まるのが紺屋である。

岡崎木綿生地を、例の給食窯で精錬、用布にし、徐々に進んでいた。
型付け、正藍染め途中が何本も干してあった。
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このかたまりに1反100mが2つ入っている。
とてもじゃないが持ち上げられない重さ。
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上に乗っている糸車らしき物体を発見する。
酔狂御大らしい逸品とみた。

「こ、これは?」と問いかけたが、このあとの小騒動によりタイミングを逸してしまう。
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下の畳まれた岡崎木綿、元の色はキナリ。
上の白い反が精錬済みの用布。

精錬するとここまで白くなり、ざっくりと良い糸味の用布に生まれ変わる。
布の精錬こそが染布作りに大事な作業だということ。
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機械織布だが、それぞれの反物の布巾に長短がある。
もちろん反物長いまま染めるわけでなく、帯用サイズに巾を切りそろえて、仕事が始まる。
縮率も考えて切るのが一苦労。
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岡崎木綿を注文するにあたり(と言っても30年は下らない)、希望通りになるまでに、糸から取り寄せ、何度も試作のやりとりをしたらしい。
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これがたいへんだったんだ、と糸をいじりはじめる御大。

キラリ。

ちょっと待った!
この段ボール、怪しすぎる。
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なんで今まで気づかなかったのか、我々!


続きます。

by kerokikaku | 2016-05-28 20:35 | 正藍型染師 田中昭夫


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