2018年 06月 09日
型紙と蒅ーその1
「リバマ安否確認」とは。

正藍型染師 田中昭夫さんが、お元気で染め仕事をしてることが前提の、TGによる毎月の確認作業のこと。
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そうでなければ、ただの安否確認。
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文字通りで、間違いないんですけど。
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実は、その安否確認が、これ以降しづらい状況になってます。

詳しくは言えない。

以前ほど定期的にリバマこと川口へ行かれないってこと。
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ちなみに、田中御大ご自身の最新状況。

このうしろ姿は3日前。

前ほどお元気じゃないにしろ、こんな感じ。
ぐずつきつつも底値安定でお過ごしだ。

そういう意味ではご安心を。
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でも、染めは出来ていない。

ちょっと出来そうもない。
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仕上がりが良くも悪くも、染めとロマンティックが止まらなかった、昨年の今頃。

染めすぎ注意を促そうが、聞く耳もたずに染めまくっていた。
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あの時はあの時で困った。
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もはや長板は持ち上がらず、染めもできず。

ほぼ日がな寝転がっているらしい。

ほぼ誰とも話さないため言葉が一層出なくなる。

ほぼ、ぼんやり。
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2015年の青山の頒布会の後。

田中紺屋の仕事の軌跡として、染め布や道具や資料をしかるべき機関へ渡したい。
そんなことを考え始めた。

有難いことに染布はほとんど残っていない。
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道具や資料は、現役ならまだ使う。

こちらの意向を何度も説明し、徐々に様子を見ながら、いずれと思っていた。
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あんばいを見極めるにつれ、そろそろかと。

もちろんご本人も承諾。

今年から具体的な準備を始動している。
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「江戸時代のまんま平成の世まで奇跡的にのこった、型彫りから型付け正藍染めまでやる最後の型染職人のいる田中紺屋」を、まるごと引き受けてもらえれば本望だ。

ご本人込みだと尚良し。
いまならもれなく。

修業時代に出会ったという、流しの刷毛職人や型付け職人やら。

時代小説ばりにリアルで貴重な話が聞けるのも、今こそラストチャンスなんですけど。
あとで泣きつかれても知らないよ。
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実際、どこまで進められるか。

引き受けて下さる側の態勢と、のこされた時間と、運と、タイミングと。
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当初から、染布を手放すことに否はなかった。

終わったことだから。

そりゃもうあっさり。
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さいきんまで、型紙だけは触らせなかった。
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型染師は型紙ありき。

型紙がなければ型染が出来ない。

しかも自身で彫った命の型紙。

人に渡すなど考えもしない。
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それを「いいよ」って。

長板の上に準備して待っていた。

この意味は大きい。
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出るわ出るわ。

おなじベニバナ柄でも、レイアウトを変えたそっくり型が、4つも5つも出てくる。
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何でも1つじゃすまない。

すんでたまるか。
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伏せ型もたくさん。
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よくまあ彫ったこと。
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家族も何もかも、一切を顧みず。

型染材料となったら、超一品ばかりをあふれるほど。

食うや食わず。
たぶん食わせず。

時に、湯治宿にひとり引きこもって彫った。
夢中と言う言葉じゃ甘く、完全に愛染様に憑りつかれたキ印の仕業。

むちゃくちゃすぎてコメントなし。
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あった!
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「てっさ」とあだ名を付けた、超絶に細かな菊の花弁の型紙。

京都美山ちいさな藍美術館にコレクションして頂いている染布のものだ。

見づらいかな。
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当人背景でどうよ。
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もちろん1パターンではすまない。

大きさを変えて彫ってある。
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それにいちいち驚かない。
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少しずつ違う伏せ型が何枚も出てきた。
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てっさ柄の染め発展形として、5パターンの伏せ型。

どんな染めになったのか、染布が残っていないのが残念だ。
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みんな大好きなイカリ型もあった。

当然、イカリと縄のレイアウトを変えて何パターンもあった。
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以上、小幅の帯用の型紙。

じゃあ次、広幅の型紙を出していいですか。
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さすがにデカっ。

田中紺屋に都合60数回通ったわたしも、はじめて見る広幅用の型紙。

質と量の圧倒的な迫力にたまげる。
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大判の柿渋紙1枚。

それなりだ。
いったいどれだけの経済だろう。

めまいをこらえ、思わずそろばんを弾くわたし。
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珍品発掘。
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手で書けば早いが、型染師としてはそうもいかなかったらしい。

そっとお戻ししておく。
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きゃあ、こ、これは。

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続きます。


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by kerokikaku | 2018-06-09 19:51 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


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