2018年 06月 23日
カンフル注入-その1
この先簡単にはリバマへ行かれない。

その理由は、どこまでもふんわり濁したい。

リバマこと、リバーマウスこと、川口の正藍型染師 田中昭夫。

鳴らしても出ないケータイは解約し、家電話のみ。
本人と話せる保証もない。

のろしか伝書鳩でしか連絡がとれない。
上げて飛ばして気付くかどうか。

そんな矢先。
d0182119_19473389.jpg
「藍がおかしくなっちゃってさ、どうしていいんだかわかんないんだ」

と、あっさりご連絡。

あっさりすぎて腰砕け。
d0182119_20050275.jpg
困ったときだけガンガン電話するのがリバマシステム。
朝も夜もありゃしない。

テクニカル問題があれば、菅原匠さんか黒幕こと津田千枝子を頼る。

小憎いのは、スッと飛んでくると見越して、黒幕にかけたところ。
終いには「何度かけても出ない」と文句を言う。


舌の根も乾かず、濡れそぼる梅雨6月。

またしても。
万障繰り合わせ、リバマへ急行かよ。

性懲りのない我々を、さあ笑え。
d0182119_19455003.jpg
しばらく降りることもないな、と。

ついさいきん、感傷にふけた気がしなくもない、リバマ再び。
d0182119_20261574.jpg
やれやれやれやれやれやれ。
d0182119_20263787.jpg
「助かったよ、わざわざありがとう」

万にひとつも言われたら、かえって大事件だ。
d0182119_20320620.jpg
心配ご無用。

「やっと来たか」ってな苦虫全開。

「待ちくたびれた」と言わんばかり。
d0182119_21494183.jpg
聞けば「順調に建っていた播磨藍が狂った」と。
d0182119_21213598.jpg
4月はちゃんと染まった。

だって、貯まったTポイントで、禁断の私物染めしてもらったんだもの。
d0182119_20355844.jpg
5月GWのダッチョ手術後、おシモは治ったが体調のすぐれぬ日々。

あの御大にして、染めどころではなかった。
d0182119_20410274.jpg
それでも老体に鞭打っていた。

大甕2つから、向かいの小甕3つ(といってもデカい)に藍を移し替えていた。

藍のためならオレはやる。
d0182119_21173548.jpg
上のように、甕覗きレベルしか染まらない。

5月は電池切れだった時計が直っていたのは、少々前向き。
d0182119_20342699.jpg
どんより色の藍。
d0182119_21263873.jpg
すいぶんアルカリが高い。

これを鎮めるには、時間がかかる。
d0182119_21293622.jpg
「何もやってない」と言うけれど。

なんか、やらかしたんだろうな。

そうに決まっている。
d0182119_21393828.jpg
このところ、勘の鈍っている感が否めない。

イラチに拍車がかかり、以前に増して辛抱がきかない。
d0182119_21414790.jpg
「あわてないで、様子見て」なんて。

何の呪文にもならない。
d0182119_21444346.jpg
「この藍はダメだ、捨てて新しい藍で建て直すしかないな」

藍染め歴60年、正藍型染師 田中昭夫83歳。

得意の善後策とばかり言い放った。

d0182119_21520586.jpg
「ダメよ!」

ピシャリと黒幕に言われた。
d0182119_21552196.jpg
正藍の蒅を手に入れるのは簡単ではない。

今だって、予約済みで一杯の播磨藍を無理に横から分けてもらっている。

簡単じゃないことを忖度する我々はもう3度目。

「最後の藍」にみんなが協力してくれた。
最後最後、は何度目の最後か。

もうこれ以上お願いできない。
したくない。

わがまま放題やってきた藍人生。
ダダをこねれば、何とかなると思ってる。

この藍がダメになったら、これまで。
ないものはない。
d0182119_22171392.jpg
苦虫、仁王立ち。

「それじゃあ、困る」

頑としてゆずらない。
d0182119_21545555.jpg
たまげたね。

この人は。

この期に及んで、どの口で言うかね。

生まれてこの方、自分の藍の事しか考えていない。
d0182119_22222805.jpg
案の定、とってあった播磨藍を先週菅原匠さんに送ってしまったことをブツブツ言い出す始末。

藍がダメならこの世の終わり、と同義語らしい。

見えない炎でメラメラし始めた。
d0182119_22245503.jpg
再度「ないものはしょうがないのよ」と、黒幕がピシャリ。

夢見の悪い哀れな姿。

しかし我々はほだされてはイケない。

ない蒅は魔法でも出せない。
心をグッと強く持たねば。


続きます。



[PR]

by kerokikaku | 2018-06-23 23:35 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)


<< カンフル注入-その2      閑話 >>