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2019年 01月 30日
直感を信じなかった
岩立フォークテキスタイルミュージアムにて開催中、キリム展が見ごたえがあって面白い。
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うちにあるキリム関連。
知識のちの字もないまま集まった。

何か共通点がある気がしていた。
ふかふかギャッベよりざらりとしたキリムの方が好み、というだけでなく出自のような。
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会期中開催のギャラリートークや講演会にいそいそ出かけ、ほぉなるほど。
大いに感心する。

心打たれたにも関わらず、一歩外に出ればはかなく雲散霧消。
海馬がやれらている。

アフガニスタン・何とかスタン・タンタンタン。
イラン・イラクの区別も曖昧模糊。

面白かった、というだけで何ひとつレポート出来ない悲しさよ。

「大きなナンを包んで保温保湿」する為のキリムがあるのだけは記憶。
入って正面右奥、黒くて四角くて赤いギザギザの。

ああ、布にはいろんなニーズがあるのだなあ。
世界はワンダーに満ちているんだなあ。

まだ先、3月16日までだと胡坐をかきませんように。
2月の毎週土曜はプラス200円で目明きになる好機だ。
ギャラリートーク時間にお出かけになることをお勧めします。

次いで、SPINNUTS 別冊『インドからはじまる 大地の布を求めて』が素晴らしかった。
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岩立先生のこれまでの布探しの道程が、簡潔ながらギュギュッと凝縮されている。
さらっと読めて携帯できるお気軽サイズ。

小冊子とあなどるなかれ、名本だった。
どこをめくっても我が身が引き締まり、布好き初心をくすぐられ、気持ちの良い緊張感に包まれる。
先ほど、電車内で目頭が熱くなってしまったわたしは、どこか痛んでいるのだろうか。

で、わたしくらいになっちゃうとサインをおねだりしちゃう。
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うしろに写っている絨毯は20年程前、国内の確かな筋から求めたもの。
アフガニスタン製とのことだったが、今展のおかげでバルーチ族のだとわかった。
折紙がついた気分で鼻が高い。

さあこの足で日本民芸館も行こう。
柳宗悦の「直観」ー美を見いだす力-展。

ここしばらく、閉じこもり作業のわたしだ。
せっかくの外出の機会、有効に動きたい。

とは言え、何となく足が重かった。

気分は悪くない。
向学心にあふれている今なのに、行くのぉ?って感じ。

帰り道、井の頭線の沿線上にも関わらず「パスしたいなあ…」という気になっている。
あらら、どうしたの、わたし。
億劫。

行かない明確な理由もないし、時間もあるし。
ちょっと下車して寄るだけだ。

行くでしょう、せっかくだもの行かなきゃ。
くすぶってちゃイカン。

休館日じゃないことは確認した。

不穏な己の深層心理をなだめすかし、日本民芸館へ。

冬の平日、夕方。
ひとけが薄く、観覧にはナイスタイミング。

5時を告げるチャイムがちょうど鳴った。

ガラガラと玄関戸を滑らせて入る。
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「本日は閉館しましたのであらためてお出かけ下さい」

だって。

5時。

だって。

オーマイ。

あたくしの直感が正常作動してたってことか。
直感では「行きたくなかった」んだよな。

それを信じなかった結果がこれ。

宇宙の大きな意思をもって、あなどりまくってきた自分の直感を信じたまえ、とニヤリ誘導された気分。

「直感」展、だって。

分かりましたよ、分かったってば。

ちっ。



by kerokikaku | 2019-01-30 10:43 | 情報として


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