カテゴリ:正藍型染師 田中昭夫( 138 )

2018年 06月 10日
型紙と蒅-その2 ※染め画像追加しました
A1ポスターサイズ以上。

超BIGな型紙。
d0182119_11452261.jpg
なんだこれ。

スッケスケ。
d0182119_11454027.jpg
皆様のお手元にございます、2017年3月の例の月日荘展で販売したアレ。

田中紺屋の染布をご紹介した小冊子。

お持ちですよね。
d0182119_12574951.jpg
初日OPEN1時間後のギリギリアウトで納品され、あわてて直筆サインを入れた、アレ。
d0182119_15144449.jpg
表紙をめくり、サインとハギレの下。

その水玉布の「型紙」なのです。
d0182119_12582580.jpg
かわゆい水玉。

このシンプルな意匠のためには、BIGスケスケ型紙が必要。
白地の多い型染は、彫るのも染めるのも大技だ。

オモテの白地は、糊がべったり付いた証拠。
ウラは藍で染まって青一色。
d0182119_13040230.jpg
これを型付けする気が知れない。

まあいい。
型付けしたとしましょう。

たっぷり糊の付いた120cm広幅布。

糊がくっつかないよう、屏風たたみに太い伸子をかけ、大甕で染める。

ちょうどいい写真がありました。
4年前、小幅布の染め風景。
d0182119_09454954.jpg
広幅は、この3倍以上の120cmなんでね。

3-40年前の若かりし頃の写真もありました。
これも小幅です。
d0182119_09454577.jpg
広幅の、しかも白地型を染めるって。

想像するだに二の腕プルプル。
狂気の沙汰

柄の可愛らしさとは真逆の鳥肌もん。

ハードコア仕事がおわかり頂けましたか。
d0182119_11455402.jpg
さあ、この意匠を彫るとしましょう。
d0182119_11595047.jpg
すると、ちょっと太いのも染めたくなって。
d0182119_11593266.jpg
さらに、ちょっと小さいのもほしくなる。
d0182119_12001726.jpg
同類の型はだいたい3枚。

もし型彫りを外注に出したら経済的遠慮とかいろいろあるけど、自分で彫るからさ。
彫りたい放題だね。

あふれる思いを押さえずに彫るので掛け算方式。

1度しか型付けていないもの多数。

アーティストと職人の、やばいところだけを混ぜ合わせた御性質。
d0182119_12011284.jpg
やれやれ。

棚の中は大小の型紙でみっちり。

ざっと数百枚。
d0182119_11533788.jpg
全体のほんの一部、さわりだけでおなかいっぱい。
これで十分です。

何枚かお預かりしますね。
悪いようには致しません。

るるは守ります。
d0182119_13390909.jpg
では藍場に移動。

毎度大騒ぎ、藍の具合について。
d0182119_12433345.jpg
最後の藍建てから早や4年目、今季の最後の藍
「最後」って言葉の重みがライトだが気にしない。

ここ2年は、ご厚意で分けて頂いた播磨藍を使っている。

いつだって寒明け蒅を待って待って待ちくたびれ。
前のめって建ちが遅れたものの、2018年6月現在、藍は建っている。
d0182119_13352501.jpg
だが、なんと。

染める布がない。
d0182119_19115599.jpg
ま、まさかの。

だって、型付けできないから、型染のしようがない。
d0182119_13420078.jpg
とは言え、藍の世話は欠かさないよ。

いつだってスタンバイ。
d0182119_16044232.jpg
ところで、この「筒引きのれん」で分かるだろうか。

唯一、田中昭夫と交流のある藍染作家。
伊豆大島在住の菅原匠さん。
d0182119_14064020.jpg
第一線でご活躍の菅原さんをもっても、最近は質の良い蒅が手に入らないという。

ご承知のように、蒅の生産量は限られたわずかのみ。
それを鵜の目鷹の目。
プロアマ国内外を問わず、蒅を取り合う。
情け容赦ない藍なき世界。

黒幕こと津田千枝子は、菅原さんより「播磨藍をどうにか手配してほしい」と頼まれていた。

しかし予約で埋まった蒅は、田中紺屋分を捻出するので精いっぱい。
次期分さえ、種まき後で余分はない。

藍師さんも、かの菅原匠さんを断るのは断腸の思いだろうが、ない袖は振れない。
d0182119_14161721.jpg
「そうだ田中さん、今年の蒅の半分、残してあったわよね」と黒幕。
d0182119_14175262.jpg
いつも2俵まるまる藍甕にぶっこむところ、今年は半分の1俵だけを仕込んでいた。

そんなこんなで豪儀な追加投入もせず、残1俵は保管中。
d0182119_14184371.jpg
リバ爺こと田中昭夫、83歳の初夏。

これ以上の染め仕事は観念している。

貴重な播磨藍の蒅が半分残っている。

さんざんお世話になった菅原匠さんが困っている。
d0182119_14232810.jpg
一も二もねーよ。

送っちまおうぜ。
d0182119_14225870.jpg
BOXの蒅は1俵弱で約50kg。
d0182119_15353184.jpg
これじゃあ重すぎて送れない、とクロネコがニャーニャー叫ぶ。
d0182119_15312671.jpg
ならばお望み通りに小分けしよう。
d0182119_15302813.jpg
はいさい、どんどん入れて。
d0182119_15380575.jpg
逃げ足と小分けは早いんだぜ。
d0182119_15315763.jpg
まるでゴミ擬きだが、一部に垂涎のお宝。
ブルーダイヤの素と誰が知る。

クロネコは呼んどいたから、あとは待ってて。
d0182119_15331749.jpg
じゃあ帰る。

なんかあったら電話してね。

「うん」
d0182119_16230157.jpg
というわけで、染布・資料・型紙のいくつかを引き上げさせてもらった。
播磨藍の蒅は、ひとつぶ残さず菅原さんに送った。

これで一旦ひと区切りってわけ。
d0182119_16240422.jpg
わたしたちは故あって、今後こちらへ簡単に来られない。

いいも悪いも、いろんな思いが交錯する。

あ、まだ生きておられますんで。
d0182119_19183597.jpg
田中さんってさ。

仕事をしないで毎日どう過ごすのだろう。

散歩とか運動とか、聞かないし。
寝てるだけかな。

やることないだろな。

ケイタイ止めたし、連絡しづらいな。
d0182119_16350253.jpg
それでも。

正藍型染師 田中昭夫、さいごの心の支え。
やるべき仕事は播磨藍の世話。

3日前も、火壺におがくずを入れ、乳母日傘で大事に温めていた。
d0182119_16402958.jpg
何も染められなくても。

藍の世話だけはするんだ。


[PR]

by kerokikaku | 2018-06-10 20:21 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 06月 09日
型紙と蒅ーその1
「リバマ安否確認」とは。

正藍型染師 田中昭夫さんが、お元気で染め仕事をしてることが前提の、TGによる毎月の確認作業のこと。
d0182119_09325469.jpg
そうでなければ、ただの安否確認。
d0182119_10061735.jpg
文字通りで、間違いないんですけど。
d0182119_10060975.jpg
実は、その安否確認が、これ以降しづらい状況になってます。

詳しくは言えない。

以前ほど定期的にリバマこと川口へ行かれないってこと。
d0182119_10152353.jpg
ちなみに、田中御大ご自身の最新状況。

このうしろ姿は3日前。

前ほどお元気じゃないにしろ、こんな感じ。
ぐずつきつつも底値安定でお過ごしだ。

そういう意味ではご安心を。
d0182119_10123182.jpg
でも、染めは出来ていない。

ちょっと出来そうもない。
d0182119_10183808.jpg
仕上がりが良くも悪くも、染めとロマンティックが止まらなかった、昨年の今頃。

染めすぎ注意を促そうが、聞く耳もたずに染めまくっていた。
d0182119_13235265.jpg
あの時はあの時で困った。
d0182119_13203802.jpg
もはや長板は持ち上がらず、染めもできず。

ほぼ日がな寝転がっているらしい。

ほぼ誰とも話さないため言葉が一層出なくなる。

ほぼ、ぼんやり。
d0182119_10410310.jpg
2015年の青山の頒布会の後。

田中紺屋の仕事の軌跡として、染め布や道具や資料をしかるべき機関へ渡したい。
そんなことを考え始めた。

有難いことに染布はほとんど残っていない。
d0182119_11092710.jpg
道具や資料は、現役ならまだ使う。

こちらの意向を何度も説明し、徐々に様子を見ながら、いずれと思っていた。
d0182119_10420333.jpg
あんばいを見極めるにつれ、そろそろかと。

もちろんご本人も承諾。

今年から具体的な準備を始動している。
d0182119_13201419.jpg
「江戸時代のまんま平成の世まで奇跡的にのこった、型彫りから型付け正藍染めまでやる最後の型染職人のいる田中紺屋」を、まるごと引き受けてもらえれば本望だ。

ご本人込みだと尚良し。
いまならもれなく。

修業時代に出会ったという、流しの刷毛職人や型付け職人やら。

時代小説ばりにリアルで貴重な話が聞けるのも、今こそラストチャンスなんですけど。
あとで泣きつかれても知らないよ。
d0182119_15020878.jpg
実際、どこまで進められるか。

引き受けて下さる側の態勢と、のこされた時間と、運と、タイミングと。
d0182119_11132684.jpg
当初から、染布を手放すことに否はなかった。

終わったことだから。

そりゃもうあっさり。
d0182119_10542977.jpg
さいきんまで、型紙だけは触らせなかった。
d0182119_10553951.jpg
型染師は型紙ありき。

型紙がなければ型染が出来ない。

しかも自身で彫った命の型紙。

人に渡すなど考えもしない。
d0182119_12134442.jpg
それを「いいよ」って。

長板の上に準備して待っていた。

この意味は大きい。
d0182119_11004726.jpg
出るわ出るわ。

おなじベニバナ柄でも、レイアウトを変えたそっくり型が、4つも5つも出てくる。
d0182119_11152300.jpg
何でも1つじゃすまない。

すんでたまるか。
d0182119_11173092.jpg
伏せ型もたくさん。
d0182119_11181111.jpg
よくまあ彫ったこと。
d0182119_11184830.jpg
家族も何もかも、一切を顧みず。

型染材料となったら、超一品ばかりをあふれるほど。

食うや食わず。
たぶん食わせず。

時に、湯治宿にひとり引きこもって彫った。
夢中と言う言葉じゃ甘く、完全に愛染様に憑りつかれたキ印の仕業。

むちゃくちゃすぎてコメントなし。
d0182119_12382826.jpg
あった!
d0182119_11193305.jpg
「てっさ」とあだ名を付けた、超絶に細かな菊の花弁の型紙。

京都美山ちいさな藍美術館にコレクションして頂いている染布のものだ。

見づらいかな。
d0182119_11245797.jpg
当人背景でどうよ。
d0182119_11264540.jpg
もちろん1パターンではすまない。

大きさを変えて彫ってある。
d0182119_11283261.jpg
それにいちいち驚かない。
d0182119_11280928.jpg
少しずつ違う伏せ型が何枚も出てきた。
d0182119_11301914.jpg
てっさ柄の染め発展形として、5パターンの伏せ型。

どんな染めになったのか、染布が残っていないのが残念だ。
d0182119_11315013.jpg
みんな大好きなイカリ型もあった。

当然、イカリと縄のレイアウトを変えて何パターンもあった。
d0182119_11341020.jpg
以上、小幅の帯用の型紙。

じゃあ次、広幅の型紙を出していいですか。
d0182119_11421960.jpg
さすがにデカっ。

田中紺屋に都合60数回通ったわたしも、はじめて見る広幅用の型紙。

質と量の圧倒的な迫力にたまげる。
d0182119_12592192.jpg
大判の柿渋紙1枚。

それなりだ。
いったいどれだけの経済だろう。

めまいをこらえ、思わずそろばんを弾くわたし。
d0182119_11430322.jpg
珍品発掘。
d0182119_11553070.jpg
手で書けば早いが、型染師としてはそうもいかなかったらしい。

そっとお戻ししておく。
d0182119_12452642.jpg
きゃあ、こ、これは。

d0182119_11435886.jpg
続きます。


[PR]

by kerokikaku | 2018-06-09 19:51 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 05月 28日
9の意味
五月2回目の田中学校。
d0182119_20520466.jpg

上記、あらためて説明します。
d0182119_20575184.jpg
十二月田中学校って、まるで毎月「田中学校」で勉強でもする風の難読バス停を、べつに降りもせず、ただ単に通過して向かった先に住まわれる正藍型染師 田中昭夫さんをそろりと安否確認する、誰に頼まれもしない自主クラブ活動のことを、十二月に限らず適当に月ごとに動詞化したもの。

今は5月だから五月田中学校。
6月なら六月田中学校。

田中紺屋への道すがらの、降りたことのない「十二月田中学校」バス停。
d0182119_21034174.jpg
ちなみに「しわすだちゅうがっこう」と読みます。

「〇がつたなかがっこう」とは読まない。
d0182119_10515769.jpg
どうでもいいですね。

さあ、太郎焼を横目に先を急ごう。
d0182119_10514753.jpg
1週間前はダッチョ手術の直後であった。
d0182119_18445263.jpg
術後の経過はバッチグー。
なのに、気力・体力がガクンとダダ落ち。
すぐフニャっと横になった。

正直、もはやこれまでかと。
あのまま寝込んでいなきゃいいんだけれど。
d0182119_10553175.jpg
あれから数日。

黒幕こと型染作家津田千枝子も同行の本日。

水分補給のお茶&カロリー補給のプリンを持参して伺う。
d0182119_10530636.jpg
あそこに見えるヨタヨタは、まさか。

夏日の麦わらの主は、やはり。
d0182119_10563055.jpg
想定外が想定内のリバマ。

病み上がりの83歳は炎天下にいた。
水も飲まずの草刈り中。

ベッドで伏せっている予想は大いに覆された。
d0182119_10574401.jpg
あれ、今日だっけ?
昨日ずっと待ってたけど来ないからさ。

苦虫を百匹くらい潰した、たいそうイヤなお顔でお出迎え。
d0182119_10583662.jpg
ちなみに日にちを間違えてたのはそっちですけど。

って、そういうのは聞こえない。
d0182119_18411328.jpg
ご寵愛のなにがし。
d0182119_18414597.jpg
本日は午後に遠方よりお越しの客人と、やんごとなきミーティングがある。

田中紺屋は土埃まみれ。
加えてトムとジェリーのジェリーのナニがそこかしこ。

にわかでも、午前だけでも、お掃除をさせてもらいたい。

暑いからさ、水分摂るの忘れないでね。
d0182119_18462546.jpg
まず、板場の掃除をする。
d0182119_18531473.jpg
なのに、型紙を前に手が止まる。

よくこんなに沢山彫りましたよね。
自分で彫って染めるって、世界中でも田中さんだけですかね。

型紙は命。
d0182119_19051239.jpg
意外にも「染めた布」への執着は薄い。

自分のための「渾身の1反」を持たない。
染めたら終わりとばかり、布に執着はない。

型紙はちがう。
染め布とは別の思いのようだ。

一度たりとも人に触らせたり、ましてや手放したことはない。
d0182119_18525995.jpg
まだ紗の貼ってない型紙もたくさんあった。

いずれ型紙の整理も必要ですね。
d0182119_19330462.jpg
この後行われた客人とのミーティングについて。

慌てるな危険。
お話するには時期尚早で勇み足。

まだ我々さえどうなるかわからない。
カタチになったら、拙ブログでお知らせします。

なので、本日お話しできることは無いに等しく。
d0182119_19344078.jpg
で、朝からなんとなく気になっていた案件。

ご覧のあなたもきっと。

帰る間際、思い切ってリバマ御大へ尋ねてみた。
d0182119_19363305.jpg
汚れなのか何なのか。

左肩の「9」。

それ、なんですか?
d0182119_19371221.jpg
ああこれ。

「タ」だ。
d0182119_19575736.jpg
もしや、ダッチョ時の、入院着?
d0182119_20301025.jpg
絶妙な位置。

そこに書くかなあ。

たった2日の入院で、しかも「タ」。
d0182119_20144765.jpg
「べつにどうでもいい」ってさ。
d0182119_19594223.jpg
そのセンス、面白いです。

まあね。

ほんとうにおかしな人は、自分のおかしさに自覚がない。

その好例としよう。
d0182119_20172249.jpg
※これは川口駅西口リリアにあったレリーフで、レリーフって横から見るとヘンだなって思って撮っただけで、本文とは一切関係ありません。


[PR]

by kerokikaku | 2018-05-28 20:32 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 05月 18日
5月のリバマ
ダッチョの具合が悪い。

GWに手術なんだ。

黒幕ー白ヤギホットラインで発覚した、想定内の事実。
d0182119_22561625.jpg

かくして数日後。

さっぱりしたお声で「退院したんだけど」コールが黒幕にあったそうな。

手術前より、よほどクリアな口調だったらしい。

おシモがモゾモゾするのは、誰だって気分がよくない。
手術で治ったなら何より。

d0182119_22203737.jpg
快気祝いと言う名の安否確認は、いよいよわたくしの出番か。

なんとなくプリンを買って、いざリバマ。

太郎焼でなく。

d0182119_22203166.jpg
リバマこと川口上陸、通算何度目かは数えない。

もはや無意識でもたどり着ける、おなじみルート。

何周目かの5月田中学校。
d0182119_22243487.jpg
いちおう、ランチ候補のトンカツ屋をチェック。

そして愕然。
d0182119_22251466.jpg
臨時休業が多いのが玉に瑕の名店。
d0182119_22255507.jpg
向こうのソバ屋はどうだろう。
d0182119_00354594.jpg
思考停止。
d0182119_00360089.jpg
ともかく、まず、リバ爺の安否確認へ。
d0182119_22265155.jpg
あれ、もしや?

ずいぶんスレンダーなオールドマンが、のろのろと入ったような。
d0182119_22343037.jpg
オールドマンとは、正藍型染師 田中昭夫その人であった。
d0182119_22352453.jpg
なんか、すっきりしましたね。

つうか、痩せましたか。

「うん、ガラガラだ」
d0182119_22355034.jpg
鶏のガラと、痩せのガリ、が混同しているが、まあいいでしょう。

正藍型染め、川口の巨匠83歳。
生存確認、とりあえず、ヨシ。

いちおう周囲もパトロールさせてもらいます。
d0182119_01155830.jpg
干場は、雑草の楽園、ヨシ。
d0182119_22373647.jpg
ご寵愛のバラは、満開、ヨシ。
d0182119_22392115.jpg
藍場は、いぶりがっこ、ヨシ。
d0182119_22492634.jpg
周辺設備、確認、完了。

藍染め巨匠、ご本人のみ、不完全です。
d0182119_23023365.jpg
ダッチョ手術はたぶん成功。

だけど、その前後からのモヤモヤが災いし、冴えないことこの上ない。

やる気っつうんですか。

気力っつうんですか。
d0182119_23015364.jpg
急に痩せたので、体力がついてこない。

フニャっとなる。

しんぼうたまらん。
d0182119_22361461.jpg
持ってきたプリンを無理やりおかわりさせ、2個一気食いして頂く。

まあ、結局ペロリなんですけど。
d0182119_23445192.jpg
実は来週、ちょっとした重要ミーティングが、ここ田中紺屋で行われる。

ヒトんちとは言え、格好つけに掃除しとかないとマズイ。
オールドマンに頼むわけにはいかない。

ということで、はせ参じた次第。

安否確認は二の次で、掃除がメイン。

モノをどかして、掃除機かけて、雑巾がけ。
病み上がりの御大も働かされる、青天の霹靂日。
d0182119_23435664.jpg
「これ、持ってっていいよ」って。

わたしくらいになっちゃうと、その言葉の意味を、確実に理解している。

翻訳機にかけると「持ってっていいよ」=「どうぞ差し上げます」
d0182119_23455738.jpg
さて何を下さるのかしら。

ジャーン。

くしゃくしゃの股引。

なんでまた?
d0182119_23480586.jpg
「オレの染めじゃないし、既製品だし、着ないから」って。

「正藍って書いてありますよ」

「そりゃウソだ、何でも正藍って書くんだ」って。
d0182119_23514473.jpg
病み上がりのリバマ御大より、不用品の、ウソの正藍の、いらない股引を頂戴しました。

おやさしいのか、何なのか。

いちお、もらっときますけど。
d0182119_23591919.jpg
身に覚えがあると思いますが、掃除のときにヘタに手を止めると進まない。
d0182119_00050444.jpg
昔の写真なんか、見はじめた日にゃあ。
d0182119_00061775.jpg
30年、いや40年前か。

バリバリ藍×愛伝説でしたね。
d0182119_00073816.jpg
きゃあ。

80年前ってか。

なんで、道端で写真撮りするんですかね。
d0182119_00145934.jpg
今も昔も、苦虫顔とロマンティックが止まらない。

お母さんに抱かれた、おんば日傘の、甘えっ子の、大事っ子の、末っ子の。

オレ、昭夫、ベイベー。
d0182119_00154195.jpg
あらららら。
さらなる苦虫顔伝説。

全世界に向けて、反旗を翻しそうなPUNKなポートレート。

大人げないオトナ。
何なんすか。
d0182119_00164881.jpg
オラ、文句あっか。
d0182119_00174650.jpg
ないっす。
d0182119_00193979.jpg
こうしてみると。

田中さんってヒトは、これでも多少、丸くなったんだろうね。
d0182119_00203399.jpg
漫然とスルー。

知らんけど。
d0182119_00214061.jpg
さらに発掘。

正月の初染め、年賀状用の染め、ですね。

ダルマちゃんやら、馬やら、色々と。
d0182119_00230520.jpg
この先どんだけ染め布を売るおつもりなのか、存じませんけど。

染め布に添える「取り扱い説明」の紙。

段ボール一杯、出てきました。
d0182119_00241785.jpg
そこまでの販売予測にお応えできない。

けろ企画は非力だ。

伏してお詫びするしかない。

つうか、端っこが変色しちゃってますけど。
d0182119_00260932.jpg
昔の写真とか、見はじめるの禁止にします。

終わんないから。

そんで、せっかくの晴天なんで、座布団干しときます。

家主に似て、意志の強そうなBIGな雑草。

ウソの芝に堂々と生える。
d0182119_00274597.jpg
その上へ葦簀を引く。
d0182119_00294861.jpg
ほんとは新作染布を干すのに最適な日ですけど、干すものないんでしょうがない。

旧作の虫干し日和。

ランチ選択権が奪われたわたくしは、空腹の中、大掃除に明け暮れる。
d0182119_00383930.jpg
藍場は、まるで砂漠にホウキがけ。

履いても履いても砂が舞う。
d0182119_00523948.jpg
ビルケンが、砂ぼこりでえらいことに。
d0182119_00512677.jpg
給食窯の水を撒いて、一気にホコリを流したい。

邪気も砂も、じゃんじゃん水に流して終わらせたい。
d0182119_00464180.jpg
ああ気持ちいい。

御大が横たわって口出さないのをいいことに、ひとり水かけ祭り。

ワッショイ。
d0182119_02112330.jpg
わかったこととして。

昔ながらの作業場、ここ田中紺屋。

しばらく稼働しないと、あっという間に朽ちる。

気付けば、すっかり荒れる。
d0182119_00581946.jpg
リバ爺こと、正藍型染師 田中昭夫さんが、きっちり稼働していないと、あっという間にあばら家。

あっという間です。

早いです。

ことしに入って、ほとんど仕事が出来ていなかったため、作業場の空気が流れていない。

そういうの、早いです。
d0182119_01004096.jpg
とりあえず、リバ爺自体は、かろうじて健在。

痩せて、体力がなくなって、ぐったりして。

この後の染めも出来るのかどうか、全く怪しいですが、なんとかかんとか。
d0182119_01011314.jpg
そして、わたしたちは、ある程度の覚悟を決めなくてはいけない。

それを思い知らされた5月田中学校。
d0182119_01034077.jpg
わかっちゃいるけど。

いつまでも、って言ってもさ。
d0182119_01255826.jpg
できないんだ、ってことよ。



[PR]

by kerokikaku | 2018-05-18 01:04 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2018年 04月 13日
リバ爺の不穏
朝6時に電話が鳴り「田中ですけど、電話した?」とか。
深夜未明の2時に鳴ったりと。

元来、ピントの合わないわたくしと田中紺屋。

使いこなせない携帯電話を解約した。
と風のうわさ。

シロヤギ郵便が届くこともない。
わたしの電話番号も知らんだろう。

のろしを上げたとて気付くと思えない。
伝書鳩はAmazonに在庫あるのか。

2月末に仕込んだ播磨藍が建った頃だ。
安否確認は直接伺うしかない危機的状況。

いそいそと片道2時間余を急ぐ。
d0182119_19073511.jpg
お花いっぱいの太郎焼き。
d0182119_19103947.jpg
不穏な予感はリバマの恒例行事。

ちょい気の重い4月田中学校。
d0182119_19130923.jpg
干し場は、たんぽぽとシロツメグサで春爛漫だった。
d0182119_19144266.jpg
ということは、干し仕事をしていない証拠。

うその芝にもたんぽぽ。
d0182119_19152505.jpg
お声がけするが、返事がない。

火壺はいぶっており、生存確認は済みとする。
d0182119_19160918.jpg
でっかいぼたん。
d0182119_19172088.jpg
ご寵愛のバラはこれからだろうか。
d0182119_19174851.jpg
すみませーん。

リバマにおいて想定内はいまだかつてなく、「想定外」として横になっていた。

現在午前10時半。
d0182119_19192916.jpg
顔色も悪く、顔つきも違った。
d0182119_19232016.jpg
心なしか、わたくしへの信頼度がダダ下がりしていた。

株価大暴落。

そりゃ信用に値しないのは認めますけど。
d0182119_19281800.jpg
おシモの具合が悪いと聞いていた。

どうやらダッチョウとのこと。

なんもかんも、もうダメだって。

染めも出来ないんだって。
d0182119_19302403.jpg
ともかく。

播磨藍の様子はどないでしょうか。
d0182119_19324801.jpg
試し染めしてみるか。

ハギレを取りに板場へ移動。
d0182119_19332026.jpg
板場の型付布も、数か月そのまま。

時間が止まっている。
d0182119_19351695.jpg
しょうがない。

調子が悪いのだ。
d0182119_19360799.jpg
播磨藍を仕込んだ2つの大甕にハギレを浸す。
d0182119_19374864.jpg
10分待つ。
d0182119_19381535.jpg
見ると、時計が電池切れで止まっていた。
d0182119_19415163.jpg
そういうことからして。

気分が落ちているのだろうか。

だろうね。
d0182119_19395252.jpg
ま、腕時計で染め時間をチェックしてるんでいいんですが。
d0182119_19424032.jpg
健康って大事ですね。

心身に響きますよね。
d0182119_19405618.jpg
あーダメだ。
d0182119_19431997.jpg
もっと濃くないとダメだ。

ぼやきながら、徐々にいつもの調子に戻ってきた。
d0182119_19441780.jpg
これじゃダメだ。

こんど蒅を足しとこうかな。
d0182119_19445320.jpg
ネガティブ発言が全開だった。

ダメダメの連発。

それでも、寝転がっているより藍の世話してる方がマシみたい。
d0182119_19454364.jpg
でもま、冴えないみたいですね。

すいぶんジジイっぽくって、なんともはや。
d0182119_19471902.jpg
オレさ、金がなくてさ。
d0182119_19470590.jpg
仕事も出来ないし、もうダメなんだ。
d0182119_19525296.jpg
唐突な重大告白。

藍以外の話をしたことのない口からそんな話。

TGとしてここ数年、けっこう頑張らせて頂いたつもりなんですけど。

非力でしたかねえ。
d0182119_19541365.jpg
1年前の大騒ぎで使った吸い上げポンプもぶっちゃけてあった。
d0182119_19504201.jpg
ダッチョウだし、その他いろいろ面倒があって。

天中殺とサンリンボウと鬼門が重なり、まったく冴えない御大。
d0182119_19490273.jpg
わたしに出来ることってありますかね。
d0182119_20074858.jpg
そろそろ腹時計が鳴る正午頃。

金がない、なんて言うもんだから、ついぞ禁断のセリフを吐いてしまった。

「わたしがゴチしますから、生姜焼き、行きませんか?」
d0182119_20094019.jpg
なんつうか。

どうなってんだか。

早いのなんの。

「TG生姜焼き永年無料権」を無下にしたのは正解だったのか。

なんなのか。
d0182119_20104425.jpg
話すこともなく、いただきましょう。

けろ企画のおごりで慰労させてもらいましょう。
d0182119_20115862.jpg
生姜焼きに罪はない。
d0182119_20134813.jpg
ソバ屋でトンカツ。

トンカツ屋で生姜焼き。
d0182119_20143925.jpg
まったく問題ない。

るるを守った。
d0182119_20270653.jpg
田中さんさあ。

もう長板は持ち上げられないんだから、いっそ短い布に染めるのもアリですよね。
d0182119_20274444.jpg
その昔の田中紺屋の応援団。
三彩工芸、故藤本均氏の奥様より分けて頂いた貴重な貴重な白生地。

もはや入手できない最上の綿・麻・絹の白生地。
帯地に足りないものもある。

いつの日か染めるよう大事にとっておいた。
ずっと心に引っかかっている布。

帯にならなくてもいいですから、短い布を染めるのはどうですか。
それはそれでポテンシャルは大きいですし。

なんか染めてなきゃ、つぶしの利かない老爺まっしぐらでしょ。

つか、見てらんないよ。
d0182119_20291688.jpg
そうだな。
d0182119_20315740.jpg
その後わかったこと。

ふいに気になったと見え、預金通帳を取りに行ったリバ爺。
d0182119_21343665.jpg
あまりの個人情報。

見てはいけない。

でも、指の間からチロッと覗く。
d0182119_21353405.jpg
け「ありますよ」

田「ん?」

け「よく見て下さい、○○○円ありますよ」

田「オレ、目が悪くて○円かと思った」

途端に顔色がパッと明るくなった。
d0182119_20364098.jpg
なんだよ、見間違いかよ。

来年は知らないが、明日のごはんの心配をすることはない。

ましてやさっきの生姜焼き代金。

けろ企画は閻魔帳に「生姜焼き×2名」を太字で記入した。

金輪際、リバ爺の前で財布を出すものか、と愛染明王にかたく誓う。
d0182119_20444468.jpg
田中紺屋前に転がる瓦。

2011年の震災で落ちてそのまま。

屋号「紺定」の「定」だと気づく。
d0182119_20454993.jpg
以下。

よい子はぜったいに真似をしないで下さい。
d0182119_20592646.jpg
どこかで見た、若い衆トミーの柿渋かばんがズラリ。

田中紺屋のTポイントが満額たまっているわたくし。

私物のかばんを染めて頂いた。

否、強要した。
d0182119_21011556.jpg
ほんまもんの正藍。

サラでピンピンの播磨藍で染めてもらうのは、人でなしと同義語だ。

やらせちゃダメでしょ、普通。

みなさん真似しちゃダメですよ。
d0182119_21025846.jpg
とは言え、リバ爺には断る理由がなかろうもん。

Tポイントが失効したらたいへんだ。

生姜焼きの恨みはこわいんだぜ。
d0182119_21042373.jpg
4月田中学校はこれにて。

また5月に伺います。

来るなと言われても安否確認に来ます。

田中さん、不穏すぎなんで。
d0182119_21080476.jpg
藍染のことをしゃべったり、ごはんに行ったり、Tポイント染めをさせたり、次の提案をしたり。

徐々に調子が出てくるのがわかった。
わかりやすい人なのだ。

純真まっすぐ。
リバマの純真。

お元気な時はひとり仕事でOKだが、そうでない時は孤独なんだろうな。

前と同じにできなくて、イライラしたら思考も余計に固まるよね。
寝転がるしかないよね。

わたくしは月一度の刺激ブツってことで。
時には黒い幕の刺激も与えるとして。

これ以上は出来ないけど。
d0182119_21062940.jpg
帰路のマイハンド。

にわか藍染師の手。
d0182119_21152656.jpg
「色が薄かったらまた染めるからさ」って。
d0182119_21182665.jpg
そのお言葉、ぜったいに忘れないから。

閻魔帳に太字で記入済みだから。


[PR]

by kerokikaku | 2018-04-13 21:39 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 03月 09日
最後の藍が建たない
あれは2月の終わり。

最後の蒅、播磨藍がリバマに届いた。

すぐさま包みをひんむき藍を仕込んだ、リバマことリバーマウス川口の正藍型染師 田中昭夫。

10日経ち、そろそろ藍が建った頃か、はたまた。
d0182119_13561231.jpg
本日は黒幕こと型染作家 津田千枝子も同行で心丈夫。
d0182119_13573810.jpg
田中紺屋の周囲はいぶった匂いで立ち込めている。

やってるな。
d0182119_13590254.jpg
そこに、苦虫顔の御大。

「だめなんだ、ぜんぜん建たなくて困ってるんだ」
d0182119_14293530.jpg
そんなことだろう。

すべてが想定内。

黒幕をお連れした意味はここにある。
d0182119_14020681.jpg
「表面が青くなってきたんだけどさ、それから全然ダメになっちゃったんだよ」

どれどれと、大甕をのぞき込む御大&黒幕。
d0182119_14083637.jpg
確かにアルカリが高そうね。
d0182119_14155996.jpg
田中さんさ。

待てなくて、また石灰入れちゃったでしょ。

追加の石灰、慌ててたくさん入れちゃったでしょ。
d0182119_14111627.jpg
うん。

入れたけどさ。
d0182119_20122301.jpg
そんなに、とか。

だってさ、とか。

もにょもにょと小声。
d0182119_14201905.jpg
たくさん入れちゃだめよって。

様子見て慌てないで、って言ったでしょ。
d0182119_14181582.jpg
ん。

でもこんなだからさ。

1俵残してある播磨藍の新しいのと、入れ替えちゃおうかと思ってるんだ。
d0182119_14451129.jpg
ひゃー、ダメダメー!

ちょっと待って。

まだ仕込んで10日位でしょ。

ダメダメー!
d0182119_14461134.jpg
勇み足をピシャンとくじかれ、おとなしくなった。
d0182119_14495923.jpg
PH、測ってみようか。
d0182119_14330359.jpg
あーあ、やっぱり。
d0182119_14210965.jpg
石灰、入れ過ぎたんだよ。

あとちょっと、半日でも待ってたら、今頃ちゃんと建ったんだよ。
d0182119_14340091.jpg
だってさ。

だってさ。

だってさ。

だっての3乗。
d0182119_14342314.jpg
もお。

待てなくて、たっぷり石灰入れちゃったんだね。




うん。
d0182119_14512727.jpg
予定通りすぎて、驚きません。

リバマ御大の超速勇み足を諫めるため、我々は本日遠路ここまで来たんです。

あーこりゃこりゃ。
d0182119_15045974.jpg
この調子じゃしばらく無理よ。

慌てないで、待ちなさい。

と叱られて、バツの悪い田中くんは藍染め生活60余年の大職人。
d0182119_15015321.jpg
だいじな播磨藍の蒅。

最後の仕込みなんだからね。
d0182119_15083704.jpg
リバマ御大の腹時計は電波時計並み。

12時キッカリにそわそわし始める。

メシ、行こうか。
d0182119_15122295.jpg
勇み足性格は、現実でも勇み足。
d0182119_15101288.jpg
早いのなんの。

外出時の杖はカモフラージュと確信している。

誰の雨もよけていない傘をさす黒幕が追いつけない。

いつものトンカツ屋が休みなので、お蕎麦屋へ。
d0182119_15111373.jpg
わたしは気付いてしまった。

トンカツ屋で生姜焼き、蕎麦屋でトンカツを注文する、宇宙的なねじれっぷりに。
d0182119_15141948.jpg
ランチはペロリの助。

帰りに再度しつこく「慌てちゃだめよ」と念押しをし、早めにリバマを辞する。

「慌てるな」と紙に書いて貼っておくことを提案するが「ダイジョウブだ」って。

ほんとかなあ。
d0182119_15175088.jpg
これぐらい勇み足で前のめりじゃないと、あの仕事は出来ないのかも。

年のせいじゃない。
ずっと前のめってきたに違いない。

60余年の藍染め歴だが、いつだって慌てて焦って大騒ぎ。
前のめって前のめって、必死のパッチの藍の愛。

ちょうど一年前もそうだった。

建たない騒ぎに、こちらは火の粉を丸かぶりだった。

それもこれも済めば笑い話になる。
d0182119_15204578.jpg
本日のおまけコーナー:双子コーデの田中さんとわたし。
d0182119_15260343.jpg
ジャンバー、ゴム長、とんがりボーシ。
d0182119_15265657.jpg
2018リバマお揃いコレクション。

勇み足部の、名誉会長と末端構成員という関係性。
d0182119_15165904.jpg
エンディングが見えちゃ隠れる、ネバーエンディングストーリー。
d0182119_15304886.jpg
本日のおまけコーナー2:もうひとりの田中さん。

ちょうど一年前は名古屋月日荘展でした。

お客様はじめ皆々様のお世話になりましたこと、いまさらもって重ねて御礼申し上げます。
d0182119_15250815.jpg
前列、田中御大の右、ラブリースマイルの田中さんこと工芸ライター田中敦子さん。

明日から名古屋月日荘で展覧会です。
いざお見逃しなく!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

きものを飾る、小さな工芸『帯留め and...』
田中敦子の帯留めプロジェクト
2018/3/10(土)-21(水祝):月日荘(名古屋)
d0182119_15443236.jpg
田中敦子さん在店日-10日(土)11日(日)
10日(土)14:00からトークイベントもあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Come in early Spring GSS/ガレージセールショウ2018
GARAGE SALE SHOW vol.7
d0182119_12382764.jpg

3/15(木)12:30-18:30
3/16(金)12:30-18:30
3/17(土)12:30-16:30
会場:間・Kosumi(落合・東中野・中井)

※田中敦子さんもGSS7猛者出展者のひとりって知ってた?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[PR]

by kerokikaku | 2018-03-09 16:13 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 02月 24日
最後の蒅
なんの因果かここ数年。

リバマ御大こと川口の正藍型染師 田中昭夫さんの事務ヘルプを買って出ている。

売られたヘルプではない。
よって、ブーたれようにも、たれる先がない。

「お役所からなんか届いた」

そうリバマから電話があったとしても、何のことやら意味不明の魑魅魍魎。
写メ技術は当然なし。

埒が明かず、2時間かけてのリバマ急行もしばしば。

どってことのないお知らせのこともアリ。
身の毛のよだつお知らせのこともアリ。

そんなこんなで幾星霜。
お役所届出の季節が廻って来た。

リバマ駅でリバマ爺と10時の待ち合わせ。
d0182119_10232092.jpg
年ごろからして、1時間前には着いてるんじゃなかろうか。

気になりながらの9時50分。
d0182119_10212445.jpg
所在無げに長時間待ってたらしき人、無事確保。

H.P.Eラオスのシルクショールが、お出かけ感のあらわれ。
d0182119_10250621.jpg
わたしもよくワカランチ分野なので、役所の担当の皆々様にご教示頂き、提出する。

個人情報だし、ハンコ押すご本人も同席ってわけ。
d0182119_10271638.jpg
藍染め以外はとにかくおとなしい。

大きな図体でわたくしの横にぴったりくっつき、静々と待つ2時間半。

介助が過ぎても良くなかろう。

ポイント箇所だけは、さあ自筆してみよう。
d0182119_10302838.jpg
「まだ誰にも言ってないんだけどさ」と小声で話しだした。

「そろそろ廃業しようと思うんだ、女房にもやめろって言われた」と。
d0182119_10260415.jpg
はい、それ、数日前にも聞きました

ご自分の体調と相談して、そうしたらいいですね。

お昼でも食べてから帰りましょうかね。
d0182119_10375807.jpg
黒幕こと、型染作家 津田千枝子と合流。

3人でカレーうどんをすする。
d0182119_10404506.jpg
紙エプロン姿がかわゆす。
d0182119_10411851.jpg
彼いちばんの心配事は「今季の藍蒅がいつ届くか」ってこと。

今か今かと待ちわびている。

去年の今頃も、みんなを巻き込んで大騒ぎだったっけ。

待ち切れずの水甕祭のすさまじさよ。
d0182119_10432758.jpg
話の矛盾は、もう指摘すまい。
d0182119_10440137.jpg
リバ爺と直接だとややこしくなるので、寒明け蒅については黒幕が一括仲介してくれている。

予約で一杯な貴重な播磨藍の蒅を、ご厚意で分けて頂く手配になっている。

2月下旬出荷と言う話。
2月アタマに「まだ来ない」と焦るリバ爺。

別に遅れているわけではない。
完全に予定通りなのだ。
d0182119_10493682.jpg
もちのろん。
d0182119_10491961.jpg
藍甕の中身の整理は済んでいる。
d0182119_10511496.jpg
古い藍液を水で薄め、新しい蒅がいつ届いてもいいよう調整してあった。
d0182119_10524403.jpg
去年も「これが最後」と。

なのに阿波藍蒅がうまく建たず、あちらに頼みこちらにお願いし、追加の播磨蒅を分けて頂いたのだった。
d0182119_12084189.jpg
どのオオカミ老年かは知らないが。

今度こそ、ほんとかもしれないな。
d0182119_11000681.jpg
最後の蒅と思って。

慌てたことをしないで、慎重に。

気のすむようにやって下さい。
d0182119_11040875.jpg
「うん」って。

返事だけはいいんだ。
d0182119_11051931.jpg
その蒅が、今日あたり田中紺屋に届く。

いまごろ道路に出てヤマトさんを待っているだろう。

もはやリバマ急行せず、藍染歴60年の御大ご本人にお任せ。

つんのめらないで、建ててくれるといいな。

なんでだろう、頼みの綱の愛染様ご本尊を室内に移動しちゃったけど。
d0182119_11083242.jpg
正藍型染師 田中昭夫82歳。
最後であろう藍蒅の仕込み。

どうかひとつ、無事にできますようお願いします。

ご本尊は藍場に不在だわ、ご本人は廃業するって言ってるわ。

でも今季まではやるみたいなんで。
d0182119_11300807.jpg
帰り際、コンバースもどきのスニーカーを発見。

カモフラージュ柄でちょっとおしゃれ。
誰か若い人でもいるのかと。
d0182119_11275769.jpg
「オレのだ」
d0182119_11321019.jpg
つっかけサンダルでさえ、引っかけて転ぶんだからさ。

お願いだから、靴はつっかけないでね。
d0182119_11351199.jpg
「うん」だって。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Come in early Spring GSS/ガレージセールショウ2018
GARAGE SALE SHOW vol.7
d0182119_12382764.jpg

3/15(木)12:30-18:30
3/16(金)12:30-18:30
3/17(土)12:30-16:30
会場:間・Kosumi(落合・東中野・中井)

※まだじぃっとおとなしいパンダちゃん

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[PR]

by kerokikaku | 2018-02-24 10:21 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 01月 31日
グレーゾーンの正藍型染師
「来週のいついつに伺います」と連絡をいれたとき。

今年まだお目にかかっていないので、社交辞令に「染めてますか?」と野暮クエスチョン。

すると「別に仕事もないし、遊んでるんだ」と。
d0182119_20314464.jpg
いやいやいや。

そもそも「仕事があるから染め」ていましたっけ。

誰に頼まれたわけでもないのに、いつだって「染めなきゃなんない」って。

今も昔も唯我独尊。
好き勝手に染めるのが田中紺屋。

お騒がせの引退発言からの、うやむやの。
ぐるっと回りまわって、いまに至るってやつ。

止めようがなだめようが。
ロマンティックと染め意欲が止まらないのは、どこのどなたか。

まさかのリバ爺、消極的発言。

何やら不穏なままの川口上陸。
d0182119_20374202.jpg
ハトとかハダカのお姉ちゃんとか、どうでもいい。
d0182119_20402651.jpg
2018年1月田中学校。

別件で小声通話していたら、車掌さんにたしなめられてシュン。

幸先がアレで、気が重い田中学校。
d0182119_20411785.jpg
まだ雪の残る干場。
d0182119_20421981.jpg
藍場はオガクズのいぶり臭でもうもう。
d0182119_20432664.jpg
なかなかの雪国。

ご本人はいずこ。
d0182119_20440695.jpg
板場を探す。
d0182119_20452431.jpg
気付いて「あぁ」って。

新聞を読むとも読まないとも、ぼんやりと日なたぼっこ。

好々爺風味を醸し出す82歳。
d0182119_20455777.jpg
てか、ちゃんと染めているじゃない。
d0182119_21064848.jpg
手前の白生地、精錬もしてあるじゃない。
d0182119_21073134.jpg
「いやもう、たいへんだったんだ」と渋い顔。
d0182119_21080422.jpg
「また糊がはがれちゃってさ」

うん、それ最近のパターンっちゃあパターンですよね。

これは昨年12月にやった染め仕事。
そのあとは手を付けていないと言う。
d0182119_21084340.jpg
「オレ、倒れちゃったんだよ」
d0182119_21095091.jpg
なにぬ?
d0182119_21103574.jpg
年末、風呂場で倒れたんだ、って。
d0182119_21280630.jpg
すべって転んで、意識が飛んだのか。

はたまた、意識が飛んだから転んだのか。

そこの大事なポイントは、ふんわり。
d0182119_21290155.jpg
救急車を呼ぶでもなく、後日お医者に行ったのだと。
検査の数値とか、特に何もアレだったって。
d0182119_21303626.jpg
ともあれ。

奥方と相談の上、もう仕事はやめるんだと。

こんな按配じゃ仕事は出来ない、って。

やめる、って。
d0182119_21322675.jpg
いつか。

そんなに遠くない、いつか。
d0182119_23280469.jpg
こんな日が来ることは覚悟していた。

正直言って。

2017年月日荘展が終わって以来、染めもうまく出来ていない。

動きもヨチヨチしている。
言葉も出にくく、誘い水をしてやっと会話が成立する次第。

「これじゃあしょうがないな」って。
d0182119_23363224.jpg
田中軍団ことTGの立場、全国一千万の田中紺屋をそろり見守る立場からして。

何も言えない。

やって下さいとも、やめて下さいとも。

「はあ、そうですか」としか。

そして、倒れたんだか転んだかの、後遺症はありやなしや。
d0182119_23265668.jpg
えっと。

倒れてからのビフォーアフターとして。

染めはアレだし、動きもヨチヨチ、言葉も出ず。

いつもと何らお変わりない。
後遺症とも思えない変わりなさ。

「底値安定ですね」と、言いたかったがグッとこらえる。
d0182119_23511185.jpg
そうなると。

手配してある希少な「播磨藍」のこと。

寒明け蒅の手はずを、藍師さんのご厚意に甘え、無理して確保をお願いしている。
仕事をやめるのなら、いっそキャンセルし、ほかの方へ回すほうがいいでしょう。

もう蒅はいらないね。
今ある藍で終わりってことだよね。

「寒明け蒅、お断りしときましょうか」
d0182119_23523993.jpg
いや。
d0182119_23531329.jpg
「この藍をあっちの甕に移してさ、新しい播磨藍はこっちで建てるんだ」って。

夢と希望を、なめらかにお語りになる。
d0182119_23560719.jpg
わたしの耳がおかしくなったのだろうか。

今、なんの話をしていたんでしたっけ。

やめるって、何をやめるんでしたっけ。
d0182119_23574058.jpg
干場の向こうの2軒が道路拡張で移動するらしい。

後方で道路工事が始まっており、いずれ田中紺屋の敷地が半分なくなる。
なくなった分が付け足され、敷地が細長くなるのだと。

数十年来のお役所計画が、にわかに動き出した気配。

「見に行くか」
わたしを置いてスタスタ行く。

めっちゃ早い。
d0182119_00001645.jpg
「そしたら作業場をこっちに作り直してさ」

次なる野望が止まらない。

どの口で言っているのかが、不明すぎる。

まともじゃ聞いていられないので、ふんわりのお伺いにする。
d0182119_00011636.jpg
ともかく。

自宅に工事計画が及ばないうちから、早まって新しい作業場を作らないでね、と伝える。

いつだって前のめりなんだから、と。
d0182119_00062107.jpg
世の中は、おしなべて黒と白では分けられない。
パンダちゃんの出番はない。

リバマ御大は、ブルーでもブラックでもホワイトでもなく、グレー。

グレー圏内を縦横無尽にワープしている。
無重力すぎて、捕らえるのに苦心する。
d0182119_00085349.jpg
何でもいいからさ。

仕事をしてもしなくても、もはや、どっちでもいいからさ。

骨を折るのだけは気を付けてね。
つんのめないでね。

夢も野望も引退宣言も。
いつだって馬耳で聞きましょう。

田中さんが仕事をしててもどっちでも。
我々TGは「生姜焼永年無料権」を行使させてもらう。
お昼に財布は持たない。

頼むよ、ほんと。
d0182119_00144142.jpg
わたしのごはんも半分差し上げ、ペロリの巻であった。

お元気が何よりだっつう。
d0182119_00310943.jpg
本日は、安否確認と確定申告の書類整理が目的だった。

出るわ出るわ。

自動アンティーク化した、骨董寸前のステーショナリー群。
d0182119_00301536.jpg
「取り替えっこしませんか」
いずれうまいこと言い聞かせ、100均か何かの同等機種と交換したい気分でいっぱい。

絶滅危惧テープカッターとパンチ穴器。
d0182119_00344492.jpg
わたしの密かな野望だって、なめんなよ。
d0182119_00374664.jpg
いろいろとずり落としながらも、ご丁寧にお見送りして下さった。

また来ます。
d0182119_00362790.jpg
毎月のリバマ訪問のおかげか。

わたしの心臓は鍛えられた。



[PR]

by kerokikaku | 2018-01-31 00:55 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(4)
2017年 12月 28日
2017リバマ界隈、ロングバージョン
年内ラストの安否確認日。
d0182119_20075808.jpg
晴天のリバマステーション。
d0182119_20081626.jpg
太郎焼前に佇む、黒い美魔女を拾って、いざ。
d0182119_20094342.jpg
はだかのお姉ちゃんの足元には、おとろちい文字が刻まれていた。
d0182119_20410627.jpg
スルーして、バスに乗る。
d0182119_20100885.jpg
奥に座ったため「十二月田中学校」表示が見えないが、まさに本日、十二月田中学校。
d0182119_22073128.jpg
何かやってる。
d0182119_20105777.jpg
やっていないと、かえって心配。
d0182119_20110826.jpg
ご寵愛のバラは首チョンパ。
d0182119_20111992.jpg
愛は無残に打ち捨てられていた。
d0182119_20112764.jpg
半年ぶりにリバマ訪問、黒幕こと型染作家津田千枝子。

すぐさま宿題の採点が始まる。
d0182119_20114975.jpg
田中くん、藍地部分のポツポツが気になりますよ。
d0182119_20121023.jpg
糊の落ちきっていないところもありますよ。

このままではだめですね。
d0182119_20122467.jpg
黒幕センセにほめられると思ったのにザンネンな田中くん。

「目も悪くなったんだなぁ」とため息混じり。

まあまあイケてると思ったけど、実はよく見えてなかったのだ。

で、善後策を考え中。
d0182119_20123837.jpg
無地部分にも、謎のシミがありますね。
d0182119_20153324.jpg
次やるときは、もう一度精錬してからやってみて。

原因はそれかもしれないよ。
d0182119_20154785.jpg
なんやかんやしていると、そわそわし始めた。
d0182119_21035252.jpg
時報より正確な腹時計が12時になったのだ。

そりゃ失礼。
d0182119_22095346.jpg
つるりと平らげ、そして我らは意地でも財布を出さない。
d0182119_20131838.jpg
お会計はとんがりボーシに一任する。
d0182119_20133204.jpg
近い日か遠い日かわからない話として。

田中紺屋近辺は、区画整理エリアだという。
d0182119_20135439.jpg
作業場あたりは丸っと道路になる。
d0182119_20141296.jpg
ここまで取られるから、藍甕を移動しなくちゃなんない。
d0182119_20143375.jpg
ついでだから、板場と藍場を一緒にした作業場にするんだって。
今度はステンレスの甕かな、って。

おおよその図面が、御大の頭の中で出来上がっていた。
d0182119_21130873.jpg
わたしと黒幕は腰が砕けた。

区画整理なんてのは、いつやるのかも知れず、しかも引退しかけての、来年83歳の御大である。

そうなったとして、これを機に「やめる」のかと思いきや、新たな野望を語る。

男のロマンと、ロマンティックが止まらない。
d0182119_20145007.jpg
すげーぞ。

ほんものだぞ。

知らねーぞ。
d0182119_20150722.jpg
うちら、たぶん見届けらないんで、すんません。
お元気でどうか。

確実に言えることは「早まるな」っつう。
d0182119_21263019.jpg
部屋に戻り、チェック作業をしながら「あれは2017年のことだったのか?」という話になる。
d0182119_21385188.jpg
去年の今頃、12月末。

あの日は雑誌「七緒」の撮影をしてました。
d0182119_20160806.jpg
年が明けて2017年。
ずっと藍が足りず、寒明け蒅を待って待って、待ち切れずの1月。

苦肉の策で「うす藍かわゆす」を大量生産。
d0182119_21445469.jpg
道路に出て待つほど、待てど暮らせど寒明け蒅が届かない。

ブチ切れて暴れまくった2月。
d0182119_20162150.jpg
藍甕の中身を移動して大騒ぎ。
d0182119_20164222.jpg
したら翌日、待ち焦がれた阿波藍が届き
d0182119_20170199.jpg
ヤマト便をひんむいて、全部ザバーッ。

やることなすこと、デカくてよう。
d0182119_20170983.jpg
3月の月日荘展まで、残り半月。

1反でも新作を出したい。
d0182119_23482492.jpg
なのに藍がよくない。

みょうなカスがたくさん混じっている。

ここからが真の苦悩の日々であった。
d0182119_21501007.jpg
試行錯誤と言う名の慌て仕事をしてしまい、黒幕に叱られてシュンとなる。
d0182119_23470719.jpg

月日荘展秒読みの3月アタマ。
d0182119_20174735.jpg
リバマ状況を見るに見兼ねたという有難いご厚意があり、播磨藍の蒅を分けてもらえることになった。

月日荘展には間に合わないが、なによりのこと。
甕を洗うのは御大の誠意。
d0182119_23473741.jpg
TGこと田中ガールズ返上の田中軍団、ポカーン。
d0182119_23480149.jpg
目先の大事は、月日荘展。
蒅騒ぎで立ち遅れてしまった。

準備に精出すTGの傍らで、なんもやることのない御大。
d0182119_23502241.jpg

大わらわの最中にビールを持ってきて、怒られる。
d0182119_23475279.jpg

若い衆のコラボ仕事は、ほんっとにナイスだった。
d0182119_20183544.jpg
危険物取り扱い部隊を結成し、無事に名古屋月日荘へ搬送。
d0182119_20190042.jpg
オープン10分前。
d0182119_20203583.jpg
オープン5分前。
d0182119_20191130.jpg
あれよあれよで夢のような月日荘展。

盛会に終われたことは、皆々様に感謝してもしきれない。
d0182119_23480269.jpg

でもね。

リバマ御大は、藍のほうが気になって気になって、もう。
d0182119_20210147.jpg
ラオス谷さんのレンテン生地の染めがうまくいかない、4月。
d0182119_22215401.jpg
焦れば焦るほど、空回り。

指も痛む5月。
d0182119_20211006.jpg
一応、月日荘展のTG慰労会を催したものの、なんだかさえない。
d0182119_20212388.jpg
そもそも、気の利いたおしゃべりはできやしない。
d0182119_20213447.jpg
徐々に藍の調子も出てきたが、さえない6月。
d0182119_20223050.jpg
いよいよ年かねえ。
d0182119_20224401.jpg
見かねたTG忖度組合が、アンダーグラウンドなルートでレンテン白生地を入手した夏。
d0182119_20225329.jpg
持ち上がらない長板をひきずって台車に乗せて。
d0182119_20290515.jpg
はがれた糊の修正をする度、手についてまた修正。
d0182119_20291542.jpg
そんな折、お役所から「90万円支払いの書面」が届いたっていうもんだから、慌てふためきリバマへ急行。
d0182119_20294121.jpg
それはただの記入例であり、つうか、よく見りゃ90万でなく900万だし、しかも爺には関わりのない案件と分かる。

グッとやせちゃった。
d0182119_20333412.jpg
昼ごはんを誘ってものらない。

部屋で見つけた500円玉2枚を勝手に頂戴し、仕方なしにわたしひとりで生姜焼き定食を目指す。
d0182119_20304419.jpg
チッ、定休日。
d0182119_20305691.jpg
そんな秋のはじめ。
d0182119_20310532.jpg
11月、ちょっと調子が出て
d0182119_20322751.jpg
まあまあの染めも出来た。
d0182119_20315604.jpg
染めがまあまあだと体調も連動するシステム。

生姜焼きはペロリ。
d0182119_22502176.jpg
いやー、どれもこれも今年のことだったかねぇ。

寒明け蒅の大騒ぎや、月日荘展って。
もう何年も前のことのようですねえ。


ぐぅ。
d0182119_22530950.jpg
キョーミの範囲外。

大切なのは、染めが出来るか出来ないかってことだけ。
d0182119_22563107.jpg
長板の上には正月しめ飾りが準備してあった。
d0182119_22592569.jpg
とんがりボーシに成り代わって、皆々様のあたたかいご支援とご愛顧に御礼を申し上げます。

本人はよう言いません。
d0182119_22580876.jpg
盆暮れ正月、なーんも関係なし。
染め、また染め。

それが幸せです。
末永く健やかな日々でいられますように。

わたしのケータイ画像の8割が、この爺さんばっかな2017年。
関係性不明のまま、やれやれ、今年も終わります。
d0182119_23222052.jpg
みなさまよいお年を。
d0182119_22525692.jpg

[PR]

by kerokikaku | 2017-12-28 10:27 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2017年 11月 22日
11月田中学校-その2
「4反しかないけどさ」

なんでも豪儀にようさん、がお好みの御大にとっては不本意らしい。
d0182119_19090554.jpg
こちとら、4反にホッとした。

ダメ染め過多だと、なんと答えてよいものやら。

引き取れないし、見るのもしんどい。
d0182119_22511632.jpg
あれ?
d0182119_21421507.jpg
まあまあですね。

うん、まあまあだ。
d0182119_11142464.jpg
夏の仕上がりとは、別物。

全然いいじゃないですか。

てか、あれは何だったんですか。
d0182119_11151323.jpg
うん、そうね。

なにやってもダメだったよな。
d0182119_11163868.jpg
なんじゃらほい。

d0182119_11174637.jpg
影の薄かったしょぼくれ爺。

心なしか、影が濃くなったような。
d0182119_11200130.jpg
そりゃあね、パキンパキンの往時の「紺定」と比べるのは酷なこと。

でも、なかなかのまあまあだった。

「結構いいじゃないですか」
どこから目線のコメントを差し上げると、まんざらでもない風であった。

そうと決まれば、何に染めるか。

端ミシンの薄手岡崎木綿は、一時休止にしませんか。
ようさんあるけど。
d0182119_11252178.jpg
そうそう、昨夏の発掘時。
白生地もあったっけ。

韓国手引木綿・耳付きの岡崎木綿など、ほんの数反。

どこへやった。
d0182119_22433295.jpg
ギリギリセーフ、残ってた。

帯丈も帯幅もありやなしやだが、この際いいでしょう。
d0182119_11270359.jpg
小千谷も2反、忘れててセーフ。
d0182119_11274679.jpg
夏のいまひとつ染めは、泣く泣く糊を落としていた。
d0182119_11290753.jpg
これらについて、今は考えないのが正解。
d0182119_11293366.jpg
帯に短し、科か大麻かそこいらへんの自然布ハギレ。
d0182119_11304701.jpg
「こういうのも染めていいですよ」と、けろセンセーがのたまっとか。
「そうだな」と、爺が従ったとか。

探せば何か出てくる田中紺屋。
これ以上は、ホントにないから。

世界中の誰ひとり信じてないけど。
d0182119_22441276.jpg
焦らず、慌てず、大騒ぎせず。

優先順位をよく考えて。

まじ頼むぜ。

リバ爺。
d0182119_11342883.jpg
「オレさ、分かったんだ」って。

「藍ってのは、染め続けてなきゃいい色が出ないんだ」
d0182119_11352613.jpg
染め歴60年の大職人。

どえらいウブな発言。

いまさら何を。
d0182119_11485167.jpg
曰く、手が痛いわ雨が降るわで、染めがはかどらなかった。
藍の世話はかかさなかったが、染め自体はロクに出来なかった。

続けて染めていないと、藍の色も、結局はよくならない。
そのことが改めて分かったと言う。

藍は活性化させてないと、いい色にならないって。

誰かさんみたい。

やれやれ。

それと怪我の功名。
仕事が出来なかったことで、腱鞘炎が治ったっぽい。

色々でこぼこ。
痛しかゆしだが、まあいいでしょう。

「まあまあ染め」がまた出来て、マンモスうれぴーだ、きっと。
d0182119_21395431.jpg
そうだ、お役所からなんか届いてるって話だけど。

見せてください。
d0182119_19173864.jpg
電話じゃ要領を得ないため、伝書鳩化したわたくしが現場へ急行ってわけ。
これも大事な確認事項。

名前書け、ハンコ押せ。
すべからくご指示させて頂く。

几帳面につき、誤字脱字をやたら気にされるが「んなの、いーから」と一喝し、無事完了。
d0182119_23031355.jpg

すません、手前の紙、なんすか?

ああ、これ。
d0182119_19234061.jpg
「まさか」

にわかに心臓があおった。

やりかねないんで。
d0182119_19254538.jpg
聞けば、10数年前の仕業らしく安堵。

でも、なんでこんなにようさん刷るかなあ。

ほんの一部です、コレ。
言うまでもなく。
d0182119_21440111.jpg
本日はこれにて。
但し、お昼だけは食べて帰りたい。

この春以降、お誘いしても「オレはいい」と振られていた。
お腹だかおシモだかの具合が悪いし。
だいたい気分も乗らなかった。

おひとりけろさま。
歯噛みの自腹定食であった。

「今からわたし、お昼して帰りますけど、田中さんもいかがですか?」

ダメ元で誘ってみる。
d0182119_19284929.jpg
うん、行こう。

よたよたで、突っかかりながら、小走りで。

前掛け外して、すっ転びそうだが、素早いのなんの。
d0182119_19332071.jpg
生姜焼き定食、永年無料権。

TGが有する最大の権利を掲げ、こぶしを挙げる。

爺っちゃんの名にかけて。
d0182119_19341416.jpg
イエス。

d0182119_19373649.jpg
財布の中身忘れたとか、ぜったい言わないで下さいね。
d0182119_19384322.jpg
いちいち右往左往、なんでも真に受け、オロオロ騒ぎ、慌てて火消しをし、そんでヒーヒーする。

けろ企画の問題点は主に上記、ほか省略。
d0182119_19392836.jpg
もう話すことも、ほとんどない。
d0182119_19554026.jpg
キャベツだけでなく生姜焼きにもとんかつソースをたっぷりかけて平らげる御大を拝めたことは、この秋最大の収穫だった。
d0182119_19545670.jpg
とはいえ、予断はいつだって許さない。

あの御大なんで。
d0182119_22182271.jpg
瀕死と不死身の反復横飛び、フルマラソン。

なめたらあかん。

この先、なんにもないわけがない。
d0182119_22180498.jpg
それは肝に銘じている。




[PR]

by kerokikaku | 2017-11-22 11:35 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(6)