カテゴリ:正藍型染師 田中昭夫( 148 )

2018年 10月 03日
嵐は荒れたが来なかった
10月2日は上々の講演会日和だった。

プラチナチケットをお持ちの参加者が、IFMこと岩立フォークテキスタイルミュージアムに、大げさでなく全国各地より集結した。

お話をしたのは、我らが黒幕こと型染作家 津田千枝子

たくさんの資料をゴロゴロ携え、早々とIFM入り。
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うっかり引くに引けなくなったリバマこと川口の「正藍型染師 田中昭夫の藍仕事」について。

行きがかり上、解説をすることになってしまったのだ。
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11月10日まで開催中の「アフリカの藍、日本の藍 — 大胆さと繊細の対比」展に、田中染布が出展されている。

左のシマシマが田中さんの染布です。
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講演内容は以下。

・田中紺屋との出会いとその後の顛末(2014年の引退宣言を受けてのゲリラ活動)
・田中紺屋のはじまり(インディゴピュアからオイルショック後に正藍染への転換)
・田中を応援し励ました人々(三彩工芸藤本氏・菅原匠氏・出羽の織座山村精氏・染織史研究の後藤捷一氏ほか)
・技法について(DVDを観ながら解説)
・田中紺屋の実物の染布を見ながら
・田中染布、岩立フォークテキスタイルミュージアム/京都美山ちいさな藍美術館へ収蔵

これで1時間半。

時間内に納まるよう、言い忘れのないよう、息をもつかせぬ見事な津田黒幕の解説。

コアでプラチナな参加者にふさわしいよう、技法についても一歩踏み込んだマニア向け説明だった。
DVDを観ながらの津田解説はゴージャス極まりない。

リバマ以前のウブな私のように「藍染め?なんだそりゃ?」と、ポカンとした方は不在の空間だ。
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お話だけだとアレなんで、BGMとして紺屋の様子やら苦虫顔やらをスライドでお見せした。

説明されないと何だかわからないコレ。
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ポイントは右奥の五右衛門窯。

たいへん重要な画像だとご存知か。
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2015年頃、薪を炊いての精錬作業(もしくは糊作り)による、煙やにおい等のクレームでお役所に叱られ、すっかり気分を害し、アタマにきて、ブチ捨てた窯と苦虫の図。

ふつう捨てるか、あんなふうに?

ともかく。

ご本人キャラクターはもとより、まっすぐ一心な染布のちからにより、つい我々は突き動かされている。
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お話の最後に、往時の染布をいくつかお見せした。

色さしもせず、藍一色。
呆れるほど愚直。
藍キチむきだし。
まっすぐな染め。
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さすがにここ数年は、老境に達した柔らかみのあるものになっているが、3-40年前、バリバリ時代の染めは、それはそれは鋭く潔い。

染めを見たらば一目瞭然。

だって、藍のことしか考えてなかったから。
それ以外の事って、考えたことあったのかな。

最近まで。
いや、今だって。
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講演会が決まって、まず一番に考えたことは「田中さんを連れてこよう」だった。

自分の布が展示され、津田さんがお話して、自分の染帯の方が何人もいて。
皆から「田中さん田中さん」と慕われるのは、まんざらじゃなかろうもん。

嫌いじゃなかろう。
むしろ好物じゃないか。

と、懲りずの忖度組合。
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この集まりについて。

なんぼ説明したところで、サッパリ無理解の83歳であった。

「とにかく10月2日ですから」と再三念だけは押しておく。
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しかも。

田中御大を自由が丘までアテンドする担当を、あろうことか”沖縄”のぎぼっち夫妻に依頼していた。

田中さんはぎぼっち夫妻を信頼している。

少なくとも私よりも。
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ぎぼっち夫妻は、田中さん運搬という無茶ぶりオファーを、太っ腹に快く引き受けてくれた。

そして、予定便が台風で欠航のため、前日の10月1日夜羽田着となった。

田中爺から「オレ、行かねえ」発言。
この絶妙なタイミング。

ぎぼっち夫妻は沖縄で飛行機に乗ろうとしている。

顔面蒼白のわたしと黒幕。
あうう。

ならばと。

リバマ川口から岩立ミュの自由が丘まで、思い切ってタクシーで移動する段取りにした。

オールタクシーなら、どうよ。

どうなのよ。
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かなりシミュレーションをして段取ったものの、結果として「サプライズゲストさん登場」は不可だった。
田中さんは、この夏で思いのほか弱っていた。

当日朝、ぎぼっちは2時間ほど田中紺屋に話をしに行った。

「いいから、乗せちまおうぜ」と遠隔圧力をかけたわたくし。

しかし、いくらタクシー移動とは言え「今の状態ではお連れ出来ない」とぎぼっち。

現場の判断に従おう。

仕方がない。
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こちら、当日の画像。
それなりにヨレっとしているものの、こないだとさほど変わりないような。

いや、まあ。

いささか無理が、ありましたかな。
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運搬係のぎぼっち夫妻。

何ら運搬せず、IFMでお話を聞き、その後乾杯だけで中座し、いそいそと帰路って。

やれやれ。
弾丸、御免。

イマドキっぽく個人情報を意識してボカした為、余計に怪しい図。
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田中御大用の衣装を用意していたんだけど、と言っておきたい。

ザンネンでした。
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まるで偲んじゃってるみたい。

お元気とは言いにくいものの、まだアレなんでご安心ください。
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この度の機会を与えて下さった、岩立フォークテキスタイルミュージアムにあらためて感謝申し上げます。
IFMの対応力レベルの高さを実感しました。

そして、ご参加頂いたプラチナの皆様、誠にありがとうございました。
熱心にお聞き頂き、嬉しい限りです。
さすがうちの黒幕でしたよね。

田中紺屋の特異性がお分かり頂けましたか。

江戸期には型染職人はゴロゴロいたようです。
そりゃそうです、プリント機械がないので柄を染めるには職人の手が必要です。
もちろん手紡手織の用布ですし、正藍しかありませんでした。

その後、近代の昭和も後半。
誰もが合成藍に流れる時分、わざわざ江戸時代の方法、正藍染にひとり果敢に逆行した。

つるりとした機械織布をよしとせず、用布にとことんこだわり、型彫りから染めまで一貫して一人で仕事をする。
染めクオリティはピカイチ。

田中紺屋は別格でした。

いっときは有力な応援団がいたものの、その後は認められることもなく、売れやしないが他に道がなく、ひたすら染め続けた最後の職人です。

家族も顧みず、自分の藍仕事だけを追究しました。

それが田中さんです。

そのサプライズゲストが、サプライズにより、来られませんでした。
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ところでリバマについて。

なんでもペラペラ暴露して、とよく言われますが誤解です。
半分どころか3割も明かしていない。

これでも一応ぶ厚いオブラートで包んでおりますと、言ったところで、別にさ。
こんなもんじゃねーから。
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さて。

次にこちらでリバマの話ができるのは、そうだなあ、もう少し寒くなった頃か。

ペンディング案件が少々ある。

それまで田中さんに元気でいてもらわないと、色々と困るんだ。


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by kerokikaku | 2018-10-03 21:24 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(9)
2018年 09月 30日
嵐の過ぎるのを待つ
別件もろもろ、にっちもサッチモ。
この素晴らしき世界。

拙ブログ。
はじめて8年経つも、こんだけ長期放置したのは初めて。
誰も見てない、誰にも迷惑かけてない、よって何も問題なかろう。

にっちもさっちもどうにも。
人生と生活が乱れており、お肌トラブル多発で吹き出物がいっぱい。
わたしと会ったとしても、どうか見ぬふりして頂きたい。

以下。
先月の募集開始30分で完売で、いまらさ押すことも引くこともできない案件について。

10月2日(火)がエックスデー。

岩立フォークテキスタイルミュージアムにて我らが黒幕・型染作家津田千枝子による、リバマ爺こと「正藍型染師 田中昭夫の藍仕事」のお話会がある。

昨日も「まだ空席ありますか」と問合せがあったようだが、参加者の尻が重なるほどの満員御礼。
プラチナチケットになっている。
裏口入学さえ無理らしい。
いっそわたくしの席をお譲りしたい心境にさえなる、この数日。

にわかにリバ爺界隈が色めき立っている。
うちらだって2か月弱、リバ爺に会ってないもん。
生存確認、安否確認、聞き伝えの電話でのみ。

台風もかくや。
田中御大に関することは、何故こうも嵐の大騒ぎになるのだろう。

10/2が無事に過ぎたら、こちらでお知らせします。

お察しの通り。
リバ爺をどうにかしようとしている。

サプライズゲストをここで明かしちゃサプライズしないけど、明かしちゃう。
ええ、リバ爺を岩立ミュージアムまで連れ出そうとしています。

それを見越し、関係各位が都内はもちろん、京都や名古屋や沖縄から満を持して自由が丘まで大集結する予定。
これはリバ爺にとって、多くの方に出会える最後のチャンスではないかと、腹をくくっている。
最後サギと呼ばれても。

83歳の御大、乗換ワカランチな自由が丘まで、川口からアテンド2名手配してます。
すべて抜かりなく。

なのに「オレ、行かねえ」って、今朝。

どのクチが。

おい、どのクチだ?

まったく、どのクチが。

どのクチが言うんだい?

爺はなにも知る由もないけれど。
何のために自由が丘に行くのかさえ分かってないけど。

ちっきしょう、どのクチだ。

うちら、痩せる思いだ。
げっそりだ。

あちらに謝り、こちらに謝りで済むのだろうか。
済まねえな。

ああ。

はよ、嵐が去らんことを。

はよ連れて来て、はよ帰して、無事終わらせよう。

るー。
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ただよいはじめたピコレットの香りと、角がピンと立った植栽だけが、わたしの友だち。


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by kerokikaku | 2018-09-30 20:44 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 08月 16日
ちいさな藍美術館に田中資料が収蔵されました
京都美山「ちいさな藍美術館」。
藍染アーティスト・新道弘之氏の私設ミュージアムである。

猛暑のさなか7月末、黒幕こと津田千枝子と朝イチの新幹線に乗った。
品川から電車とバスを乗り継ぎ、お昼ちょうどに美山到着。

クーラーのない美山は、クーラーのある東京よりやや暑かった。
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新道さんと我々の関わりはこちらから。
3年ぶりの夏の元気なごあいさつ。

目的はこちら。
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6月のある日のリバマ川口。

田中御大の仕事場で型紙整理の際、てっさ菊花弁紋を発見した。
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染布がコレクションされている美山に、型紙も一緒に収蔵してもらおう。

セットだと尚わかりやすい。
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勇み足クラブはさらに一歩進んじゃう。

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先方が型紙を受け取って下さるかどうかの承諾をとる前に、サイン書いちゃう。

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サインする側は、正直なんだかわかってないようだが、まあいいでしょう。

むんずとつかみ、美山へGO。
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毎度、黒けろ急便です。

型紙とサイン本のお届けです。
ハンコお願いしま~す。

やあやあ、これはこれは。
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わたしたちは新道館長に全幅の信頼を置いている。
会ったのは数回なのにドンと置いちゃう。

田中さんの素晴らしい染め仕事と、職人気質なところと、性格のめんどくささと。
さらに、我々のゲリラ活動への深いご理解と。

なにもかもぜんぶお分かり頂いている、ということが分かっているので、それで充分。

だからこそ、無理を承知で田中資料をお引き受け頂いた。
「そんな大事なものを簡単に受けられない」という丁寧で真摯なやりとりを経ての今。

さて。

実はお渡ししたのはサイン本と型紙だけではない。

本藍蒅の品位を決める「手板法」の証書の額も渡した。
「もうこの人いないんだ」って田中さん談。
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古民芸もりたの森田さんがわざわざ田中紺屋に送ってくれたという「紺屋大福帳」もおまけに付ける。

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田中さんはこの紺屋が実在するかを確かめに、中巨摩郡落合村まで行ったのだと。
数十年前で、既に紺屋はなかったって。

行っちゃうところがリバマイズム。
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さらに、正藍型染に邁進しはじめた頃に参考にした「中型染布裂集 上下巻・三彩工芸刊」もお渡し。
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型染裂を100枚貼った(50枚ずづ上下巻)は限定5部でほぼ世に出回らなかった。

もう一度言います。
限定5部。
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どれだけ田中紺屋の染め仕事の指針になった資料か。
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次いで「日本の型染め」も。
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もちろんこれらは手持ちできずにお送りした。

田中紺屋の新作染布(当時)もついてます。
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はてさて。

美山訪問後の8月初旬のこと。

すっかり行きづらくなったリバマへ恐る恐る行った我々は、ある型紙を目にする。
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「こんなの、あった」って。

例の「てっさ菊花弁紋」の型紙?
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我々が今まで見ていたのより幅がずっと狭い。
田中さんの彫った型紙ではない。

要するに、これはいわゆる骨董の型紙。
江戸時代の型紙だろうと見る。

「見本にしたんだ」って田中さん。
往時の応援団、三彩工芸の藤本さんかどなたかが、田中さんにくれた型紙だと思われる。
「これ見て彫れよ」ってな具合。

この見本を元に、拡大したり葉っぱのデザインを変えたり。
あらためて試行錯誤した意匠である。
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こちらも美山へ渡すべき型紙だろう。

送る前に、黒幕津田が見分に入る。
曰く「新道さんに送る前に あの型紙をつぶさに観察したら、面白いこと分かった」と。

-古い型とは思っていたが、それにしては 紗張りがしてあるので、いつくらいのものかなと思ってた。そしたら、紗張りの下に、古い糸入れがあることが判明。斜め格子に紗より細い糸で糸入れしてあった。ということは、もともと 紗張りがない頃に彫られたもの。良いデザインなので、後で補強の為に紗張りして使用したと考えられる。型の裏には絽6反と書いてあるからもしかしたら両面型付けのものかもしれない。

以上、黒幕によるコナン張りの名推理の後、この型紙は美山へ無事お届け済み。
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「ちいさな藍美術館」は、京都美山にある古いかやぶき民家ミュージアム。

1階の藍工房では藍染めの様子が伺え、2階では藍染め新道コレクションが展示されている。
日本のみならずアジアやアフリカやヨーロッパの藍染めもあり、技法も型染に限らず絞りや板締めやろうけつ等々多岐にわたる。

なので、いつも田中紺屋の正藍型染が展示されているわけではありません。
その点はどうかご注意下さい。

さらに、上記の資料本は今のところ展示予定はありませんので何卒ご容赦を。
なら見せなきゃいいのに、見せびらかしたくて見せちゃった。
あしからずごめん。

ここ「ちいさな藍美術館」は、山奥アクセスを越えて来た世界中の藍キチの立ち寄り所。
ゆえにマニアック猛者のご対応に追われ、新道先生は日々大わらわとのこと。
我々こそはご無理を強いないよう気を付けたい。

いずれ遠からず「ちいさな藍美術館」で田中紺屋の染布が展示される機会もありましょう。
どうぞFBでチェックして下さい。

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さあさ、明日8/18に関東ローカル限定で「ちいさな藍美術館」のある美山北村を行く旅番組があります。
美山がどんなところか、雰囲気だけでもご覧下さい。

もしもツアーズ」 目指せ日本の秘境第1弾!京都かやぶきの里を目指そうツアー
2018/8/18(土)18:30-19:00

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「秘境」といううたい文句だもの。
余計に行きたくなっちゃう。
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とは言え、東京を朝イチに出ればゆうゆう日帰りできます。
我々はお昼においしいお蕎麦を美山ですすれました。

公共交通機関のあんばいチェックはぬかりなく。
乗り物がなければ行かれません。

うっかり休館日にもお気を付け下さい。


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by kerokikaku | 2018-08-16 22:22 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 08月 03日
ぎぼっち、リバマレポート-2

ぎぼっちこと、沖縄の紅型工房くんや冝保聡さん。
奥様の理英さんも紅型の作家である。※長方形の画像はすべてぎぼっち夫妻より拝借しました。

型染には並々ならぬ造詣のお二人。
古い資料本での田中紺屋もすべてチェック済み。
職人田中昭夫さんへの敬意も半端ない。

2017年3月名古屋月日荘でのコラボ展時のこと。
まるで隣町から来たかのように沖縄からうっかりヘルプにやって来たツワモノのぎぼっち。

彩り豊かなイメージの紅型染めに加え、ぎぼっちは去年から藍染も始めたという。
紅型(びんがた)に対し、藍型(ぃえーがた)と呼ぶらしい。

田中さんの藍仕事をリバマ訪問で吸収してもらえればナイス。
彼らの質問内容は的を射ているのだ。

リバ爺としても心待ちの訪問だろう。

以下、ぎぼっちからの聞きかじりレポートです。

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お待ちかね。

否。

待ちかまえ。
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そもそも型紙を見せてもらったり、藍について伺ったりが目的のリバマ訪問であった。
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それとなく、つつがなく済んだっぽい。
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けろ企画からの厄介ミッションは、岡崎デカ反の行く末について。

竹は竹やぶに。
デカ反は布団下に。
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結果として、デカ反を後進へ譲ることについて田中さんの異論はなかった。

「もうそんなに染められないから」って。
だよね。

では、いくらでどれだけ、どうやって?

まあともかく広げてみよう、と言うや否や。

ちょ、ちょ、ちょ!
ひとりじゃ無理ですってば。
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二人がかり。

腰砕けのヘビー級。
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どんだけ入っているんですかね。

100とか200mですかね。
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案ずるよりひんむけ。
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おととしは一人でこれをひんむいた。

帯幅に切ってミシンかけて精錬したんだ。

いつだって一人でやってきたんだよなあ。
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どれどれ。
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生地の状態はいいですね。

シミも黄ばみも何にもナシ。
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100が2本と
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50余が1本。
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どうやら1梱包250m。
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6梱包あるってことは、1500m分ありますね。
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「最初3000mあったからピッタリ半分使った」って。

3-40年で1/2の1500mを使ったってことは、確実に今生では使いきれない。
いずれにせよ結構な量、で間違いない。

「精錬をどうするか」相談の横で、ぎぼっち娘さんの威風堂々がたのもしい。
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鬼のTGアイデアは「いっそ精錬釜を沖縄へ送っちゃえ」案。
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もしくは「酷暑だけど田中さんに精錬してもらっちゃえばいいじゃん」案。
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グッドアイデアと思ったが、あまりの鬼発言に鬼さえ号泣したとかしないとか。

両案ともヒトとして却下された。
ザンネン。

ぎぼっちは給食窯を買って自分で精錬するのか。
はたまた精錬業者を探しだすのか。

それが決まらなければ、ぎぼっちだってデカ反を受け取れまい。
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ちなみに精錬済みの帯地小幅6mは130本あった。
(これさえ十分なボリュームだが静かにしたい)

さあさ。

ぎぼっちの決断。

まず精錬済み数本を預かって沖縄で試し染めしつつ、精錬方法についてはクリアにして、10月に仕切り直そうということになった。
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え?10月?

何かイベントがあった気が。

10/2にIFMで黒幕の講演会だっけ?

まさか、ぎぼっち来るのかな。
沖縄と川口と自由が丘って、ご近所?
パースがゆがんでいるが、そっとしておこう。

さて、隠れミッションとして「とんかつ屋で絶対ゴチしてもらってね」と伝えておいた。
木曜定休につき訪問日の注意も促しておいた。

「戦前のヒトはカラダのつくりが違いますねー」
と、ぎぼっち談。

すっかり痩せて弱弱しくなった、という危惧は一掃。
つるりのペロリ。
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しかも、いつもの「生姜き定食」じゃない。

お値段アップの「トンカツ定食」じゃないか。

この差は何だろう。

暑さのせいか。

気のせいか。

ちっ。

ちっっ。


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岡崎デカ反のキラーパスが無事遂行されるその日まで。

震えて待つのは、鬼とわたしだけってこと?

ちっ。


・・・・・・・・・・・・・・田中紺屋の染布も出展されています・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アフリカの藍、日本の藍ー大胆さと繊細さの対比
2018/8/2(木)-11/10(土)木金土開館:
岩立フォークテキスタイルミュージアム(自由が丘)
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お見逃しのないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









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by kerokikaku | 2018-08-03 20:25 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(4)
2018年 08月 02日
ぎぼっち、リバマレポート-1
ぎぼっちこと紅型染め作家 冝保聡さん。
同じく紅型染め作家の奥様 賀川理英さん。

このお二人と、リバーマウス川口の御大こと正藍型染師 田中昭夫とは浅からぬ縁がある。

2年前の猛暑日のこと。
型染マニアでもある二人は、満を持してリバマ訪問を果たした。

初対面にして、高く険しい田中紺屋の敷居をヒョイと飛び越えた。
紅型と長板中型の違いはあれど、同じ型染師。
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あれよあれよでリバ爺からの信頼を獲得。
敬意あるグッドな質問と彼らの知識と技量のたまもの。

おやおや?

人間性の差だろうか。
わたしなんて未だどこの馬の骨。
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そんなぎぼっち夫妻。
7月末にリバマへ来るという。

その頃、黒幕こと津田千枝子とわたしは出張中。
残念ながら同席できない。

もちろん、ぎぼっち夫妻なら好きに行かれて構わない。
少々しぼんだ田中さんを労ってくれれば、刺激剤となりありがたい。
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わたしには野望がある。

現役バリバリで田中さんが染め仕事をしづらくなった今。
実は田中紺屋の染仕事にまつわる資料をしかるべき機関に寄贈すべく、黒幕と動いている。

染め布と型紙と資料本は、既に二ヵ所で納めて頂いている。
そのうちの一ヵ所は、先にお知らせした岩立フォークテキスタイルミュージアム。
※ちょうど今「アフリカの藍、日本の藍」展開催中にて、田中染め布がご覧頂ける好機です。お見逃しなく!

それとは別件。

板場奥に大きく鎮座まします、アレ。

気になってるんだよなあ、コレ。
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たぶん3-40年前。

染め用布として手紡手織の木綿生地を探し求めた田中さん。
その頃でさえ国産を入手するのは困難を極めた。

最高の用布で田中さんに染めさせたい当時の応援団は、韓国やタイの手紡木綿を手配してくれた。

それでも限りがある。
安定的にたっぷりたっぷり使いたい田中さんは「手紡手織に近い生地を機械織り」でと思い立ち奔走する。

そして、三河木綿の産地・愛知県岡崎市の機屋に掛け合う。

糸から綿密に選び、何度も試作を経てようやく納得の生地が出来た
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それこそが、以降田中紺屋がメインで使うことになった「岡崎木綿」である。
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当たり前だが、機械は動き始めたらどんどん織れちゃう。
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「放っておいたらすごい量になるからさ、金を払って機械を止めてもらったんだ」
といつだか話していた。

そして2年半前の冬。

いきなり給食窯を仕入れていた当時80歳。
デカ反ひと包みを紐解き、帯地巾に切って端ミシンし、精錬にいそしむ。
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最後の頒布会は終わったんですけど。

なのに100反余を喜々として精錬してますけど。

知ーらない。
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残りのデカ反は6梱包ある。
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わたしはずっとこの「岡崎木綿デカ反」の行く末が気になっていた。
そのくせ勝手に行き先は決めていた。

・紅型のぎぼっち夫妻に帯地として使ってもらいたい。
・2017年月日荘展若い衆のひとり、MITTANに服地として使ってもらいたい。

それが野望。

前置き長がっ。

田中さんの承諾という高いハードルを越えねば。
デカ反を受け取る側の都合もありましょう。

双方の了解がとれたとして。
いくらにするか、どうやって精錬するか、どうやって送るか。

なかなか厄介。

リバ爺に直接交渉せねば。
もろもろ厄介ごとも、どうするか。

ぎぼっちのリバマ日、うちらはこの界隈に出張している。
一緒に行かれない。
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よし。

ぎぼっちに任せよう。

お任せちゃん。
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がんばれ、ぎぼっち。

続きます。

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by kerokikaku | 2018-08-02 23:58 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 08月 01日
「アフリカの藍、日本の藍」
明日8/2よりいよいよ開催です。

第15回展
アフリカの藍、日本の藍ー大胆さと繊細さの対比
2018/8/2(木)-11/10(土)木金土開館:
岩立フォークテキスタイルミュージアム(自由が丘)


フライヤーのオモテ面はナイジェリアの貫頭衣。
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ウラ面のシマシマは。

もしや。
まさかの。

どっかで見た記憶の。
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イエス。

正藍型染師 田中昭夫1980年代の作。
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ご存じ、岩立フォークテキスタイルミュージアム(IFM)館長 岩立広子先生。
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「紺定」田中紺屋染布の寄贈を引き受けて下さったのはこの冬のこと。

広幅と小幅を計9反、そして型紙10数枚。
IFMにふさわしい布を岩立先生みずからチョイスして頂いた。

テキスタイルの美を基準にコレクションされ、清々しく丁寧な展示をいつも見せてくれるIFMに「紺定」の染布が収蔵されたことを、TG寄贈チームは心より嬉しく思っています。
IFMに納めて頂いたことは、我々の自慢。

全てが出るわけではないが、直近の展示とはタイミングよく誉れなこと。

同じく寄贈品である「紺定」最初期の型染は伝統的な唐草文様。
真骨頂とも言えるデザインは、70年代後半から80年代初の作。
※奥の院より2年前にレスキューされた投稿はこちら
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その後、急速にキモノ需要が廃れる時代がやってきた。

80-90年代の田中紺屋は積極的に広幅にチャレンジした。
「広幅に染めれば服地に使える」と判断したのだろう。

シマシマや水玉やギザギザ柄。
シンプルで不変的なデザイン。
和装業界向けとは違う、大胆なアプローチを試みたのだ。
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我らTGはこれらの布を汗みずくで救い出したという自負がある。
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ええことした。
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ええ日やった。
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これは1980年頃の田中さん。
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ちなみにここで持ち上げているのは帯地小幅40cm弱。
広幅は3倍の120cm。

その広幅に糊を置き、屏風だたみに伸子をかけ、たっぷりの藍に漬けて上げたり下したり。

想像して下さい。
尋常な重さでなく狂気の沙汰。

ご自身も染色作家である岩立先生。
インドカディ広幅に藍型染をすることの難しさと面白さをよくよくお分かり頂いている。
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先だってリバマより引き上げた型紙。
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この型で糊付けして染めると、もれなくカワイイ水玉が出来上がります。

工程はハード過ぎて全然カワイくありません。
広幅は、もはや田中紺屋では出来ない。
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あの小冊子のサインとハギレの下、この水玉です。
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限定数ではありますが、館内でも小冊子販売をします。
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アフリカの大胆な藍と日本の繊細な藍。

田中紺屋「紺定」の藍がどう映るのが楽しみな今展。
明日からの展示をお見逃しなく。

っと。

これは何?
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講演会のインフォ

申込受付はお盆の8/14火ですって。
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我らが黒幕こと型染作家 津田千枝子が解説するんですって。
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もしかしてそれって。

BIGなサプライズゲストが遠路リバマからお出ましってこと?

まさかね。


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by kerokikaku | 2018-08-01 14:44 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2018年 07月 17日
それから
暴力的な熱気。
このあとしばらく晴れ予報とか。

もはや恐ろしい。
亜熱帯化はとうに甘受で間違いない。

効かないエアコンでもあるだけありがたい。
酷暑に気付かれないよう静かに去るのを待つ。

こう暑いと、エアコンなしのリバマことリバーマウス。
川口の誰それの安否が気になろうもん。
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型紙引き上げ&ハイドロ投入

その後1か月近く、わたしは行かれていない。
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にわかな動きがあり、そこかしこより爺に連絡が入った(らしい)。
間接的安否確認。

とりえあずの生存確認はできている。
四方から茶々が入るのはたいへんにありがたい。

染めも出来ず、やることなく熱中症寸前、日がな苦虫顔にとって、願ったりのシゲキ剤だ。
寿命も延びようもん。

うまいこと7月末。
沖縄の紅型染め職人ぎぼっち夫妻がリバマ安否確認に行ってくれるって。

現役の紅型染め師で型染マニア。
彼らは年に一度訪問してくれる、ありがたい存在だ。

今年から紅型だけでなく藍染もはじめた模様。
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田中さんは藍染め以外、なにひとつお話しのできないヒト。
ぎぼっちは田中さんに聞きたいことがたくさんある。

丁々発止で爺と話のはずむ稀有な存在がぎぼっち。

これは去年3月の名古屋での一コマ。
やっぱ爺、だいぶアレになったなあ。

ぎぼっちに喝を入れて頂こう。
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さて、ヨドバシ吉祥寺前の野良フヨウ。

無駄にデカイ報告。
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もったいながらずに冷房入れて、好きなだけアイス食べて。

飲みたい放題、麦の汁。

お腹出して涼しくして、ともかく酷暑を乗り越えよう。
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リバ爺の寝床に、先月の時点でまだ毛布が敷いてあったのが、やや気になる。



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by kerokikaku | 2018-07-17 19:46 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 06月 27日
6末7初のインフォルマシ
シクラメンでなく、シナチクでなく、クチナシ。

むんむんと大いに咲き、激しく終わるこの花を見ると、うっかり早世した友人を思いだす。

いま時分だった。
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わたしは何もわかってなかったね。
悪いことをしたと反省するけど、もう遅いね。

いま思えば、32歳で亡くなったのに遺影が18歳って、あれはどうなのかな。
やっちまったっていうか、親込みで仕組んだよね、きっと。

はからずもいま、シクラメンを後追い中だよ。
コンサートチケットが軒並み完売で、非力だ。

毎日すりきれるほど70年代YouTube。
今になって良さがわかって、間に合ったね。
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ヨドバシ前の野良あじさいは、くまモンサイズになったろうか。
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川口のお爺さんのこと。

やめるやめる詐欺ばっかで、やめなくて。
むしろやりすぎで困ったのが、今は懐かしい。
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結局、完全にやめるとは言ってないけど、ぜんぜんやれてない。
ちょっと難しいかも。

それ一筋のひとだから、一気にアレだ。
老いるショックの加速が止まらない。

馬の骨のわたしごときでは止められない。
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実はこの秋、リバーマウスの爺をからめた企画があるんだけど。
日程は10月2日の火曜平日。

もう決まっちゃった。
詳細は追ってまた。

だいじょうぶかなあ。
リバ爺が来ないと、カッコつかないんだよなあ。

のろしと伝書鳩のスタンバイは始めてるけど。
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こないだ、生姜焼き食べながら「田中さんさあ、少なくとも10月2日までは元気にしてて下さいね」
と申し上げるとニヤッとしてた。

不敵な笑みってやつ。

まあ、かたずをグビリで草葉の陰で見守ろう。
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おかしいな。

タイトルと中身が合わなかった。
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キャリーオーバーにします。

すみません。


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by kerokikaku | 2018-06-27 22:06 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(2)
2018年 06月 24日
カンフル注入-その2
実は黒幕、この事態を想定して「カンフル剤」を持って来ていた。
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何故ならば。

この播磨藍は、建ててからほとんど染めていない。
すると藍成分は残っているだろう。

本当のダメにはなっていないはず。
PH調整がうまくいかずにただ眠っているだけじゃないか、と分析していた。
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実験のため、バケツに藍をとる黒幕。

そこへ魔法の粉「ハイドロ」を振り入れた。

寝ている藍を起こしにかかる。
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藍がダメとなり、万事休すのリバ爺。

苦虫顔のまま、わけがわからずウロウロ。
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ハイドロを入れた藍バケツ。
白ハギレを藍に漬け、酸化させ、色を見る。

藍が目を覚ました。
ぱあっと青くなった。

それを見たリバ爺の顔もぱあっとなった。

バケツ実験が成功したので、藍甕2つにカンフル剤を投入する。
かきまぜて白ハギレを浸し、色をチェック。

しばし時を待ち、苦虫を向いて黒幕が言った。

「さあ、もう染められるよ、あとのお世話はいつもどおりでいいから」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

灰汁発酵建て一筋の田中紺屋こと、屋号「紺定」。

その歴史上、使ったことのないカンフル剤を投入した。

これにて、田中紺屋は純粋な発酵建てではなくなった。

もはや他に選択肢があろうか。
リバ爺の命がかかっている。

現在のリバマは、純血の正藍発酵建てを守る以前に「藍が建つ」ことが最優先。

と判断した。

※公表をためらったのでこのシーンの画像はあえて撮らなかった。
ヒヨヒヨに弱り切った田中さんの顔を撮ることも出来なかった。


「今後も藍を建てるようだったら、インド藍でやるのはどお?」

黒幕がふたたび提案した。
実際、黒幕もインド藍を使って染めている。

どお?と聞かれても答えようもない。
正藍蒅以外は使ったことがない。

田中紺屋はじまって以来の初めて尽くし。
よくわからずに困惑している。

そりゃそうだろう。

インド藍を播磨藍に足して、今まで通りの発酵建てが出来ると知って「うん」と了解した。

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お見事、黒幕。

黒幕だって、きっと逡巡したに違いない。

しかしこれこそが、順序だった、現実的で、建設的で、正しく、ヘルシーな善後策。

いいですよね、田中さん。
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ガラガラに痩せた御大。

12時に腹時計が鳴らないのは、普通じゃない証拠。
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でも型紙、もう少し引き上げたいんで、見せて下さい。
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これまで指一本たりとも触らせなかった型紙。

それを、御大自らあれもこれも、と。
うちらの泥棒引き上げに協力的。
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もはや、観念してるんだなあ。
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染めも彫りもする、稀有な型染師。
おびただしい型紙は500枚位あるだろうか。

同じ意匠でもちょっとずつ変え、何パターンも。

呆れるほどある。
熱すぎる情熱。

家族も世間も何もかも顧みず、正藍型染一筋でやってきた。
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さあ、ご本人承知の大泥棒作業は終わりました。
荷づくり完了。

うちらの逃げ足も相当早くなったっしょ。

「そうだな」
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お腹すきましたね。

田中さんのおごりで一緒にどうですか。
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そゆ時の足取りは早い。
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ねえ。

また痩せたけど、食欲ないんですか?
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ってことは、ないらしい。

とんかつソースを生姜焼きにたっぷりかける。
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一粒残さずごちそうさま。

ペロリが紺定印。
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じゃあゴチになりましょうかね。

ははは。

財布にもタナカの「タ」って。

笑えるね。
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え?

金入れるの忘れた、って。

おいおいおい。

小銭じゃ足りないですから。

もういいです。

まじ笑えない。

つうか、ありえないんですけど。
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困った顔したってダメですから。

ダメです。

るるは守って下さい。
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いいですか。

わたしの閻魔帳は、もう真っ黒ですよ。

きょうから赤の太字油性マジックにします。
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そうゆうの、ありえないですから。
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ぜったいに。
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ありえないですから!





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by kerokikaku | 2018-06-24 23:37 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)
2018年 06月 23日
カンフル注入-その1
この先簡単にはリバマへ行かれない。

その理由は、どこまでもふんわり濁したい。

リバマこと、リバーマウスこと、川口の正藍型染師 田中昭夫。

鳴らしても出ないケータイは解約し、家電話のみ。
本人と話せる保証もない。

のろしか伝書鳩でしか連絡がとれない。
上げて飛ばして気付くかどうか。

そんな矢先。
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「藍がおかしくなっちゃってさ、どうしていいんだかわかんないんだ」

と、あっさりご連絡。

あっさりすぎて腰砕け。
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困ったときだけガンガン電話するのがリバマシステム。
朝も夜もありゃしない。

テクニカル問題があれば、菅原匠さんか黒幕こと津田千枝子を頼る。

小憎いのは、スッと飛んでくると見越して、黒幕にかけたところ。
終いには「何度かけても出ない」と文句を言う。


舌の根も乾かず、濡れそぼる梅雨6月。

またしても。
万障繰り合わせ、リバマへ急行かよ。

性懲りのない我々を、さあ笑え。
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しばらく降りることもないな、と。

ついさいきん、感傷にふけた気がしなくもない、リバマ再び。
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やれやれやれやれやれやれ。
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「助かったよ、わざわざありがとう」

万にひとつも言われたら、かえって大事件だ。
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心配ご無用。

「やっと来たか」ってな苦虫全開。

「待ちくたびれた」と言わんばかり。
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聞けば「順調に建っていた播磨藍が狂った」と。
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4月はちゃんと染まった。

だって、貯まったTポイントで、禁断の私物染めしてもらったんだもの。
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5月GWのダッチョ手術後、おシモは治ったが体調のすぐれぬ日々。

あの御大にして、染めどころではなかった。
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それでも老体に鞭打っていた。

大甕2つから、向かいの小甕3つ(といってもデカい)に藍を移し替えていた。

藍のためならオレはやる。
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上のように、甕覗きレベルしか染まらない。

5月は電池切れだった時計が直っていたのは、少々前向き。
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どんより色の藍。
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すいぶんアルカリが高い。

これを鎮めるには、時間がかかる。
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「何もやってない」と言うけれど。

なんか、やらかしたんだろうな。

そうに決まっている。
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このところ、勘の鈍っている感が否めない。

イラチに拍車がかかり、以前に増して辛抱がきかない。
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「あわてないで、様子見て」なんて。

何の呪文にもならない。
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「この藍はダメだ、捨てて新しい藍で建て直すしかないな」

藍染め歴60年、正藍型染師 田中昭夫83歳。

得意の善後策とばかり言い放った。

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「ダメよ!」

ピシャリと黒幕に言われた。
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正藍の蒅を手に入れるのは簡単ではない。

今だって、予約済みで一杯の播磨藍を無理に横から分けてもらっている。

簡単じゃないことを忖度する我々はもう3度目。

「最後の藍」にみんなが協力してくれた。
最後最後、は何度目の最後か。

もうこれ以上お願いできない。
したくない。

わがまま放題やってきた藍人生。
ダダをこねれば、何とかなると思ってる。

この藍がダメになったら、これまで。
ないものはない。
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苦虫、仁王立ち。

「それじゃあ、困る」

頑としてゆずらない。
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たまげたね。

この人は。

この期に及んで、どの口で言うかね。

生まれてこの方、自分の藍の事しか考えていない。
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案の定、とってあった播磨藍を先週菅原匠さんに送ってしまったことをブツブツ言い出す始末。

藍がダメならこの世の終わり、と同義語らしい。

見えない炎でメラメラし始めた。
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再度「ないものはしょうがないのよ」と、黒幕がピシャリ。

夢見の悪い哀れな姿。

しかし我々はほだされてはイケない。

ない蒅は魔法でも出せない。
心をグッと強く持たねば。


続きます。



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by kerokikaku | 2018-06-23 23:35 | 正藍型染師 田中昭夫 | Comments(0)